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帝国の中心だと思われる場所につくと、そこには彫刻で囲まれた泉があった。
綺麗な女性の像が中心にあり、その女性を取り囲むよう、
細身から、マッチョ、子供から大人と、幅広い男性が4人囲んでいる。
彫刻には詳しくはないが、こんな帝国の中心部の、
多くの人の目が集まる所に設置してある所からして、
芸術性の高い彫刻なのだろう。
泉の中を見るとコインが入っており、
トレビの泉のようだな・・・と思う。
どうやら投げ入れられているのは、古代硬貨らしかった。
なんとなく、アイテムボックスにまったく使い道のなかった、
古代硬貨があった事を思い出し、投げ入れる。
ポチャンと音がして、コインが泉に入る、
すると、ゆらゆらと幻影が浮かび上がり、いきなり叫び出した。
「ちょっと1枚?ケチすぎない!!」
いきなり女性の幻影に文句を言われ、反射的に
「すみません」
といい、古代硬貨を5枚程投げ入れる。
「ふふふ・・・分かっているじゃない」
いかにも古代人なのだろうと思われる幻影は、
いきなりご機嫌になった。
「こんな所に何しに来たの」
あまりの事に、ポカンとしていたが、
これはチャンスと思い、幻影に話かける。
「スカルドラゴンの核を探しています」
「スカルドラゴン?
この泉の底にあるわよ、見たい?」
「ええ、お願いします!」
すると、分かったわ~とエコーがして、
泉の水が引て行った。
まさかこんな所に入口があったとは!
水が全て無くなると、階段が出て来た。
「やりましたね!ハルト様!」
「ああ」
螺旋状になっている階段を、慎重に降りていく。
螺旋階段は思っていたより長く、
マンションの2階分ぐらいの長さがあった。
下まで降りると、道が分かれている。
「ダンジョンね」
ついセスティナを見てしまう。
「ダンジョン?」
ロープレのゲームによくある迷宮の事だろうか?
時間が惜しいこの時に、ダンジョンとはついていない。
「恐らく罠がいくつも仕掛けられています」
セスティナの言葉に更に表情が硬くなる。
セフィロスの表情も硬い。
そんな中、陽気な声が響く。
「じゃ!私についてきて!」
エレナの言葉についつい聞いてしまう、
「大丈夫なのか?迷ったりしない?」
「大丈夫!」
「どうして?」
「カン!」
自信満々に言い切られて、反応に迷う。
勘で大丈夫なんだろうか?
「ハルト様、エレナの勘は本物です、
間違いなく最短をいけます」
セスティナの言葉に、信じるしかないかと思う。
実際、俺にはどちらの道を行ったらいいか、
まったく予測が立たない、
なら、勘が働くエレナに任せるべきだろう。
「とは言っても、罠はあるからよろしくね~」
そう言いながら、迷う事なく左の道を進む。
そんなエレナにあわててついていった。




