5-1 滅んだ帝国
そんなのんびりした日を過ごしている時、
いきなり地面が揺れた。
地震か?
しかし、この世界は精霊がいて、異常気象は存在しないはず・・・
つまり、精霊王を始めとする、全精霊でも対応できない程の事が、
起こったと言う事か・・・
気にはなるが、この世界にはテレビもラジオもない、
貴族と言う立場なので、比較的早く、
原因が分かり次第伝えられるだろうと思い、とりあえず静観する。
すると、王宮の勅使らしき人が、大慌てで屋敷へと来た。
「スカルドラゴンが現れそうです!!!!」
「詳しく聞かせて下さい」
そう言って、勅使を屋敷に招き入れる。
詳しく話を聞いていくと、スカルドラゴンは骨だけの竜で、
やっかいなのは、死霊の一種なので、
攻撃して破壊してもすぐ再生してしまう事。
精霊のエネルギーを吸い取ってしまい、
今はまだエネルギーを蓄えている状態である事。
今は存在は希薄で、揺らいでいるが、
段々力を吸い取り存在がはっきりしてくるだろうとの事だった。
地震は力を吸い取られる時に起こっており、
これから更に大きく、頻繁に起こると予兆される。
「スカルドラゴンは過去の記録から、1回攻撃すれば、
力尽きて倒れる事は分かっています。
ただ、その1回の攻撃で大きな破壊が行われ、精霊は力を吸われる為、
広い土地がしばらくは生き物が住めない不毛の地となります」
「その攻撃が行われるまでの日は」
「おそらく5日後ぐらいだろうかと」
王の予言と過去のパターンからの推測らしい。
「何か対策は?」
「王の予言だと、精霊の導きにより、
エルフとの協力の元なら奇跡が起こるそうです、
ですので、精霊王、エルフの長に協力をお願いしている所です」
「もっと具体的にどうすればいいかは分からないのですか」
「あくまで予言ですので・・・
ここまで予言の内容が告げられる事自体、
異例の事なのです」
それだけ事が重大で・・・と続ける。
予言では、奇跡が起これば何とかなるかもしれない、
しかし、奇跡ではあまりにも不確定だ、
もっと、これがあればいいとか、
こうすればいいとか分かれば協力できるのに・・・
自分の気持ちがじれじれするのを感じる。
このままでは、精霊王も力を吸い取らている為結界は弱くなり、
この王国にも甚大な被害が出るだろうとの事だった。
勅使を送り出し、彼の言葉の重みを噛みしめる。
ただ、破滅を待つだけ・・・
そう言われて焦燥感が募る。
何もできないのか・・・
窓をノックする音がする。
何かと思って外を見ると、多くの精霊がそこにはいた。
あわてて屋敷の中に招きいれる。
「イクノ」
「イセキ」
「レイチョウ」
「カクヲ」
「カエル」
片言の単語を次々話す精霊達の言葉を、必死に聞く。
精霊は基本、どの種族とも交わらない、
草木と共に、自然と共に存在している。
その精霊達が必死で伝えてくれているのだ。
代わるがわる話す精霊達の言葉をまとめると、
だいたいこんな感じだ。
『霊鳥に乗って遺跡に行き核を変える』
遺跡と言うと、日本の地図でいう愛媛に当たる、
滅んだ帝国の事だろう。
そこに恐らくスカルドラゴンの核があり、
それを壊して欲しいと言っているのだ。
本体と核が別にあり、本体はいくら攻撃しても
ダメージは入らない。
なので核をどうにかしないといけないと言う事だろう。
外に大きな羽ばたく音がして、霊鳥の姿が見えた。
行くしかない!
「セフィロス!遺跡へ行く!」
「今からですか?」
「ああ、すぐにだ、マチルダは留守番をしていてくれ」
セフィロスはすぐさま、遺跡へ行く準備をする、
必要と思われる物を、どんどんマジックバックに入れていく。
専属のメイドに、滅んだ帝国に行くとだけ伝え、霊鳥の背中に飛び乗った。




