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異世界で調合は最強です  作者: あいら


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55/68

4-4

「少し庭でも歩いてきたらどうだ?」


「は、はい!」


ローレンスはマチルダをエスコートして、

手を繋いでいる。


赤い顔で、尻尾をピンと立てて、

いかにも緊張している風のローレンスと、

お友達が来たぐらいに思っているのだなと思うマチルダ。


温度差はあるが、子供2人が仲良く歩いて、

花を見ている姿は可愛らしい。


だんだん、ローレンスなら、

マチルダを幸せにしてくれるかなという気持ちになってくる。




散歩を終えた2人に、マチルダの部屋を案内する。


最初会ったばかりで、部屋を見せるのはどうかと思うが、

王宮の使用人たちが、部屋を見せないでどうするのですか!

と強引にスケジュールに組んでしまったのだ。


部屋に入ったとたん、ローレンスが言ったのが、


「この絵は!」


だった。


アルテノン共和国で買った絵は8枚、

今は最初に飾った5枚とは2枚入れ替えて飾っている。


俺にはまったくわからないが、マチルダにはこだわりがあるらしく、

季節や気分で入れ替えているようだ。


「私が欲しいと言って、ご主人様に買ってもらったの」


マチルダが自慢げに言う。


「作者は?」


ローレンスの言葉にマチルダが困る。

作者の名前は憶えていないようだ。

ちなみに俺も覚えていない・・・


「作者は分かりませんか!」


ローレンスの必死の表情に、確かサインをもらったなと思い出す。


「ローレンス、絵にサインがある、それを見てみるかい?」


「はい!お願いします!」


明らかに嬉しそうなローレンス。


王宮の使用人に指示を出して、

今は飾ってない絵を持って来てもらう。


「ガルティア・・・」


ローレンスの視点はサインに集中している。


「ディアール王国の有名な画家は網羅しているはずですが、

 思い当たる人がいません・・・」


「アルテノン共和国で買ってもらった」


マチルダが自慢げに言う。


「アルテノン共和国・・・何としてもコンタクトを取らないと・・・」


ぶつぶつ言っているローレンスについ口を出してしまう。


「マチルダの名前を出せば、買いやすくなるはずだよ」


俺は絵を買った時の状況を話す。

確か連絡先も聞いていたはずだ。


「分かりました、ありがとうございます」


丁寧に礼をするローレンスに、好感度が上がる。



食器といい、絵といい、

マチルダの感性と合いそうだ、このまま話を進めてもいいかもしれないな。


そう思っていると。


いきなりローレンスが膝をついて。


「マチルダさん!結婚して下さい!」


といきなりローレンスがプロポーズをした。


「結婚?」


何の事かいまいち分かっていないマチルダに、


「一緒に住む事だよ」


と伝える。


すると、


「ご主人様と一緒にいれなくなるの?」


と言うので、


「結婚したらね」


と言うと。


「じゃ、結婚しない」


とマチルダはきっぱりと言った。


やっぱり今は俺といたんだなと嬉しい気持ちになると同時に、

ショックを受けているローレンスに、


「こんな事で諦めるぐらいなら、マチルダはやれないぞ」


と言うとすぐに立ち直っていた。


なかなか見込みがある青年だ。


マチルダが結婚しないと言った事に気を良くした俺は、

とりあえず、婚約だけは結んでおくかと決めたのだった。

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