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異世界で調合は最強です  作者: あいら


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4-1 ディアール王国での生活2

アルテノン共和国から戻って数日が経った。


戻ってすぐは、王宮や各ギルドから調合依頼が

溜まりに溜まっていて、忙しくしていたが、

それらがひと段落着くと、のんびりとした時間が流れている。


SSランクになったが、禁断の調合の書に書いてある

調合を今の所するつもりはない。


禁断とだけあって、死体を思い通りに動かすとか、

おおよそ人が使っていいと思える物ではなかったからだ。


必要があれが作るが、それまでは存在しない方がいいだろう。






それにしても驚いたな。


マチルダが買った絵だ。


部屋に飾りたいと言うので、買った8枚のうち

5枚を飾る事にした。


王宮から派遣されている侍女達にマチルダが指示を

出したのだが、並べられた時は圧巻だった。


一枚、一枚は大した作品に思えなかったのが、

きちんと並べられると、さほど詳しくない俺でも、

一流の芸術品だと感じさせられる。


売れてない画家と、どこか軽く見ていたが、

あの画家の評価を一変させた。


どこか大人っぽくて、寒々しい部屋は、

カラフルな絵により、優しい雰囲気に包まれた、

センス溢れる部屋へと変貌している。


そのマチルダのセンスに、

真贋の眼を持っていると知った時ですら、

さほど何とも思わなかったのに、

この時初めて、この子は凄い才能の子なんだと感じた。


この才能が正確に評価され、生かされればと思うが、

実際の所、俺が気づくのが遅かっただけで、

各所では、マチルダは俺が思うより、

遥かに評価されているようだった。




そんな事を思いながら、夜更けにお酒を飲む。


セフィロスが馬車を改造した業者に頼み、

ソファを特注で作ってもらったのだ。


この国では椅子と言えば木でどうしても固い。

細部までこだわった、柔らかいソファに、俺は満足していた。


蝋燭はどこか淡い色でそんなに明るくはない。

それがムードを盛り上げてくれる。


ここでレコ―ドなんかかければ最高だが、

蓄音の技術はこの国にはない。

音楽をかけると言うと、楽団を呼んで演奏してもらう事になる。


俺のお金なら、楽団を呼ぶなど造作もないが、

楽団を呼んでまで音楽を聴きたいという程ではない。


外から聞こえる鳥や虫の鳴き声で、

ここは満足しておこう。


そうしてお酒を飲んでいると、コンコンとノック

する音が響く。


こんな夜更けに誰だろう?と戸を開ける。


するとセフィロスがいて、中に入るように促す。


「どうした?」


セフィロスはなかなか口を利かない。


じっと話を待つ。


「私を売らないで良かったのですか?」


この言葉にピンときた、

アルテノン共和国でセフィロスを金貨15枚で買い取りたいと

話があった事だろう。


「どうしてそう思う?」


俺は重ねて聞く。


「金貨15枚です、普通は売るかと思うのですが」


俺に損をさせたと言う気があるのだろう、

もしくは我儘を言ってしまったかと・・・


セフィロスらしいなと思う。


ソファに深く腰掛け、お酒入った陶器を回しながら答えた。


「国章金貨が574枚あるんだ、

 金貨の10枚や20枚増えても、大した事じゃないと思わないか?」


セフィロスは一瞬理解できないと言った表情をしていた。

セフィロスには白銀貨以下は任せているが、

金貨や国章金貨については俺しか知らない。


余裕で笑っている俺に、やっとセフィロスの顔が和らいだ。


「余計な心配だったようですね」


その言葉にお酒を勧める。


「セフィロスも飲もう」


「しかし、貴重なお酒では」


遠慮するセフィロスに、断れないよう、

強引にグラスにお酒を注いでしまう。


「1人より2人の方がおいしいさ、乾杯」


俺がお酒を口にして、

グラスを手に持ったものの、躊躇しているセフィロスが、

意を決したようにお酒を口に運ぶと、

また驚いた顔をしていた。


セフィロスのこんな顔が一日で何度も見られるとは、

今日は珍しい日だと思う。


「このお酒は?」


「海の中で熟成された特別品だよ」


龍神様からもらった、難破した船の荷物にあった物だ、

俺が飲んだ中では一番美味しくて、

セフィロスの舌にも合ったようだ。


「海の中で熟成ですか?」


ポカンとしているセフィロスを楽し気に見る。


最初はセフィロスは黙って酒を飲んでいたが、ぽつりと話しだした。

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