3-9
「いえ、俺はライスが欲しかっただけですから、
今まで通り、村の守護をして下されば十分です」
これは本心だ、この件がなければ、
エリクサーは永遠に作れなかっただろう、
今後もエリクサーを作れるルートを開発できたと思えば、
決して悪くはない。
「そうだ、今まで取れた俺の鱗を渡そう、
ほかにも真珠とかいろいろある」
そう言って、祠の裏に案内してくれた。
「他にも海で難破して流れ着いた物など、
いろいろ置いてある、
私には不要な物だ、持って行ってくれ」
そう言って案内されば場所には、
かなりの大きな空間に、大量の物が置かれていた。
「これのどれですか?」
「全てだ」
そう言われて驚く。
ぱっと見ただけでも、価値が高そうなものが、
沢山あったからだ。
「本当にいいのですか?」
「むしろ私には邪魔だ、持って行ってくれるとありがたい」
そう言われて。
「それでは・・・」
ありがたく全部収納する。
ちなみに、龍神様は信仰が力になるそうで、
食事などはしないそうだ。
そのまま村の守護を止めれば、信仰がなくなり、
力尽きて消滅しただろう、
それを知っても女性を救いたかったのだ。
幸せいっぱいな龍神様を見て心から良かったと思う。
「これからは以前のように、村を守護しよう」
そう言って、龍神様は村へと足を運んだ。
龍神様の姿を見た村人は、
祭りだ!と楽器を取りに走る者、
いきなり踊り出す者、
ご馳走を!と言って狩りに出る者と大騒ぎになった。
その後、祭りまではいかないが、
どんちゃん騒ぎになり、
俺とセフィロス、マチルダも招かれた。
提灯の明かりが村を照らし、
どこか懐かしさが村を包む。
料理も振舞われたが、手の込んだ豪華な物ではないが、
村の名産を詰め込んだシンプルな料理は、
それだけで心が温まる物で、本当においしかった。
なにより
「米だ!」
シンプルに塩だけで味付けされたおむすびを口に運ぶ。
転生して初めての米。
やっぱり日本人はこれだな~としみじみ思う。
それに、思いがけない幸運もあった。
「お酒もどうぞ」
そう言われて注がれたのは、透明な液体。
お酒と言えば赤か白のワインのみだったので、
期待が膨らむ。
一口飲んで、確信した。
日本酒だ!
「珍しいでしょう?米から作ったお酒で、
この村でしか飲めないお酒なんですよ」
お酒を注いでくれた、少しふくよかな女性が、
自慢気に説明してくれる。
「ぜひ!このお酒も分けてもらえませんか?」
「おや、このお酒も気にってくださったのですか?
本来、この村独自の物ですが、何と言っても村の恩人、
龍神様とも親しい方とあれば、喜んでお譲りしますよ」
「もちろん、対価はお支払いします。
元々お願いしていた米と一緒に、こちらもお願いします」
「分かりました、お任せください」
女性に力ずよく言われ、俺は天に上る気持ちになる。
『情けは人の為ならず』
これって、結局は自分の為になるって意味だったかな?
もしそうだったら、これこそそうだよな。
人の為になって、自分の為になって、最高だ。
満足感に酔いしれならが、日本酒をもう一度口に含んだ。




