3-5
歓迎の宴会が終わって、次の日はあてがわれた宿泊所で
ゆっくり過ごして、3日目、目的のお米である。
もちろんSSになる為の素材も忘れてはいない、
なので。
俺はは御者と米を作っている少数民族の所へ。
この少数民族が住んでいるのは、ルドン村というらしい。
セフィロスはSS素材収集。
マチルダは共和国のお宝見学。
(王が見せてもらえるよう依頼してくれた)
とそれぞれ分かれて行動する。
ルドン村までは、馬車で1日。
ただ道が細いようで、乗っていた馬車は大きすぎると
いう事で、共和国で手配した馬車に乗った。
その馬車はやはり木の椅子で、
セフィロスの床のクッションにしてくれたありがたさを、
身を持って体感する事となった。
ルドン村に着いて、その風景を見て思わず声が出る。
「綺麗だな」
そこは段々の棚田になっていて、
緑の稲穂が植わっている。
間違いなく米だ。
一つ一つの田んぼが小さい上に、
山の斜面に沿って段々に植えられているので、
機械を使って一気にとはいかない、
おそらく手作業で育てられているのだろう。
段々の所には石組が組まれていて、
この石も一つ一つ運んで、
崩れないように組んだのだと思われる。
先祖代々からの途方もない時間が作り出した景観に、
心が揺さぶられる。
その手間暇を考えると、気が遠くなりそうになり、
そこまでしてでも米を作ってくれている事に、
感謝の気持ちでいっぱいだ。
俺の目的は、定期的に購入するので、
多い目に作ってもらえれるよう依頼する事。
そこまでの余裕があるのか不安になりながらも、
何とか交渉できないかと村長の元へ向かう。
「はじめまして、ハルトです」
「これはこれは、貴族様に、こんなさびれた村に
来て頂けるとは・・・・」
歩けるのが不思議なほどよぼよぼの老人が迎えてくれた。
「米じゃない、ライスを分けて欲しいのですが・・・」
「もちろんお譲りします、むしろライスしか特産がないので、
購入して頂けるのは私共にとっても嬉しい事ですので」
予想外の嬉しい言葉に、一気にテンションが上がる、
余裕があったんだ!
木で組まれた倉庫のような場所に案内してもらい、
言い値に少し上乗せした金額を払い収納する。
「こんなに頂いていいのですかな」
長老は俺の上乗せの金額に、びくびくしているようだった。
しかし、あの段々の田んぼを見て、
その労力を考えてると、決して高いとは思わなかった。
「また、購入したいので、多い目に作ってもらえると
ありがたいのですが」
そう言うと、老人の顔が曇った。
「今年からはもう、どうなるか分かりません・・・・」
「それはどうゆう事ですか?」
言うか言うまいか迷っている村長に、
ライスの為なら、協力は惜しまないと説得し、
無理矢理話を聞き出す。
「実は、この村には守護をして下さる龍神様が
いらっしゃるのですが、
その龍神様の守護がなくなってしまったのですじゃ」
「龍神様・・・・なぜ、守護がなくなったのですか?」
「それは私共も分かりません、
龍神様に会えば、帰るように言われ、
話をして下さらないのですじゃ」
「では、俺が一度龍神様と話しをします」
「いや・・・しかし・・・・・・」
「龍神様の守護がなかったら、困られるのでしょう?
必ず解決できるとは言えませんが、
やれるだけやってみたいのです」
「私共の村の為にそこまで・・・・」
いや、ライスの為なので、そこまで感激されても困るが、
老人に案内され、龍神様がいる祠へと向かった。




