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そうして快適な旅をしてアルテノン共和国へと着いた。
印象としては、中世ヨーロッパから、
古代ギリシャへ来たという感じか。
王国では、茶色の髪が多く、後は赤っぽかったり、
黒っぽかったりした。
目も茶色や黒の人が多い。
共和国では金色や銀色の髪が多く、
目も青い人が多い。
服装も全然違う。
そう言えばセフィロスは銀色の髪で青い目だ、
共和国の出身なのかな?と何となく思う。
まずはと、アルテノン共和国の議長の元に向かう。
元々王宮から、俺が行く事は連絡がされており、
スムーズに議長と面会する事ができた。
王宮というより、神殿といった感じの建物の、
奥へと案内される。
「ようこそ、私が議長のルーディスじゃ」
「はじめまして、ハルトです、よろしくお願い致します」
そう言って、王から渡されていた親書を渡す。
議長は親書を読んで確認して、頷いた。
「歓迎しよう、この共和国での便宜は図るようにする、
何なりと気軽に言って欲しい」
「ありがとうございます」
「さっそく歓迎の宴を開きたいのじゃが、
宴にはそれぞれ材料を持ち込む事になっておる。
アルテノン共和国でのしきたりゆえ強制はしないが、
何か提供して頂ければありがたい」
「そうですね」
しきたりとあれば、提供するのは全然構わない、
食材はマチルダがいろいろ買いこんでいるのでふんだんにある。
問題は何がいいかだな・・・
「ハルト様よろしいでしょうか」
セフィロスが口を開く。
「なんだい」
「ワイバーンの肉などいかがでしょう」
「ワイバーンか」
ワイバーンは空を飛ぶ小さな竜みたいなモンスターで、
SSになるのに牙が必要で、セフィロスが狩ったモンスターだ。
ちなみに、王宮の依頼で王女の警護をした時、
お金が増えていたのは、
このワイバーンの討伐証明部位をギルドに提出し、
お金をもらっていたからだと分かった。
なので、牙と討伐証明部位はないが、
その他の部分、お肉などは俺のマジックバックにそのままある。
「ワイバーンの肉があるのですか?」
ルーディスが飛び上がらんばかりに驚いていた。
「ええ、この肉でいいですか?」
「そりゃもう!!!おい!料理長を呼んでこい!」
いきなり議長だと納得させられる威厳のある声を出し、
ルーディスが命じる。
「いえ、俺が調理場に向かいます、
ここでワイバーンを出すよりいいでしょうから」
「そりゃ、そうですわな、儂とした事が、
それにしても、今夜が楽しみですわい」
さっきの威厳のある声とはまったく違う、
うきうきした声に、良かったと思いながら、
調理場へと案内してもらった。
その晩、ワイバーンの肉が焚火で豪快に焼かれ、
飲めや騒げやのお祭り騒ぎになった。
王宮では食事中は話さないものだが、
共和国では会話を楽しみながら食事をするようだ。
それに音楽の演奏もあって、
雰囲気を盛り上げる。
日本の琵琶のような形をした楽器だが、
出る音色は全然違う。
このギリシャ風な世界に、マッチした音楽だった。
常に20人程いて、更に立ち代わり、入れ替わり訪れる。
その際、食料を持ち込むので、
いろんな種類の食事がところ狭しと並べられた。
マチルダは全種類制覇すると、一つ一つの量を抑え、
いろんな料理にフォークを伸ばしている。
セフィロスは好きな料理があるみたいで、
いくつかの決まった料理にだけ、フォークを伸ばしていた。
俺もマチルダには敵わないが、できるだけ多くの種類を
食べようと、量を抑え、いろんな料理にフォークを伸ばす。
中には俺の舌には合わない料理もあったが、
こんな料理もあるんだと、新しい発見もあって、
議長に美味しかった料理のレシピをもらえるよう依頼した。
ワイバーンの肉はかなりの御馳走だったようで、
この宴に参加した人はほとんど肉目当てのようだった。
笑い声と音楽、心地よい風。
それらを感じながら、共和国では楽しめそうだと、
これからの生活に思いを馳せていた。




