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王との謁見はつつがなく?終わり、
部屋に戻ろうとすると、侍女がこちらへと違う方向を案内する。
何も疑わずついていくと、立派な建物があった。
ここはどこだろう?
そう思っていると、
「今日から、ここがお住まいとなります」
どうやら、王宮の一室から、離宮一戸にグレードアップしたらしい、
「ありがたいお話なのですが、掃除や料理など、
俺に全てこなせるとは思えないのですが」
王には言えなかったが、相手は侍女。
なんとか婉曲にお断りを入れる。
「ハルト様のお手を煩わせる事は致しません、
掃除、料理、全て専門の使用人がおります」
ぐふっ!そこまでするのか!
「それに、貴族様に不遇な対応をすると、
国の威信に関わります」
流石、俺の専属の侍女、この一週間で俺の性格を正確に把握している、
そう、これが俺の我がままだったら、迷わず離宮を出る、
しかし、相手の立場が絡むと、そう簡単にはいかない。
はあ、どうしてこうなったんだ?
貴族になった事で、手の甲にあった紋章は手首まで続く
大それた紋章へとなっている。、
今日何度目かの同じ疑問を頭に浮かべつつ、離宮に入る。
大きなエントランスに、少し入った所に螺旋階段があり、
2階建てのようだった。
「部屋は全部で9部屋ございます、
食堂、執務室、主寝室、応接間、他客間が5つです、
その他、武器や食料の保管庫もございます、
家具やインテリアは全て自由にして頂いてかまいません。
もし、家具などお気に召さないようなら、
すぐに職人をお呼びしますので、ご命令下さい」
「ハイ アリガトウゴザイマス」
ははは・・・と乾いた笑いをして、俺の貴族生活は始まった。
取りあえず、離宮を探索していると、侍女が訪問者を告げた。
「リーダー!」
王女の護衛をした時のリーダーが訪ねて来てくれたのだ。
すぐさま、応接間にお通しする。
「このたびはおめでとう」
「はい、ありがとうございます」
「もう、ハルト殿の方が立場は上なのだ、
ステファンと呼んでもらってかまわない」
「そんな事!」
「ははは、まだ貴族である自覚はないようですな、
まあ、仕方はない、すぐに慣れますよ」
そう鷹揚に話かけてくれる。
王宮での他愛のない話など、楽しく話してくれて、
気分をほぐしてくれているのだと感じる、本当にいい人だ。
「何か困った事はないですかな?私にできる事なら、
何でも致します。何と言っても命の恩人なのですから」
「今は特に・・・また困った時はお願いします」
「分かった、何かあったらすぐ連絡してくれ」
そう言って笑顔で去っていった。
後はと、
驚くだろうな~と思いながら、奴隷の2人を呼ぶ。
マチルダなんかは髪を逆立てていた。
「今日からここが俺たちの家だよ
今まで狭い宿泊所暮らしで悪かったね」
「貴族になられたのですね、おめでとうございます」
セフィロスが丁寧に礼を言う。
「セフィロス、聞きたい事や話したい事が沢山あるんだ」
「はい、なんなりと」
「うん」
「マチルダにはちょっと部屋が大人っぽ過ぎるかな?
子供向けに変えてもらおうか」
「奴隷に対してやりすぎです」
相変わらずのセフィロスの苦言に笑顔になる。
マチルダは会えたのが嬉しくてたまらないのか、
俺に抱っこして、尻尾をぶんぶん振っている。
ちなみに一角獣は王宮の厩舎に他の生き物達と一緒に
生活する事になった。
こちらも伸び伸びと生活できる事だろう。
そうだ、と思い当たって使用人を呼ぶ。
「頼みたい事があるのだけどいいかな?」
「はい、何なりと」
「宝物庫を見せてもらえないか頼んで欲しい」
「宝物庫?何か欲しい物でもあるのですか?」
「いや見るだけでいいんだ」
「それは・・・・」
「マチルダ、ああこの獣人の奴隷は、
鑑定の潜在能力がSSなんだ、いろいろいい物を見せて、
能力を伸ばしてやりたい」
「SS・・・」
使用人はかなり驚いているようだった。
その後、マチルダが宝物庫を見る許可が下り、
また文字やマナーの勉強の為、
1日3時間だけ家庭教師がついて勉強する事になった。
王宮としても、鑑定のSSランクを抱えておく事は、
将来的にメリットがあると判断したのだろう。
こうして、安定した王国での生活を手に入れた。




