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いきなりの事にかなり動転したが、

足元が抜けたよな感覚はなくなり、

ふさふさしている物の上に座っている感覚だけがある。


いきなり落ちたので、落下の衝撃に身構えていた自分としては、

ほっとして、ゆっくり目を開ける。


「えっと・・・?」


見渡すと、一面草が生い茂り、少し離れた所に川がある場所にいた。

日本の都会にいたはずなのだが、

オーストラリアの草原にでも来た感じだ。

遠く見ると森に囲まれており、この場所だけが開けている。


しかも、今まで夜だったはずなのに、周りは明るい。


慌てて時計を見ると、時刻は変わっていない。

日付も変わってないのに明るいとはどうゆう事なのだろう?


ここはどこだ?


どうやら座っていたのは、生い茂る草の上で、

木を背もたれにしていたようだ。


立ち上がり木を見ると、あまりにもの大きさに唖然となる、

大の大人が20人ぐらい、幹を腕を伸ばして囲った程の大きさがあり、

神社の御神木で見た、立派だと言われる木より、ずっと大きい。


頭の中に『この~木なんの木 気になる木~』とメロディーが流れる。


「何の木だろう・・・」


木の幹に手を置きながら、思わずつぶやくと、パッとパネルが表示される。

そこには、『世界樹』と表示されていた。


「えっ?」


なんだ?このパネルは?しかも世界樹ってロープレとかに出てくるアレか?

しかも、世界樹って普通後半に出てこないか?


混乱しながら、パネルの文字を読む、

ポーションなどの原料になるようだ。


かなり混乱しながらも、子供の頃からロープレのゲームに

親しんできた事もあり、その記憶を頼りに葉に手を伸ばす。


「一応、採取しておくか」


手に届く範囲で、できるだけ取っておく。


鞄はあるものの、大量の葉を入れるのは気がひける。


「入れ物が欲しいな」


すると、パネルに『アイテムボックスを使いますか?』と表示される。


おおう、アイテムボックス!ますますロープレみたいじゃないか!

迷わず「使う」と言うと、黒い穴のような物が現れる。


全然ボックスって感じじゃないが・・・


ひとまず、その黒い穴に、世界樹の葉を入れてみると、パネルがパッと切り替わり、

”アイテムボックス””世界樹の葉”と表示される。


どうやら、黒い穴は本当にアイテムボックスで、パネルに入っている物が表示されるらしい。


何となくテンションが上がった俺は、手当たり次第、世界樹の葉を取り、

アイテムボックスに入れていった。


しばらく世界樹の葉を取るのに没頭し、ハっと我に返る。


このパネル、ネットの検索機能みたいな物がついているのか?

なら、ここがどこで、どうやって帰るか分かるんじゃないか?


どうやら、このパネルが声に反応する事は、何となく分かっていたので、

(キーボードやマウスはない)パネルに話しかける。


「ここはどこで、どうやって帰るんだ?」


すると、パッとパネルが切り替わる。


『ローデウス大陸、精霊の森』


『帰る エラー』


カエル エラー


それまで、世界樹の葉を取り、少しテンションが上がっていたのが、

一気に目の前が真っ暗になる。


まあ、そうだよな、世界樹があったり、パネルが表示されたり、

地球の日本ではあり得ないもんな。


でもどこか、何となくやらせや夢オチで、

帰れるものだと漠然と思っていた。


その場にへたりこむ。


ははっは・・・


ここは異世界・・・って事なんだよな?


しかも勇者召喚とか、神様の手違いとかじゃなく、

本当に紛れ込んだだけの・・・


そう思うと、一気に力が抜ける。


まあいいや、夢オチに一縷の希望をかけてみよう、

うん、世界樹なんて現実にありえないもんな。


昔から、胸が苦しいぐらい辛い時は、取りあえず寝て過ごした、

ちゃんと寝て、食べれりゃ、人間大抵何とかなる。


苦しい胸を抑え、世界樹の下で眠り始めた。

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