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1-12

「ハルト様はどうされるのですか?」


「ディアール王国に行ってみたいと思っているのですが」


「ディアール王国ですか、それならその馬車に繋がられた、

 一角獣に乗ると2日程で行けると思います」


へえ、馬車に繋がられていた、馬らしき生き物には、

気になっていた、2日で行けるとなるとかなり光が見えてくる。


しかし、そのまま一角獣に乗る素振りも見せず、

困惑した顔をしてると、セスティナが空気を読んだのか声をかけてきた。


「どうされました?」


「い・・いや・・・・・一角獣に乗った事がなくて」


そう言うと、心底驚かれた顔をされた、

ちょっとショックを受ける、

あ、はい、こっちではそんな事もできないの~って感じなのですね。


少し落ち込んでいると、


「よければ、私が一角獣を操り、王国までご案内しましょうか?」


そう言ってくれる。

その提案に、心が躍る、しかし、村に戻りたいのだろうと、躊躇してしまう。


「私、ディアール王国の甘い物食べたい!」


セレナが声を上げる。


これは、ディアール王国に行きやすくなるために、

わざと言ってくれていると気づく。


「本当にいいのですか?」


セスティナに確認すると、笑顔で頷いてくれる。


「今思えば、私も新しい服が欲しかったのです」


セレナの甘い物は本当だが、

セスティナの服は嘘だろう。

営業で鍛えた言葉の裏を読み取るくせを発揮しながら、

どうしようか考える。


そして、2人の顔を見て、

本心から助けてくれようと思っている事が分かり。


「ではお願いします」


地図があるとは言え、方角、目印共に乏しく、不安だった俺は、

ありがたく好意に甘える事にした。


セスティナは聖水の河で水浴びをし、

血だらけの服を着替えた。


その後一角獣に跨り、セスティナの後ろに俺が乗り、

エレナは一匹の一角獣を操る。


旅は快適そのもので、エレナが料理が上手く、

しかも食材になる植物の知識も豊富で、かなり勉強になった。


セスティナも、モンスターを狩ってきてくれて、

久々の肉料理に、かなり満足である。


「エレナ料理上手だね」


「えっへん!私の腕は凄いんだから!」


エレナが自慢げにしていると、セスティナがしゅんとする。


「申し訳ありません、私は料理は全然で・・・」


俺は慌てて言う。


「いや!モンスターを狩ってくれるおかげで、

 久しぶりに肉にありつけたし、

 本当に感謝しているよ!ありがとう」


するとセスティナは。


「さすが精霊王様、寛大なお方だ・・・」


と俺を拝むようにしていた。


料理もモンスターを狩る事もせず、

最初にいた時に収集した食料を提供しているだけの俺に、

そんな目を向けられると、良心が少し傷む。


この世界では、牧畜や放牧はされていないらしく、

(そんな事をしたら、モンスターに狙られる)


モンスターと言っても、単なる有害な生き物ではなく、

肉を食べたり、皮を加工したりと、生活に役立っているようだった。


「ごちそうさま、2人ともありがとう」


そんな快適な冒険をして、ディアール王国に向かった。

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― 新着の感想 ―
チャプター1まで読ませていただきました! 王道を行く転生ものですが、最初の世界樹に飛ばされた時はハルトは死亡したわけではないのですよね…? 果たして、現世へ無事に帰る事が出来るのか、楽しみな展開です…
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