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調合が無事済んだ所で、
セスティナの妹救出作戦に話は移る。
ジェネラルゴブリンは夜でも夜目が効き、弱点にはならないようなので、
すぐに攻撃に移してしまう事にする。
まず、自分達が眠ってしまわないように、”眠り無効の丸薬”を飲む、
その後、セスティナが眠り薬を使う。
ジェネラルゴブリンは5体。
その5体共、今だ結界の外で暴れていたので、
眠らせるのは造作もない事だった。
眠り粉を使うと、バタバタと音を立てて、ジェネラルゴブリンが倒れていく。
その後、セスティナがアイテムボックスから弓を取り出す、
矢がないのでどうするのかなと思うと、風が一本の棒のような形を作っていく。
どうやら、矢は風の魔法らしい。
「あ、ちょっと待って」
眠っているジェネラルゴブリンに止めをさそうとしてるセスティナに、
待ったをかける。
試してみたい事があったんだよな。
一歩下がったセスティナを確認してから、
眠っているジェネラルゴブリンの下に、アイテムボックスを展開する。
そのまま、ジェネラルゴブリンが納められる気配がなかったので、
どうやら葉や、実などは大丈夫でも、
生きている生き物は収納できないのだと検討をつける。
「もういいですよ」
そう言うと、セスティナは一匹ずつ、確実に仕留めていった。
その後、俺が死んだジェネラルゴブリンにアイテムボックスを使うと、
収納できた、死体なら収納できるらしい。
なんともあっさりしたものだ。
「これで妹さんを助けられますね」
ジェネラルゴブリンを収納し終わった後、セスティナに話しかけると、
涙目になっていたので、驚く。
ハンカチ!鞄の中あったよな!!
あわててアイテムボックスから鞄を取り出し、
中身を乱暴にかき分けハンカチを探す。
そっと涙をぬぐいながら。
俺、けっこうキザな事してる?
日本でもこんな事した事ないけど?
と戸惑いながらも、何とかセスティナの気持ちを落ち着かせる。
「もう、駄目だと思っていたのに・・・」
セスティナがここに来た時の状況を思い出し、納得する。
「もう、終わりましたよ、助けに行きましょう」
じーんと、感動した目で見つめられ、
これは素直に受けていいのかなと思いながら、結界を出て、
妹さんの救出に向かう。
妹さんが捕らわれていると思われる馬車はすぐに見つかった、
これも派手派手しい立派な馬車で、しかも3つもある。
一つづつ開けてみると、妹さんの他にも、
精霊や鳥など、いろんな生き物が捕らわれおり、逃がしてあげる。
他にも、文字通りの金銀財宝。
中には、何かのガラクタなのか、価値があるものなのか、
全然判断がつかない物もあるが、
売れば大金持ちになりそうなものが、大半を占めていた。