25 ダンジョン経営
「ポーション3本。毎度あり。」
ここはダンジョン3階層。
オレは無謀ながらもこんな危険な場所で店を開業した。
リスクしかないが、これは人生の賭けである。
元々地上で経営していたものの、ライバル店が多い上に、
価格競争に巻き込まれ、儲けはほぼゼロに等しい状況であった。
そこで意を決してダンジョン内に店を出すことにしたのだが。
大正解であった。
地上の3倍以上の値を付けても飛ぶように売れるのだから。
ダンジョンは死と隣り合わせな場所、冒険者にとっては
3倍の値でも易いと感じてることだろう。
店舗を構えるこの場所も地理的条件がいい。
だって必ず冒険者が通るルートなのだから。
そして店の前にはテーブルをいくつも用意し休憩所にもしてある。
当然、薬だけなく、酒類や食べ物も提供している。
こちらも大正解。
休憩がてら立ち寄ってくれるだけでなく、
冒険者達が居てくれることで魔物が出現しても
倒してくれるメリットもあるのだから。
物資は専属の冒険者に頼んであるが、
あまりにも売れすぎて追いついてない。
今後は転移魔法を使って運ぶとか構想中である。
ゆくゆくは2号店、3号店と広げていきたい。
一般人向けのツアーが出来たら、
おそらく笑いが止まらなくなるであろう。
オレは勝負に賭けかった。大勝利と言えよう。
「店長。ポーションの在庫が切れそうです。」
「ちょうどいい。客がいないうちに
残りのハイポーションと混ぜて5倍に薄めちまえ。」
「大丈夫なんですか?そんなことしちゃって。」
「C級冒険者向けには、ちょっと品質が下がったところで気が付かん。
見ろ、この『毒消し水』だって3倍に薄めてるが
クレームが来てないだろうが。」
♪ドーン
突然、天井が崩れ落ちた。
「うわぁ」
オレはあまりの衝撃に腰を抜かして尻もちをつく。
そしたら真上から人と同じ大きさの毒キノコが落ちてきた。
やばい、触手が当たってる。
全身がしびれてきた。
ラッキー!ちょうど『毒消し水』を持ってる。
店長はそのまま帰らぬ人に。
ーーー 完 ーーー




