2・憩い
「俺、人魚って伝説上の生き物だと思ってた」
目が覚めるような美しい景観に、確かに人魚の姿を認めているというのに。
どういう訳かどこか夢を見ているようなおぼろげな思考で、ただ茫然と率直な意見だけが口をついて出ていた。
決して夢幻ではではないであろう人魚は頬を膨らませて真っ赤になると、面白おかしく水面をたたきながら明るく噴き出して笑い声を上げた。
「あはははは。やぁだ、私、伝説になれるほど長く生きていないわよ?」
軽快に弾む声は湖水上を明るく彩り、昏く沈んでいたエテルヴィヒの心を瞬時に柔らかにさせる。
自然と口元から笑みがこぼれ、少しだけ目を細めて彼女に視線を送った。
眩しくて純真な―――――・・・
そんな言葉が似あう、屈託のない笑顔だった。
「ねぇ、聞いてもいいかな?」
「え、ええ、なぁに?」
「俺、人魚って髪が長いってイメージがあったんだけど」
言い伝えで聞いた話だから現実感などあるはずもないのだろうが。
それでも言い伝えになるぐらいだからやはりどこかに信憑性があってもよさそうなものなのに、自分の言葉を笑い飛ばした目前の人魚のしっとりと濡れそぼった白色の髪は、彼女の細い肩の上で水滴を滴らせるほどの長さしかなかった。
白い肩と肌が惜しげもなく空気にさらされている、それは何とも言い難い贅沢な光景である。
「そうね。だいたいみんなそんな感じよ。でも勝手なイメージづくりはお断り。人魚だって色々いるのよ」
くすくすと滑り落ちる声はどこまでも柔らかく、楽しそうに目を伏せる彼女から飛び出す笑い声は元気に水面を跳ね回る。
豊かに笑う彼女の派手な動きで波打った湖面の揺らぎの中、エテルヴィヒはつられて小さく笑みを漏らしながら、そこに映し出された自身の姿に思わず固唾を飲み込んだ。
体に負った大小いくつかの傷と、浴びた返り血を身にまとったケンタウロスの姿がそこにある。
冷たい現実の唐突な現れ方にエテルヴィヒは笑顔を潜めて眉をしかめた。
「ねぇ、その傷、大丈夫?汚れを水で洗い流した方がいいと思うわ」
小さな変化を見逃さずに告げてきた人魚の言葉に、痛みを覚えたエテルヴィヒは顎を引いてわずかに唇を嚙んだ。
水面に映る自分の姿を疎ましく眺めながら、苦々しく表情を歪めてさらに固唾を飲み込む。けれど、先ほどまで朗らかに笑っていた彼女が心配そうに自分を覗き込んでいるのに気づくと、小さくため息を吐き出してから穏やかに頬を緩めて口を開いた。
「ありがとう。でも君がいるのに綺麗な水を汚すわけにはいかないから。それにケンタウロスは不死だから何もしなくても平気だから」
「あら。私のことを気にしてくれているなら、むしろ綺麗に洗い流した方がいいわ。だって私がいるんだからこここの水は汚れたりしないから」
彼女の言葉にエテルヴィヒははじかれるように顔を上げた。
「え、そうなの?もしかしたら人魚って水質管理でもしているの?」
「は・・・」
「ん?」
「・・・水質管理って・・・」
イヤだと言いながらまた明るく笑いだした彼女につられて優しく口元を緩めると、人魚は優美に泳ぎながら湖岸のエテルヴィヒに近づいた。
「ふふ。ごめんなさいね。本当なら私が陸にあがって水をかけてあげたいところだけど、月夜は水から離れられないの」
「ふーん?人魚って月の下では陸に上がれないものなの?」
自分が投げかけた何でもない質問に人魚は一呼吸あけてそうなのよ、と細く言葉を紡いだ。
その返答までの微妙な間に少しの違和感を覚えながらも、エテルヴィヒが特にそれを言及する気にならなかったのは、それを知ることの意味を見出すことが出来なかったからで、のちにその言葉の意味を知ることになるとはこのとき想像もしていなかった。
ただ、不思議だな・・と、そう思っていた。
夢のように美しい湖水に身を浸す人魚を眺めながら、自身の心が穏やかに晴れ渡って行くのをただ実感していた。
仲間たちとの会話でこんなに柔らかく笑顔を浮かべたことなんかきっとない。
自分はケンタウロスだというのに、いつもどこか違和感だけを強く覚えていた。仲間たちとの会話より、初対面の、それも自分とは明らかに種族も眷属も異なる彼女との会話の方がしっくりくるなんて。
彼女の雰囲気はとても柔らかかった。
例えるなら水のように清らかで、どこか人の心を温良にさせる雰囲気をまとっていた。
穏やかに波打つような声音と、爽やかに耳に届く笑い声が、自然と自分の心を癒してゆく。
そんな安堵できる温和さが彼女にはあった。
岸辺に両腕を預けて、尾を器用に跳ね上げながらバシャバシャと水を弾いて楽しそうに笑う人魚。
幼い頃に聞いた伝説の人魚のイメージとはだいぶかけ離れていたけれど。
無邪気に笑みを漏らす彼女の存在が、自分の腐った心を浮上させているのは紛れもない事実だった。
「いいね、水の中。気持ち良さそうだ・・」
彼女の言葉に甘えて、湖水で腕を洗いながらエテルヴィヒが静かにそうつぶやくと、彼女は爽快に言葉を紡いだ。
「あら。わかる?本当に気持ちいいのよ」
言って人魚は水中で羽ばたくように泳いでみせてからまた水面に顔を出し、岸にいるエテルヴィヒに近寄った。
赤い唇からこぼされる声は柔和な言葉。
髪から流れ落ちる水滴は洗練された宝石のようで
その一つ一つが月光に照らされてきらめくたびに、まるで幻のようだと・・。
触れることすら赦されない。
そんな錯覚を覚えさせる高潔な光景に、エテルヴィヒは再び目を細めた。
「あなたもきっと気持ちがいいのでしょうね?」
「うん?」
「あなたは広い大地を走ることが出来るのでしょう?私は水の中しか知らないから。きっと気持ちがいいのでしょうね?」
緩やかに細められた彼女の瞳と、一つの曇りもないその言葉に自然と心が和んでゆく。
一切の含みを持たない率直な彼女の言葉が、新鮮な刺激となって自分の心を震わせている。
それはもう、感動的なほどに。
「まあね。気持ちいいよ?自分の思いのままに駆け回って風を切る時が何より最高かも」
「そうなの。風かぁ・・・」
もうずいぶん、忘れていたような気がした。
人より早く野山を駆けまわることにどれほどの価値があるのか。
それを疑問に思うことこそあったけれど、幼い頃はただ走り回るのが好きだった。
そんなときも確かにあったのだ。
「あ、そうだ。なんだったらいま君を抱き上げて走ってあげようか?風を感じることは出来るかもしれないよ?」
「・・っ」
自分の言葉に、人魚の瞳が驚きに輝いたのが見えて
月夜は水から離れられないと言った彼女の言葉をすっかり忘れ、エテルヴィヒが彼女の了承を得る前にその細い手首を掴んだ直後だった。
戦場で何度も嗅いだ、高熱で肉が焼ける不快な異臭が鼻をついた。
「・・・痛っ!」
瞬間ゆがんだ表情に驚き、勢いでつかんだその手をすぐ放したけれど、にもかかわらず彼女の白い肌は自分の手形を赤々と残し、見事に焼けただれていた。
つかんだ自分は何ともないのに。
「ご・・ごめん!大丈夫?どうして・・」
「う・・ううん、大丈夫よ。ごめんなさい、ただ驚いて・・・」
額に寄った皺と、細められた瞳の動き。
震える睫毛と引きつった頬。
言葉とは裏腹な彼女の様子に、それが彼女の気遣いであるとすぐに気づく。
なぜこんなことになったのか記憶の糸を辿っても該当するような知識こそなかったものの、けれど一つだけエテルヴィヒの中で思い当たることはあった。
同時に、幼い時分に、聞いた瞬間自身の心に浮かんだ得も言われない嫌悪感をも思い出し、無意識のうちにまた眉をひそめた。
そうだ。その昔こう聞いた。
ケンタウロスは火の眷属。
おそらく人魚は水の眷属。
火は奪うもので、水は育むものだと。
これはこの世に或る理。
どうあがいても覆すことは叶わず、その道理から外れることなどあり得ないものであると。
ケンタウロスは火の眷属ゆえにもともと寒さへの耐性は低い体質であった。
しかしそれとは別の理由で身体を水に浸すことは禁忌とされている。
神の御使いであるケンタウロスは、戦うために心を萎えさせることを由としない一族。
戦闘を何より優先する彼らの本質は奪うものとしての強さを放棄してはならないのだ。
つまり・・・。
「水の眷属の君には、触れることも許されないってこと、か」
自分が彼女に触れたことで負わせてしまった望まぬ傷に視線を投げながら、エテルヴィヒは痛い現実をまざまざと見せつけられた気がしていた。
やるせない疼きが脳裏をよぎり、先ほどまで忘れていた戦場での煩悶を思い出し、口内に湧いた苦みを勢いで飲み込む。
いつもどこかケンタウロスの枠から外れている自分を自覚していたというのに。
こんなことであっさりと、自分はケンタウロスであると突き付けられたことに苦悶が生まれた。
「ごめん・・ね?俺のせいで君にけがを・・」
「ううん、大丈夫よ、本当に。それに、どっちにしろ無理だったの」
「無理?」
「ええ。人魚は陸に上がると体内の水分を失いやすいの。確か、体内の50%の水分を失ったら簡単に死ねるらしいわ。しかも3時間も陸に上がったりしたら間違いなく気絶出来ちゃうって。とはいえ、試したことこそないんだけどね」
「え?え?あれ?」
予想外の彼女の言葉にエテルヴィヒは目を見開いて茫然と言葉を吐き出した。
「人魚って不老不死じゃないの?」
なぜそう思っていたのか、答えは簡単だ。そう教えられたからだ。
学ぶことを好んできたエテルヴィヒにとって、その差異がこの上もなく興味深く自身の心を揺さぶった。
「やぁだ、違うわよ。そういう風に伝わっているのね。不老になることは出来るけど、不死にはなれないわ。・・・あなたは?ケンタウロスはさっき不死だって言っていたけど」
「うん、不死だけど、死なないわけじゃないよ」
「え?でも不死っていうのは死なないって意味じゃない?」
「そう聞こえるよね。でも不死っていうのは・・・」
そうしてエテルヴィヒは自身の事実を語った。
人魚とケンタウロス。
二つの種族の違いを見つけようとでもするように。
不死というのは、不死身とは似て非なるものだ。
例えば、腕が切り落とされれば落ちた腕は死を迎える。
従っていかに頑健に鍛えられたケンタウロスでも、首を切り落とされれば死に至った。
実際、それで息絶えた仲間をエテルヴィヒは何人も見てきていた。神の御使いといえどこの身体には限界があるのだ。
それに、老いによる老衰だってちゃんとある。いつかは息を引き取る日がやってくるのだ。
だが心だけは死することなく永遠に神に仕えたままになるらしい。
そしてそれこそが不死の証なのだという。
しかしエテルヴィヒとしての見解を言うなら、あくまでもケンタウロスは少し頑健な体を持つだけという認識でしかなかった。
ただしケンタウロスでも不老になる方法はあって、それが今のところ一番自分を追い立てている不快な現実であって、頭を痛めることでもあった。
同じように不死身になる方法もあるにはあった。
だがその方法は、エテルヴィヒにとっては何の価値も見出すことが出来ないもので、同時にそれは口に出すのもおぞましく、想像すらためらわれるような、そんな不愉快極まりないものだった。
「そうなのね。知らないことってたくさんあるわね」
感心する人魚に向かってエテルヴィヒは再び目を細めて優しく笑みを浮かべた。
火傷を負った手首を隠しながらそれでも笑顔を絶やさない彼女の気丈さに心が打たれる。
涙すら流さない強さを持ち合わせている子なのだと、この時は単純にそう思っていた。
「ところでもう一つ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「ええ、今度はなにかしら」
「えっと・・・ね。その――――――人魚って、みんなそう?」
岸辺にしゃがみ込み、右手で自身の顎を支えながら、エテルヴィヒは湖水に顔を近づけて意味深な笑みを浮かべ彼女の上半身を凝視した。
透明度の高い湖水は人魚の尾まできちんと見えていて、惜しみなく披露されている美しい二つの胸のふくらみを意識せずにはいられなかった。
これも勝手なイメージではあるが、胸が隠れるような髪の長さが彼女にはない上に、その胸を守るものさえ見当たらなかったがゆえに。
「・・・みんなそう・・・ってなに?」
エテルヴィヒの言葉の意味が解らず、笑うのをやめて彼を見上げた人魚は、しばしの間をおいて自分の顎を人差し指でつついたあと、考え込みながら彼の視線をゆっくりと辿った。
「・・・つまり、何も身に纏わないの?その胸は披露するためのそれだと?」
耳に触れた言葉で理解に及んだ人魚は素早く我に返って叫んだ。
「!?ッッキャーッ!!!やだ、ごめんなさいっ!!」
信じられないほど真っ赤になって即座に腕を十字に組んで、慌てて後ろに向き直った彼女の鋭い動きにエテルヴィヒは思わず吹き出した。
ケンタウロスのように腰から上が人間で、腰から下が馬であっても、人間部分が男か女かで目のやり場に相応の差が出る。
あまりに自然にふるまう彼女の行動に、羞恥の感じ方に違いがあるのかも・・・と思っていたけれど、純情そのものの反応にエテルヴィヒは面白おかしく笑い声をあげた。
「うん、謝らなくてもいいよ?こっちとしては目の保養になってだいぶ幸せだったし」
「もぉっ!うっかりしてただけよ!普段はその・・・薄布を巻いているのだけど、17歳から一年間は纏えない決まりなの」
「決まり?」
「そうよ。人魚の掟」
恥じらいながらも肩越しに振り返った彼女の顔は真っ赤で、その反応の素直さにやはり心が和らぐ。
「ねぇ?えっと、名前、教えてくれる?」
「ミティーリア・・・よ」
「そう。じゃあ、ミティーリア。俺、もう少し君と話がしたいんだけど、こっちを向いてもっと近くに来てもらえないかな?」
「で、もぉぉぉぉ・・・」
「大丈夫。岸辺に両腕を乗せてもたれかかれば胸は見えなく出来るから。・・・ね?」
「・・・・・う・・・ん」
静かにそよぐように水中を移動する彼女を見つめながら、エテルヴィヒは穏やかに時が流れるこの洗練された湖に謝辞を贈りたい気分になった。
人魚は不老不死。
人魚は長髪で美人。
人魚は胸に貝を当てている、とか。
人魚に対しては彼女が言うように勝手なイメージを持っていたけれど。
実際に目の当たりにしたミティーリアと名乗る人魚が言うには
人魚は決して不老不死ではないという。
髪は肩の上で揺れる程度のショートカットで
細くしなやかなその体を、期間限定とはいえ纏うものすら身に着けていない。
その何もかもが不思議で
何もかもが新鮮で。
そして美人ではなくて、とびきり可愛い子だと、心の底からそう思った。
・・・内緒にしなくちゃな。この子のことは・・・。
水の眷属の知己が出来たと知られたら、それこそ大問題に発展しかねないだろう。
なにより、彼女のことをほかの誰にも教えたいとも思わなかった。
「さしずめ、君は水も滴るイイ女ってところだね」
近寄ってきた彼女に賛辞を贈ると、ミティーリアはさらに真っ赤になって水中に隠れ、両手で頬を隠しながらザバンと水面に顔を出した。
そんな仕草でさえ単純にかわいくて
エテルヴィヒは頬を緩ませて笑い声を漏らした。
「何を言うのよ!あなたの方がよっぽど綺麗な顔をしているのに!」
「綺麗って。俺、男だけど?」
「そんなことは分かっているわ。でもあなたに褒められてもなんか複雑なんだもの」
「俺、本心で言っているのに。信じてもらえなくて残念」
そんな掛け合いでさえ楽しくて、顔を見合わせてまた声を上げて笑いあった。
「ねぇ?私、まだあなたの名前を聞いていないのだけど」
岸に両腕を預け、自分を見上げる瞳を見下ろしたエテルヴィヒは、そういえばそうだったかも、と口を開いた。
このとき、何故その名を名乗ったのか瞬時に理解することはできなかったけれど。
振り返って思い出してみれば、きっと育む者としての彼女に、どこか救いを求める気持ちがあったのかもしれない。
「グリュック」
「グリュック?」
「うん。グリュックって呼んで。ケンタウロスとしての名はあるけど、君にはそっちで呼ばれたい」
「ケンタウロスとしての名前って?」
「永遠の使徒」
その名は、永遠に神に仕える命になるように、と祈りが込められた名前だった。
「グリュックっていうのは?」
「‥不死の、魂の名前、らしい」
「らしい・・ってなに?」
「人から教えてもらった名なんだ。だから」
「・・・ふぅん」
そのあとは本当に他愛のない話をした。
ミティーリアが軽やかに口に乗せる水の中の出来事は、やはりどこか絵空事のようで。
けれど彼女の柔らかな笑顔を見れば、自分には見ることすら叶わない夢のような場所なのだろうと、少し羨ましく思った。
徐々に空が白み始め、同時に夜が鳴りを潜め始めた頃。
あっという間に過ぎ去った時間に信じられないと思いながらも、グリュックは明るく笑うミティーリアに別れを告げた。
「名残惜しいけどそろそろ戻るよ、俺」
静かに立ち上がり、自分の心を軽くしてくれたミティーリアに心からのお礼と少しばかりの世話焼きのセリフを贈る。
「じゃあミティーリア、ありがとう。楽しくてつい話しちゃったけど、夜更かしはお肌に悪いから今からでも寝た方がいいよ?」
返事を返す暇もなく、明るく笑いながらあっという間に去って行ったグリュックの背中に向かい、人魚は素っ頓狂に表情を緩めた。
「はあ?そりゃあ寝るけど、っていうか、何言っているのかしら、グリュックったら。人魚はもともと夜行性よ。・・・ねぇ?アクス」
くすくすと泡がはじけるようなミティーリアの笑い声はもう彼の耳には届かない。
彼女の囁き声に応えるように一陣の風が湖面を通り過ぎた。
それは、すっかり心を洗い流したグリュックのそばをも通り抜けて、本当に久しぶりに彼に爽やかな風を感じさせた。
その日――――――
ミティーリアと別れたあと、ずいぶんと遅い時間に落ちた眠りの中でグリュックが見たのは、決して訪れることなどできない桃源郷に似た、とても穏やかで暖かな光に満ちた幸福な夢だった。






