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氷使いの狐巫女さん  作者: 七草 みらい
第1章 幼少期
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4話 魔法を使ってみよう。

 初めて魔力の操作をしようとした日から2週間(この世界では一週間が6日なので12日)が経った。最初は全然動かせなかった魔力は2週間かけてようやくほんの少し動かすことができた。2週間でほんの少しって少なすぎだろと思う人もいるだろう。だから私はそのことを練習してから1週間たったころに聞いてみた。お母さん曰く「魔力が枯渇すると枯渇しないように魔力の最大量を増やそうとする。その結果操ろうとする魔力の量が最初の頃よりも増えているために制御しにくくなっている。」と言われた。


 なら枯渇ぎりぎりで抑えれば魔力を増やさずに制御力を鍛えられるんじゃね?と思ったのだが「あっ、魔力枯渇起こさなかったらお仕置き(訓練)だからね?」と釘を刺されたので思わずコクコクと頷いてしまった。あの時の顔だけは思い出したくない。何しろすっごい笑顔のはずなのに目が笑っていなかったのだ。この時、お母さんを怒らせないようにしようと強く誓ったのである。


 そんなこんなで少し魔力操作にも慣れてきたので今日は初めて魔法を使う日だ。先ほどは少ししか動かせないといったがあくまでもそれは自分の魔力すべての場合であり、自分の魔力の最大を100とすると5程度ならかなり動かせる。具体的にいえば手のひらに持っていけるぐらい。


「さて、今日が初めて魔法を使うわけだけど魔力を絞れば手のひらまで持っていけるのね?」


「うん。ほんとにちょっぴりだけど。」


ちなみに今日のお母さんの服装は、足まで隠すような黒いローブに先のとがったとんがり帽子の魔女っ娘姿だ。相変わらずこの人は服装にこだわるようだ。めちゃくちゃ似合っているけれども。


「おっけーおっけー。それなら大丈夫。まずはね、手のひらにそっと火をともすようなイメージをして手のひらに魔力を集めるとほら」


「うわぁ。」


お母さんの指先にはライター程度の吹けば消えてしまいそうなくらいの小さな灯がともっていた。魔法と呼ぶにはとても地味なものだが初めての魔法に私は興奮していた。


「あれ?」


ここで私は一つ疑問を持った。


「ねえねえ、お母さん。」


「何?」


「もしかして人間と私たちって魔法の使い方が違うの?」


お母さんは人間は魔法について勘違いをしていると言った。そして魔力の制御力の鍛え方も効率が悪いといった。お母さんは私に教えてくれた貴族の子供たちは小さなころから魔法や剣術の勉強をすると。でもおかしい。人間は良くも悪くも平均的な種族で私たち狐人族は魔法に特化した種族。


魔力の練習を始めて2週間とはいえ、先ほどのお母さんが見せてくれた指に火をともす魔法。あれだけでも今の私にはかなり精いっぱいの魔法なのだ。あんな初期も初期のような魔法の発動に私は、苦労しているのに私よりも確実に魔法が下手な貴族の子供たちに魔法など使えるはずもないのだ。


「・・・よくわかったわね。そう人間が使っているのは魔術という物よ。人間は魔力の操作が器用じゃない。だから代わりとなるものを探したのよ。それが魔術。具体的にいえば魔法陣という物があってね。そこに魔法の範囲や属性、発動のカギとなるキーワードを刻み込むの。後はそれを杖とか魔法の発動に使う媒体に登録するのね。それができればキーワードさえ唱えれば勝手に魔法陣が魔力を使用者から吸い取って魔法が発動するってわけ。」


お母さんからは、期待通りの答えが返ってきた。魔術・・・私も習えば今すぐ魔法が使えるのかもしれない。たぶん私の眼の色はもすごくきらきらしているだろう。


「あーでも人間しか使わないのには訳があるのよ。魔法は魔力の操作がしっかりできれば基本的に何でもできるのに対して魔術は登録された魔法しか使えないのよ。そうね火の玉を飛ばす魔法を”ファイアーボール”と登録してたとして魔術しか使えない人間は登録してなければファイアーボールが使えないし、そもそも発動媒体となっているものを持っていなければ魔法が使えないのよ。」


前言撤回。絶対魔術なんか学びません。私は堅実に魔法を学ぶとします。だって登録してないと使えないって不便すぎる。


結局この後は、魔法の発動にはうまくいったものの魔術の不便さと今まで通りの魔力操作の訓練を続けなければいけないことを知り、憂鬱だった。


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