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氷使いの狐巫女さん  作者: 七草 みらい
第1章 幼少期
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3話 魔法のお勉強

ストックなんか作ってないのでこれからは行き当たりばったりになりますが何とかします。

俺じゃなかった()は今日から始まる魔法の授業にそわそわしていた。今日で私は5歳なのだ。私の名前はエルフィーナ。長いのでお母さんからは、エルと呼ばれている。それなら最初からそんな名前にするなと言いたい。


初めて母親が女神さまだと気づいたのが私が3歳の時。当の本人によると3歳の時に今までの記憶が戻るようにしていたらしい。なんでもいきなり記憶のある状態で0歳からやり直しはきついだろう?とのこと。


それに対して「そうなの?」と聞いていると女神さまはわざわざ具体例を挙げてきた。具体的にいえば母乳を飲んだり、おむつを替えてもらったり、歩けないからハイハイしなければならないなどと、うん。女神さまの言う通りでした。決して母乳をのむのが恥ずかしいとかおむつを替えられるのが恥ずかしいとかじゃないんだからね!


でもやっぱり5歳の体というのは不便だ。精神は肉体に引っ張られるとか聞いたことがあるがその通りだった。前世では普通の男の子っぽい暮らしだったのに今ではすっかり普通の女の子の暮らしだ。お風呂も女神さまと一緒に入っている。最初は恥ずかしいなと思ったが今では何とも思わなくなっている。むしろその抜群のスタイルがうらやましく思ってしまっている自分がいる。まぁ、自分も女神さまと同じ髪色と目の色で顔も整っていたので同じぐらいになるはずだ、たぶん。部屋には女神さまがお手製の狐のぬいぐるみが置いてある。しかも手縫いでご丁寧に仕上げられている。最近ではこれを抱き枕にするのが気に入っている。だってかわいいし・・・。


◇◇◇


「じゃあ、今日は約束通り魔法について教えるわね」


女神さまもといお母さんはどこからともなく取り出した黒板に眼鏡をかけて、私に教師面を見せようとしています。しかも黒板も眼鏡もこのためだけに成分とかを調べて作ったそうです。もうあほかと。


「まず、魔法を使う上で最も大事なのはイメージ力と制御力なのよ。」


「うん?」


「具体的にいえば火の魔法だけにしても威力は?範囲は?用途は?消費する魔力の量は?といろんなことを考えないといけないの。それに加えてそれを制御できなければ魔法は発動しない。」


「でも本には魔法は使えば使うほどうまくなる。魔法を極めるには何度も魔法を使うことで練度を高めることだって書いてたよ?」


私の家にはたくさんの本がる。世界中にある本の内容だけをコピーしたものだが私は記憶がよみがえってから日々本を読むことにしていた。当然その中には魔法に関する本もあり、その本には魔法で大事なのは熟練度であると書いてあったのだ。


「あー、それはね。人間の勘違いよ。」


「?」


「その本に書かれている熟練度っていうのは魔力の制御能力のことなのよ。体内にある魔力を感知して、それを動かそうとすれば鍛えられるんだけど、人間はそんなことを知らないから一々魔法を発動して少しずつ相当効率が悪い中鍛えているのよね。」


「そうなんだ。」


「うん。それに加えて制御力が低いから魔力のロスも大きい分威力とかもかなり落ちているのよね。それも大規模な魔法ほど。まあ鍛えたとしてもエルフとか狐人族(私たち)ほど魔法に適正はないから劇的に変わるって程じゃないのよ、たぶん。」


「じゃあ、私はまず魔力の制御の練習からしたらいいの?」


「そう。だからエル、手を出してちょうだい。」


言われた通り私は手を出すと母さんが手を合わせてきた。すると母さんのほうから何かどこか温かいような心地の良いものが流れてきた。


「これが魔力よ。自分の魔力を把握できる?」


私は母さんに向かってコクコクと頷いた。母さんに魔力を流してもらったことで自分の魔力という物が分かった。早速動かそうと思ったがこれがなかなか動かない。四苦八苦する中、やっとの思いでほんの少しだけ動いた。それからしばらく動かそうとするもあまり動かすことができなかった。


「最初は全然動かせるもんじゃないよ。そんな簡単にぽんぽん出来たら人間じゃないわよ。私神だけど。」


母さんのジョーク?についてはスルーすることにして、さっそく再開しようとした。だがその矢先に何だか急速に体から力が抜けてきた。体が重い、今すぐにでも意識を手放したくなるような感じがした。


「母さん、なんだか眠く・・・なって・・きた。」


「ああ、それは魔力が枯渇しちゃったのね。結構、無理してたしね。とりあえず今日はここまでよ。もう休みなさい。」


母さんがしゃべり終わるころにはもうすでに意識は途絶えていた。



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