林鐘5
そんなこんなでやってきた修学旅行。僕は実質初めての東京観こ、コホン、東京での校外学習に心を浮かせていた。
N駅から新幹線に乗って東京に向かった。僕は城二と座った。前には聖仁と龍吾、後ろには菜月と山村智菜が座っていた。僕はただ窓の外の景色を見ながら城二と話をして東京までの時間をつぶした。
やっと東京に着いた。およそ3時間の長旅だった。東京駅はとても広く迷いそうだと思ったぐらいだ。全員が下りて、開けた場所に行き学年主任の添田卓志先生の話を聞いて、クラス分散に移った・・・まぁ、学年全体で国会議事堂に向っただけなんだけどね。
昼頃に僕たちは皇居の近くにあるレストランで昼食をとった。う~ん、なんともびみょ、ウォッホン、美味だった。そこから再びバスに乗り国会議事堂に向かった。
「でけぇな。」「税金どんくらい使われてんだろ」「馬鹿。そんなこと言ってんじゃねぇよ」
バスを降りると色んなささやき声が聞こえてきた。まぁ、そう思うのも無理はなかろう。中はものすごく広く、床もピカピカ、エスカレーターもあってとオプションが大量にあった。
(そりゃそう思うわな)
国会議事堂の見学が始まった。一番の感想は、階段長くね?だった。いや、ね?エスカレーター完備じゃないんだよ?あのエントランスだけだったのかと思ってしまった。みんな足をだるそうにしながら回っていた。仕方ないよね?
なんやかんやあって国会議事堂で記念撮影をした後、各クラスごとでいろんな体験をすることになった。僕たちは、某有名企業センターで、科学技術を体験した後、ブラインドサッカーを体験した。取り敢えず、楽しかったし怖かったし面白かった。パラリンピックに行いてのいい勉強になった。
某有名企業センターに帰ってきて、近くのレストランへと向かった。普通においしい料理を堪能した。それよりも面白かったのは、チョコレートフォンデュだった。他クラスの早田和真と荒岡俊幸と一緒に網代の分のマシュマロをとり、チョコをあり得ないほどつけて渡してやった。網代は心底うれしそうな顔をしていたが、食べ始めてからは苦しそうにしていた。めっちゃ甘ったるいもんな。ほかにもフローズンマンゴーをチョコ漬けにしてみたり(めっちゃうまかった。これはおすすめ)、冷凍メロンをチョコ漬けにしてみたり(正直あんまりメロンが好きじゃなかったからあんまりおいしいとは感じなかった)、色々試しながら食事をしていた。
時の流れは速いもので次の予定がやってきた。東京と言えばのスカイツリー見学だ。僕が楽しみにしていたのはみんなが高いところから景色を見下ろして「こわ~い」って言ってるのを見ることだった。嘘です。普通に夜景を楽しみにしていた。スカイツリーから見下ろすためにエレベーターに乗るのだがそこまでの時間がめちゃめちゃ混んでいた。まず、うちの地元じゃありえない光景だったし、一番近い政令指定都市でもここまではさすがにないだろうというほど混んでいた。近くにいた、トシユキ、良平、菅野風人、阿形麻里、佐久山陽奈と一緒に話していた。ようやく僕たちが乗れる番がやってきた。
エレベーターに乗ってすぐある事件が起きた。通称「堀江事件」だ。副担任の堀江千恵子が、待っていた態度に切れてあの狭い空間で怒鳴ったのだ。担任も圧倒されていて、ていうか若干引いていたような気もする。なんといっていたかは覚えていないが、恐らくみんなこう思っただろう。
(ああ、理不尽( ^ω^)他クラスもいたじゃん。)
若干暗い空気のままスカイツリーを見て回った。その日の夜空のように若干雲がかかった気分だったが、月が出るとスーッと空と同じように心も晴れていった。
ゆっくり見ている時間なんてなく、あわただしく見て回り降りたのだが、時間ギリギリで、お土産を買えなかった子たちも数人いた。
あわただしく終わったスカイツリー見学、予定も大幅に遅れ、ホテルに着いた。ルームメイトは網代、飯高慶、良平、僕、風人、仁の7人だった。
パパっとお風呂を済ませてのんびりとしていると担任がやってきて
「お~い、もうねろよ~」
と声をかけて去っていった。みんな寝ることに、
するわけないんだよなぁ。仁が
「遅くまで起きてようぜ」
って言ってたけど、僕は構わず無視をして寝た。その後のことは知らない。