10-15. 方程式Ⅱ
さて、ここからは方程式の解き方に移るぞ!
Point③
『xは=の左に、数字は=の右に』
方程式の解き方は、足したり引いたり、掛けたり割ったりして最終的に『x = 〇〇』って形にする事だ。この形にする事を『方程式を解く』って言うぞ。
それではまず、方程式を解く上で最も基本かつ重要な方法を、例題と一緒に見ていこう。
(例1) x-4 = 7
これなら、計算なんかしなくてもxには11が入るのくらいは分かるだろう。
だけどここでは、ちゃんと『方程式の解き方』に従ってやって行く。
まず最初の方法は、Point③のタイトル通り、『xは=の左に』『数字は=の右に』だ。
方程式では、=の右と左に『同じ数字を足す・引く』事が出来る。それを使って、例題を少しイジってみよう。
x -4 +4 = 7+4
今何をしたかと言うと、『xは左』『数字は右』にするため、『左にあった-4』を打ち消そうとしたのだ。
-4は、+4を足せば0にする事が出来る。
なので、そうするために方程式の左右にそれぞれ+4を足した。
じゃあ、計算を進めて行こう。
x -4 +4 = 7+4
x = 7+4
x = 11
こうやって計算を進めていき、『x = ○○』の形になったらクリアだ。
方程式を解き終わった、って事になる。
それでは、今の計算の流れを纏めて見ていこう。
① x-4 = 7
② x -4 +4 = 7+4
③ x = 7+4
④ x = 11
こんな感じだ。
②で左右に+4して、③で左の計算。④で右も計算して、方程式を解き終わった。
ところで、②の『左右に+4する』っていう式だけど、要らないんじゃないのって思った人はいないだろうか。
『-4+4』って、結局0じゃんか。わざわざ書く必要なくない?
ってことで、②の式を飛ばした計算の流れがコレだ。
① x-4 = 7
③ x = 7+4
④ x = 11
こうやって見ると、『4』が左から右にワープしたみたいに見えるよね。
左にあった『-4』は、プラスマイナスを逆転させた『+4』になって右に移ることが出来る。
こんな感じで、方程式では『数のプラスマイナスを入れ替えて=の反対側に移動させることが出来る』のだ。
この方法を『移項』という。
方程式を解く上で絶対に必要なモノだ。覚えておこう。
Point④
『掛け算・割り算での係数外し』
さて、前のポイントでは『移項』についてやった。
という事で次のポイントだ。
では、この例題を解いてみよう。
(例2)x+5 = 17-2x
この例題は、まず『移項』で『-2x』、『+5』のプラスマイナスを入替えて移動だ。
では、『移項』して計算を進めていく過程を見ていこう。
x+5 = 17-2x
x+2x = 17-5
3x = 12
ココまで来たが、まだ『x = ○○』の形じゃない。左の『3』が邪魔だ。
では、この先どうやって計算を進めれば良いか。
答えは、=の左右を3で割っちゃえば良いのだ。
方程式では、足し引きの時と同じく、=の右と左を『同じ数字で掛ける・割る』事も出来る。
これを使えば、次のように方程式を解き進めることが出来る。
3x = 12
x = 4
邪魔だった『3』も取り除けて、『x = ○○』の形にすることが出来た。
これで方程式を解き終わったって事になるぞ。
それでは、この例題の計算の流れを纏めて見ていこう。
x+5 = 17-2x
x+2x = 17-5
3x = 12
x = 4
この例題ではxが左右にそれぞれ有るが、まずは『移項』でxを左に、数字を右に移す。
で、xはx同士で計算だ、数字は数字同士で計算。
最後にxに掛かっている数字で左右を割ればオッケーだ。
では、Point③、Point④を使ってもう一問方程式を解いてみよう。
(例3)3x-10 = 18-x
それでは答えだ。
〈答〉 3x-10 = 18-x
3x+x = 18+10
4x = 28
x = 7
こんな感じだ。
どうだったかな?
Point⑤
『分数・()を含む方程式の解き方』
最後に、方程式の中に分数や()を持つときの解き方だ。
次の例題を使って、その場合の解き方を見てみよう。
(例4)3(x-4) = x+6
さて、まずは方程式を解く大前提、『xを左に』『数字を右に』をやろう。
って思ったんだが、()の中にはxと数字が居る。これじゃ左右に分けられないな。
って事で、『()を外す』という方法についてだ。
数字が掛かっている()は、中身のそれぞれに掛かっている数字を掛ければオッケーだ。
例えば『3(a+b)』という場合なら、『3a+3b』。
『4(x+5)』なら、『4x+20』といった感じで()を消すことが出来る。
この『()外し』を使えば、例題は次のような感じで計算を進めることが出来るぞ。
それじゃあ、方程式を解き終えるまで一気に見ていこう。
① 3(x-4) = x+6
② 3x-12 = x+6
③ 3x-x = 6+12
④ 2x = 18
⑤ x = 9
②で『()外し』、③で『移項』、④で計算を進め、⑤でxに掛かる『2』を消して方程式を解き終わった。
()のある方程式の解き方はこんな感じだな。
それじゃあ、続いて『分数がある場合の方程式』の解き方。
例えば次のような問題。
(例5)
x-4
――― = x+6
3
こういう時は、『分数を消す』事が先決。
左右に『分母』の数字を掛けて分数を無くすのだ。そうすれば、今まで解いていた問題と同じになるよ。
この問題では、分母に『3』があるので左右を3倍すればオッケーだ。
それじゃあ、解き方を見ていこう。
① (x-4)/3 = x+6
② x-4 = 3x+18
③ x-3x = 18+4
④ -2x = 22
⑤ x = -11
②で左右を3倍。これによって左側は分数が無くなり、右側はそれぞれ3倍になった。後は『移項』をして計算を進め、『xの係数外し』で方程式を解くだけだ。
さて、以上で方程式を解く上での『基本中の基本』はお終いだ。
コレを押さえておけば、簡単な方程式なら解くことが出来る。と同時に、これから先に覚えていく『ハイレベルな方程式』の解き方には必須だ。確実に覚えておこう。
よし、説明のページは終わりだ。
ページを捲ると、次の見開きにはコラムと練習問題が載っている。
それじゃあコラムを読んで、方程式の練習問題に行こう。
Column
『高次方程式、多元方程式』
Point①にあったけど、『方程式』を名乗る条件は『等式である事』『未知数を1つ以上含むこと』だ。
逆に、この2条件さえ満たしていれば方程式と呼ぶことが出来る。
それなら、こういうモノも『方程式』って呼んでいいのだろうか?
(例6)x+2 = y-3
(例7)x²+4 = 13
(例8)xy-9 = 7
(例9)x³ = -8
実はこの3題とも、『方程式』だ。
だけど、方程式の中でもちょっと種類が異なる。
x+2 = y-3
これは『二元一次方程式』。
x²+4 = 13
これは『二次方程式』。『一元』の時は省略している。
xy-9 = 7
これは『二元二次方程式』。
x³ = -8
これは『三次方程式』。
ちなみに、この単元で扱っていた方程式は全て『一次方程式』だ。
正式にはそんな呼び方がついているけど、どれも『方程式』の一員である事には変わらないぞ。
『元』とは『未知数の種類の数』、『次』とは『未知数同士での掛け算の数』だ。方程式の未知数を見ることで『何元であるか』『何次であるか』が分かる。
ちなみに『何元』っていう情報は、中学で学ぶ『連立方程式』の単元で使うぞ。
『a元b次方程式』なら、a本の方程式が有れば連立して解を求められる。解の個数は最小1個、最大(ab)個となる。
でもまぁ、最初のうちは単純な『一次方程式』の解き方を完璧にすればオッケーだ。
まずは5つのポイントをしっかり固めておこう!
ってな感じで、『方程式』の説明は以上だ。
……なんだか、難し過ぎて分ったのか分らないのかすら良く分からないんだけど、とりあえず『x = ○○』の形にすれば良いって事だけは分かった。
とりあえず、それを目指して解けば良いんだな。
それでは、お待ちかねの練習問題だ!




