7-32. 比例Ⅰ
仕様上、見にくくなっている箇所があるかとは思いますが、ご容赦下さい。
「おっ、シン君。あれは階段では無いか?」
「あぁ、そうですね! 皆さん、有りました! 下り階段です!」
マッピング師の2人が階段を見つけたようだな。
「やったな、シン! マモル!」
「おう、ダンさん! これで5層目だな!」
「ヤッター! ゴールまでもう少しだー!」
「そうだね、コースちゃん!」
「フゥ、これで4層目ともおさらばね!」
「ハァ……こんな所にゴールがあったなんてぇ……」
「どうして俺らはココを見つけられなかったんスかね?」
「まあ、流石ボクたちのクラス委員って感じだね」
「本当だよな飼塚。やっぱり勇太は凄えよ!」
「…………」
皆の緊張が解け、思い思いにメンバー同士がお喋り。
探索中は皆緊張しており、あまり喋ることは無かった。その分、余計に気が緩んでいるんだろう。
階段が徐々に近づくにつれて、可合の作った光の球がその存在を照らし出す。
そして、僕達13人のグループは階段に到着した。
「「「「ヤッター!」」」」
「「「「よっしゃー!」」」」
階段を頂上から下を覗き込む者、ハイタッチしてお互いに喜ぶ者、溜まった疲労で通路脇に座り込む者。
緊張の糸は完全にブチ切られてしまった。
そういえば、4層目は割と簡単に攻略できたな。
『ループがあるかもしれない』って心構えさえ出来ていれば、そう難しいものでは無いモンだ。
意外とすぐに探索が終わっちゃったな、って感じがしなくもないよ。
……と言いつつ、僕も割と疲れたな。
どうせなら、今日もここで探索終了で良いんじゃない?
「フゥ……神谷、今何時?」
「応、少し待ってくれ…………現在、5時だな」
「オッケー、ありがとう」
朝8時から途中休憩1時間を入れて夕方5時か。
【加法術Ⅲ】と【減法術Ⅰ】を使って計算すれば……8時間だな。
夕方5時なら、この後もう2、3時間探索できるけど。
……んー、けどやっぱ疲れたな。
ただ歩いてるだけとはいえ、やっぱり体力を使うもんだ。
それに昨日までの疲れも溜まっているし。
早めに休んでも罰は当たらないよね。
「じゃあ皆、今日はここで終わりにしようか。5層目の探索は明日からで」
「「「はい!」」」
「「おう!」」
「はーい!」
「了解!」
「応!」
「お疲れっシタ!」
「……」
ってな訳で、今日の探索はここでお終い。
各々が寝袋を広げ、テントを張る。
男子は皆武装したままだが、魔術師の女子はローブから部屋着に着替える人も居る。
で、輪になって夕食を食べ、談笑タイムだ。
この時間で気を休められるんだよね。
人数も増えたから話す内容も増えるし、皆も楽しそうだ。
で、夜9時くらいになったらローテーションの確認だ。
今までの8人組の時は1人1時間で回してたけど、13人なので1人40分ローテになった。
……自分の持ち時間を覚えるのが面倒になったけど、その分寝る時間が増えた。良かった良かった。
まぁ、そんな感じで皆寝る準備が完了。
ローテーションの順番決めジャンケンの結果、今晩は運良く先頭バッターだ。
僕が言うのもなんだが、13人ジャンケンで良く勝ち残れたな。
「じゃあ数原くん、よろしくね」
「先生、おやすみなさい」
「数原君、頼んだよ」
「おぅ、分かった。盾本も40分後にな」
「ああ」
僕の次の見張り番は盾本だ。
コイツは一度寝ると再スタートに時間が掛かるので、熟睡する前に仕事をやらせるという寸法だ。
「そんじゃ、皆おやすみ」
「「「「「おやすみー」」」」」
さて、1人になった。
その辺に散らばったテントや寝袋から寝息が聞こえてくる。
今日は僕が最初の見張り番になったので、まだ眠くはない。
普段だと熟睡中のところを起こされて交代しなきゃいけないから、眠くて仕方ないんだよな。
という事で、暇だ。
見張り番が40分間に短くなったとはいえ、暇だ。
そんな時は……
コレだ!
[これ一冊で算数から高校数学まで分かる本]
僕の愛読書と化しつつある『参考書』だ。
今日も勉強、やりますか。
机がわりのリュックと盾本の魔力ランプをセッティング。
紙とペン、参考書を置いて準備オッケー。
前回やったのは『図形』だったな。
そうそう、【合同Ⅰ】の『分身』はあとMP上限を6上げれば使えるようになる。
早く使いたいな。
って事で、その次の項目は『比例』だな。
小学校算数の範囲ももうそろそろ終わりか。
さて、頑張りますか!
●比例
比例とは、『ある2つの数値において、片方がある数だけ増減すると他方もそれに伴って決まった数だけ増減する』という関係の事である。
まぁ、『そう難しい事言うなよ』って感じだよね。
という事でコレを分かりやすく説明しよう。
例えば、スーパーで『1個100円のチョコ』があります。
コレを1個買えば、その金額は勿論100円だ。
コレを2個買えば、その合計金額は200円。
コレを3個買えば、合計金額は300円。
4なら400円。
7なら700円。
10なら1000円。
0個買う時、つまり買わない時は0円だ。
ここまで来れば分かってもらえるだろう。
個数が1、2、3となれば合計金額は100、200、300と変わるのだ。
ここで個数を△、合計金額を○だとすると、次のような式が書けるよね。
○=100×△
こんな時、『個数』と『合計金額』のペアには『比例』という称号が与えられるのだ!
ちなみに、『比例』という称号は次の条件をクリアした『数のペア』だけが授かる事が出来る。
・2つの数△、○が次のような式で表せる時。
○=△×★
(★はゼロ以外なら何でもオッケー)
つまり、さっきの『1個100円のチョコ』では、★=100とすれば上の『条件の式』に当てはまるよね。
そういう感じだ。
では、他の『比例の関係』にあるペアの例を挙げてみよう。
以下の例はどれも『○=△×★』が成り立っている。
・1個75円のラムネを買う時、
『合計金額』が『個数』に比例。
・1本129円のお茶を買う時、
『合計金額』が『本数』に比例。
・自転車が置いてある時、
『タイヤの個数』が『台数』に比例。
・『三』という漢字を沢山書く時、
『横棒の数』が『三の文字数』に比例。
・商品に『半額シール』を貼る時、
『新しい値段』が『元の値段』に比例。
・ゲームで『1回につき-5点』の反則を犯した時、
『合計減点』が『反則回数』に比例。
こんな感じで、『比例の関係』ってのは意外と日常に存在するモンだ。
最後に、比例の関係をグラフに表してみよう。
ためしに、最初の『1個100円のチョコ』での個数と金額の関係をグラフにしてみる。
金額
[円]┃ │ │ │
┃ │ │ │
400┠──┼──┼──┼─
┃ │ │ │
┃ │ │ │/
300┠──┼──┼──●─
┃ │ │ /│
┃ │ │/ │
200┠──┼──●──┼─
┃ │ /│ │
┃ │/ │ │
100┠──●──┼──┼─
┃ /│ │ │
┃/ │ │ │
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0 1 2 3
個数[個]
……僕の手書きのグラフだからちょっと汚くて見にくいが、こんな感じで斜めの直線になる。
この直線が『1個100円』という関係を表しているのだ。
『1個買うと』『100円増える』という関係を、グラフでは『左に1増えると』『上に100増える』という直線の傾きで表している。
で、直線の途中にある●は『1個で100円』『3個で300円』という具体的な個数と金額のペアを表している。
●から真下に下がった所にある『個数』と、同じ●から左に向かった所にある『金額』が比例のペアなのだ。
参考書の説明はこんなモンかな。
さて、早く練習問題を解こうか!
実はさっきからまた『例の感覚』が手に来てるんだよね!
練習問題をやりたくて堪らなかったぞ!




