第陸話 ただ優しい日々
「なぁ煌希、帰りにマック寄って帰ろうぜ。ナゲット半額クーポン使い切りたいし」
放課後の教室で透夜が気の抜けた欠伸をしながら声をかけてきた。自分の用事までは、まだ時間があるので問題は無いだろう。
「別にいいよ」
そう短く答えると、後ろからちょうど学級日誌を書き終えた椿姫が興味深そうな顔で会話に混ざってきた。
「なになに?これから二人でどっか行くの?」
その問いに透夜が先ほど僕にしたのと同じ説明を椿姫にもする。
「いや、今大量に余ってるナゲットのクーポンを使い切ろうと思ってマックに行くんだけど椿姫も来る?」
「透夜が僕たちの分もおごってくれるって」
「おい待てよ煌希!誰もおごるなんて言ってないだろ」
僕の軽口に透夜は異議を唱えるが椿姫はかなり乗り気になったようで
「透夜君のおごりだったらぜひ付いて行くよ!」
と素敵な笑顔を浮かべるのであった。
さすがの透夜もこの笑顔には敵わないようで、何かを諦めたように溜息をつき自棄になったのか、「何でも好きなもん買ってやるから好きなだけ頼みやがれ!」と叫ぶのであった。
「本当に!?じゃあ、ダブルチーズバーガーと、リンゴパイと、イチゴシェイクと後は・・・」
その気になった椿姫の購入商品メニューが増加していくことに同情しつつ、僕も便乗することにする。
「じゃあ僕はてりやきバーガーと三角チョコパイとポテトでいいよ」
「何でおまえの分まで買わなきゃいけないんだよ!」
「差別はやめてよ。椿姫と一緒に僕も養ってくれよ」
「そうだよ。煌希君が可哀想だよ!あと私も三角チョコパイ食べたい」
「一番可哀想なのは俺だろ!」
そんな他愛のない会話をしながら僕たちは教室を出た。
しかしこの時の僕らは、ある重大な見落としがあることに気が付かなかった。
そう、僕も椿姫もナゲットを頼みそうにないという事に・・
学校帰りに友達とマッ◯に寄る。憧れますね~
僕は直行直帰を大事にしてるんで、そんなイベント起こったことがないです。(別に友達がいないわけではありせん)
もしも飲食店に入るとしても一人でコ◯ダに行くぐらいです。
ちなみにマ◯クは値段的に好きですが、執筆したり勉強したりするのは圧倒的にロッテ◯アです。