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黄色い兎


山の湖に前線基地がある、確かあの兎さん…


確か清蘭さんだったかなに教えて貰った話だった。


私はその山の湖に移動することにしたわけだけど…


冷静に考えて、結構大変というかしんどいというか…


一応、前線基地だし…と言うか、基地って言うくらいだから敵も沢山。


 


「やぁ、お待ちしていましたよ」


「あ、こんにちは」


「あ、こんにちは…って! 普通に流そうとしないで!


 何で私を無視して何処かに行こうと!」


「あ、いえ、山の湖に行こうとしてて、あ、すみません」


「……な、なんで山の湖に?」


「えっと、そこに兎さん達の秘密基地があるって聞きまして」


「あ、そこならここですよー」


「へー、ここで…え!?」


「そ、そんなに驚くところかな」


 


…こ、ここが前線基地? いやでも…そんな。


 


「いや、だって…何もありませんし、妖精機械もありませんし!


 基地ですよね? ここ、基地ですよね? 普通もっと警備が!」


「いやぁ、清蘭から聞いた話だと、他の玉兎が居たら危ないかなって」


 


ど、どんな話を…


 


「まぁ、私からして見ても、他の玉兎達にはあまり居て欲しくないしね」


「何でですか?」


「邪魔になるから」


 


…実力に自信があるんだろうか、この人は。


でも、見た目からはあまり強そうには思えない。


清蘭さんや鈴仙さんと同じで赤い眼と長いウサ耳が見える。。


髪は金髪のボブカットで、ウサ耳の上から茶色いハンチング帽を被っている。


垂れ耳可愛い…もふもふしたい…あ、いや、それどころじゃ無かった。


服は橘色のシャツと、黄色と白の縞模様のカボチャパンツ。


何だか可愛い、私も履いてみたいな、動きやすそうだし


それにしてもシャツの丈が短いなぁ、おへそ見えてるよ、冬は寒そうだけど。


夏場とかなら丁度良いかも知れない。


靴は履いてない、兎さんは靴を履かないのかな?


でも、鈴仙さんは靴を履いてたような。


 


「…それにしても、空を飛んでるのに胡座って意味あるんですか?」


「え!? そこツッコんじゃう? いや、楽だしさ、MGMG」


「私、今まで空を飛んだこと無かったので、そう言うのあまり分からないんですけど


 …でも! 女の子が胡座なんてはしたないですよ!?


 お母さんに怒られますよ!? あと、いきなり団子を出して食べないでくださいよ」


「な、なんで私が怒られてるんだろう、ど、何処か抜けてるねあなた。MGMG


 普通、目の前に敵の大将がいるのにそんな事を言う? MG」


「…大将なんですか? と言うか! 敵を目の前にして団子を食べる人が言えることです?」


「そりゃそうだよ、他の玉兎を移動させることが出来る地位があるなんてMG


 ここの指揮官以外にあり得ないでしょ? MGMGま、私は情報管理してるけど、MG


 一応、指揮官も任せられてるからね、MGMG


後、動かしたのは上からの指示って場合もあるかもだけどMG


 上は好戦的、MGそんな状況で周りの玉兎を撤退させるMGMGなんて事はあり得ないでしょ?」


「…指揮官が自分から動くって…は、馬鹿だね


 と言うか、団子食うの止めろ、食うぞ?」


「あ、あれ? 雰囲気が変った? 食うって団子を?」


「え? あ、お団子くれるんですか?」


「え? まぁ良いけど」


 


…何だか最近、不意に意識が飛ぶようなことが多くなってる気がする…


最初は…そうだ、妖夢さんに斬られたときから…どうしてだろう。


まぁいいや、お団子食べよう…あ、苺の団子だ、美味しいかも。


もしかして、清蘭さんの杵に付いてたのこれかも知れない。


そんな匂いだったかも。


 


「…まぁ、いいや、そっちがそんなに私にどうこう文句を言うなら


 こっちも軽く文句を言わせて貰うけど…この暑い時期にマフラーってどうよ」


「このマフラーは大事なマフラーですし…後、暑くも無いんですよ


 強いて言えば…温かい、程度でしょうか」


「この暑い中で温かいって、変ったことを言うなぁ」


「それは自分でも思いますよ」


「…まぁしかし、清蘭から聞いてたほどに好戦的でも無いし凶暴でも無い。


 むしろ温厚で何処か抜けてる…清蘭が嘘を吐く奴じゃ無いと言う事も考えに入れて


 清蘭の性格、そしてあなたと清蘭があった状況を考えてみると


 まぁ、大体答えが出てくるかな…あなたは戦いの時は凶暴って事だね。


 好戦的では無いから、こっちから攻撃を仕掛けない限り攻撃をしてこない」


「はい、その通りです、私も出来れば戦いたくはありませんから


 …駄目なのを承知の上で言います、月に行く方法を教えてください」


「…目的地は月か、まー、大体予想はしてたし、嫌な予感はしてたんだ。


 あの都は妙だってね、地上の面子が動くほどだしよっぽどかな。


 いやいや、早計かもね、地上の面子が下手な行動をしている月を止める為に


 動いているという可能性も捨てがたい…だけど、それなら多数で行動する筈。


 ……逆に単身で行動する意味も分からないけどね」


 


確かに月の問題としか言われてなかったけど…


 


「…ま、私としてはね、あなたを月に送るのはやぶさかでは無いんだ」


「じゃあ!」


「でも、私は地上に降り立ったイーグルラヴィの指揮官だ」


「鷹兎ってすごいですね」


「止めて! 直訳しないで! 全く、イーグルラヴィで良いじゃん。


 格好いいし、そっちの方が格好いいし…まぁ、それは良いけど。


 とりあえずだ、私は指揮官だ、指揮官である私が


 何もせず地上の妖怪を月へ送ったとなれば部下達にも示しが付かない」


 


そう言うと、彼女はポケットからいくつかの団子を取り出した。


 


「…また食べるんです?」


「そう言うスタイルでね、今度は本気さ、ふざけてるわけじゃ無い」


「……そうですか」


「あぁ、ま、ここまで言えば私が何を言いたいのかはすぐに分かるだろうが


 あえて言わせて貰うよ、ここを通りたければ私を倒すことだね」


「…分かりました」


 


やっぱりこうなる事は避けられなかったか…なら、やるしかない。


 


「…私の名前は鈴瑚、橘色のイーグルラヴィだ。


 イーグルラヴィ最後の砦としてあなたをここで止めて見せる!」


「…私の名前はフィルです、悪魔のペット。


 行かせて貰いますよ、その先に!」


「そのノリ! 大好きだよ!」


 


鈴瑚さんが串に刺さった団子を笑いながら1つ食べた。


それと同時に鈴瑚さんの周囲に弾幕が展開する。


 


「さぁ、始めようか! 同じ奴隷ペット同士、最高のゲームを!


 一回のミスでも許されない、月の流儀ルナティックに度肝を抜くが良い!」

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