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竹林の蓬莱人

永遠亭でしばらくの間待機した後。


私達は次のボールを探しに行くことにした。


願いが叶うというのが仮に嘘だったとしても、集めてみるのも良いかも知れない。


その最終判断を下したのはレミリアお嬢様だった。


私達は永琳さん達から他のボールの情報を教えて貰った。


 


「この迷いの竹林の何処かにいる人が持ってるらしいですけど」


「正直、この場所で探すのは難しいでしょうね」


「探すの面倒くさいよ-、まとめて吹っ飛ばせば」


「それはちょっと困るから止めて欲しいな」


 


私達の前に姿を現した女の人。


銀髪のロングヘアーで瞳は真っ赤だった。


髪には白地に赤の入った大きなリボンが一つと、毛先に小さなリボンを複数つけている、何だか可愛い。


上は白のカッターシャツで、下は赤いもんぺ見たいなズボンをサスペンダーで吊っていた。


その各所には護符が貼られている、あのお札には何の意味があるんだろう。


 


「まぁ、あの姫が言うって事はあんたの事だってのは分かってたけどね」


「やぁ、いつぞやの吸血鬼さん、今回はあのメイドさんは居ないんだね。


 その代わり、見たことの無い奴を2人連れてくるとはね。


 片っ方は格好からしてあんたの妹だろうけど。


 もう片っ方は何だ? ペットか何かか?」


「ご名答、こっちはペットよ」


「自分で言っておいて何だけど、人型の子をペット呼ばわりって相当だな」


 


何だか凄く普通の事を言ってる気がするけど。


今まであまりそう言うことを言われなかった気がする。


もしかしてこの人、凄くまともな人なんじゃ?


 


「そこのあんたも良いのか? ペット呼ばわりなんてされて」


「え、えっと、その…ご恩を返すためですし、何と呼ばれようとも」


「鶴の恩返しならぬ、狼の恩返しって感じかい?


 もしかして、罠に掛かってるところを救われたか?


 それなら、元は本物の狼だったのかい? ここの兎共みたく


 人間変化の術をマスターした獣って感じかな?」


「あ、いえ、私は最初からこの姿です、私は半獣です」


「半獣ねぇ、結構貴重なケースだと思うな。


 幻想郷でもあまり居ないよ」


 


そう言えば、何度か言われてた気がするけど、やっぱり珍しいのかも知れない。


 


「まぁ、その話は良いわ、今回ここに来たのは別に肝試しじゃ無いわよ」


「それ位分かってるよ、で、何の用だ? 私を探してた様だが」


「えぇ、単刀直入に言わせて貰うわ、石をよこしなさい」


「石? あぁ、この気味の悪い石か、こんなの集めてどうするんだ?」


「7つ集めると願いが叶うらしいんです、あ、私は一応石を4つ持ってますよ


 私としては、この気持ちの悪い石を捨てたいんですけど


 お嬢様の命令で負けたらお仕置きを貰っちゃうんですよね」


「こりゃまた大変だね」


「そこでお願いなんですけど…その石、私に譲ってくれませんか?」


「そんなに欲しけりゃ奪ってみな!」


「何で皆さん、こんなに好戦的なんでしょうか…」


「私としても退屈してたからな、こんな騒ぎ乗らない手は無いだろ?」


「長く生きすぎると、私達って退屈が1番の苦行だからね。


 こう言う騒動で位、派手に動きたい物なのよ」


「はぁ…」


「さて、戦うのは誰だ? 3対1は少し嫌だぞ?


 不老不死でも痛い物は痛いんだからな」


「安心しなさい、戦うのはこの子だけよ。


 あぁ、そうだフィル、一応自己紹介をした方が良いと思うわよ?」


「あ、はい、えっと、私の名前はフィルと言います。


 下の名前は思い出せません。今は紅魔館でペットをしてます」


「自分で言うのか、じゃあ私も自己紹介をしておこうか。


 私の名前は藤原妹紅、不老不死の蓬莱人だ」


「不老不死…それはさっき話してたから分かりますけど」


「フィル、あいつの肝を食えば不老不死になれるわよ?


 食いしん坊なんだし食べちゃっても良いんじゃ無いの?」


「い、いえ、さ、流石に…」


「不老不死なんぞにはならない方が良いよ」


「それは分かってます…ろくな記憶がありませんし」


 


本を読んでも良い事を書いてる物は無かったしなぁ。


 


「しかしな、吸血鬼、この子1人って良いのか?」


「あなたもフィルの実力が無いと思ってるたちかしら?


 まぁ、見た目にはあまり迫力も無いし、強くも無さそうだけどね。


 でも、フィルが持っている石は4つ。


 その全てがフィルが自力で集めた石よ」


「…なる程な、あんたらが3人がかりで奪ったのかと思ってたが。


 そうか、その子1人で…ふーん、人は見かけによらないとは言うけど。


 まさにその通りだな…いや、妖怪か?」


「半分は人間なんで人であってると思います」


「そうか、なら人は見かけによらないって事だな。


 それで? やるのか?」


「はい、お嬢様の命令ですし、戦わせていただきます!」


「因みにフィルは空を飛べないからよろしくね」


「そ、空を飛べないのに石を4つも集めたのか。


 ますます油断ならないな」


 


妹紅さんもさっき空から飛んで来たし。


幻想郷だと空を飛べるのは普通なのかもなぁ。


だったら、私も空を飛べるように頑張った方が良いのかも知れない。


でもなぁ、空を飛ぶってどうすれば出来るんだろう…よく分からない。


 


「でも、その分この環境だとかなりあなたには不利になると思うけどね。


 周りには沢山の竹、フィルは空を飛べないけど


 身体能力は幻想郷でもトップクラスだからね」


「そうか、それは油断しないようにしないとな。


 それじゃあ、始めるか」


 


ま、負けないように頑張ろう!


お嬢様に怒られるのは嫌だし…でもなぁ。


元々この石をどうすれば捨てられるかを探す為に紅魔館から出て来たのに。


何でドンドン増えて行ってるんだろう…うぅ、何か集める度に


いやーな雰囲気も増していくし…うぅ、でも負けられないしなぁ。


後でお嬢様にこの事を伝えた方が良いかも知れない。


だけど、今は戦わないと。

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