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家族の食事

ふぅ、何とか全員で協力して沢山のお料理が出来た。


料理はあまり肉がないみたいだった。


さとりさんが動物が大好きだから、あまりお肉は食べないらしい。


料理の内容はまずはオムライスだった。


お肉は入っておらず、野菜が多めに入っている。


まぁ、私はお肉が大好きだけど、基本的には何でも食べるから問題は無い。


お空さんはかなり卵料理が好きみたいで、とても嬉しそうだった。


 


「上手く出来たわね」


「はい!」


「それにしても、こいし、料理出来たのね」


「料理は得意だよ! お姉ちゃんと料理を作りたくて練習したんだ」


「ふふ、嬉しいわ」


 


姉妹かぁ、何だか羨ましい気がする…私も妹とかお姉ちゃんとか欲しいなぁ。


…もしかしたら、いたのかもしれないけど、記憶の無い私には


姉妹や兄弟がいたかなんて分からないんだよなぁ。


 


「それじゃあ、食べましょうか」


「はい!」


 


私達はダイニングテーブルに料理を運び、全員でご飯を食べる準備をした。


 


「さて、それじゃあ、食事をしましょうか」


「はい!」


「あ! 私、フィルの隣!」


「じゃあ、あたいも!」


「え?」


「あらあら、随分とフィルさんに懐いちゃって」


「あはは! かなり懐かれてるね!」


 


何だか嬉しいなぁ、なんでこんなに仲良くしてくれているのか分からないけど。


でも、仲良くしてくれて嬉しいのはとても嬉しい。


 


「それじゃあ、いただきます」


「いただきます!」


 


私達は挨拶をして、一緒に料理を食べ始めた。


オムライスを食べると、マイルドな甘さが口の中に広がる。


 


「美味しい!」


「本当ですね! 優しい甘さです!」


「いやぁ、やっぱり美味しいねぇ、オムライス」


「皆で食べるから美味しいんですよ、やはり食事は全員で食べる事が1番ですね」


「そうだね」


 


何だか本当に嬉しいや、この優しい空間に私が存在出来ている事が。


 


「あ! そうだそうだ! フィルフィル!」


「あ、何でしょう?」


 


私がお空さんの方を見てみると、お空さんがスプーンをこちらに向けていた。


 


「え?」


「あーんして!」


「え? な、何でですか?」


「さとり様とこいし様がよく私にしてくれたから、私がフィルにするんだ!」


「え、えぇ? そ、それなら、さとりさんとこいしさんにしてあげれば」


「いやぁ、それは恐れ多くて出来ないよ、あたい達には」


「ま、まぁ、お燐が何処か私に恐怖心を抱いてるのは分かってるのだけど。


 私、そんなに恐いかしら…」


「あ、いえ! ペット風情がご主人様にそんな事出来ないので!」


「そんなに恐縮しなくても」


「まぁまぁ、はい、お姉ちゃん、あーん」


 


こいしさんがさとりさんの方へスプーンを向けた。


 


「え? いや、私は別、むぐ!」


 


そして、恥ずかしそうに拒否しようとしていたさとりさんに


無理矢理オムライスを食べさせた。


不意だったからか、さとりさんは反応できずにオムライスを食べた。


 


「どう? 美味しい?」


「…え、えぇ」


 


さとりさんは顔を赤くして、小さく答えた。


 


「あーん」


 


さとりさんが答えた直後、こいしさんは少し嬉しそうに笑った後。


すぐに口をゆっくりと開けた。


 


「…は、はい、あーん」


 


こいしさんの意図を察したさとりさんが少し考えた後


オムライスをゆっくりとこいしさんの口へ運んだ。


 


「あむ…ありがと、お姉ちゃん」


「そ、そう、良かったわ」


 


お互い、少しだけ顔を赤くして笑い合った。


 


「おぉ! フィル」


「へ?」


「あーん!」


「むぐ!」


 


かなり強引だったけど、お空さんは私の口にオムライスを食べさせてくれた。


…不思議な事なんだけど、最初に食べたオムライスよりも


このオムライスは美味しいと感じた。


 


「美味しい?」


「はい、美味しいです」


「じゃあ、あーん!」


 


今度はお空さんが口を開けた、これは、そう言う事だよね。


うん、これで何もしないのは駄目だよね、勿論だけど。


 


「は、はい、あーんです」


「あむ!」


 


お空さんは私が食べさせようとしたオムライスを食べ


とろける様な笑顔を見せてくれた。


 


「美味しい…」


「それは良かったです!」


「むぅ、こうなるとあたいだけ仲間外れ感があるし、おねぇさん」


「はい」


「はい、あーんだよ、こうなったらあたいもやらないとね!」


「え? わ、私ですか?」


「勿論だよ、はい」


「は、はい、そうですね、あーん、あむ…」


「どうだい?」


「うん、美味しいです! やっぱりお皿によって味が違うんですかね?


 自分で食べたときとお空さんに食べさせて貰ったときと、お燐さんに食べさせて貰ったとき。


 その全部が何だか違う味のような気がして」


「いやぁ、それは味付けは関係ないと思うけどね、じゃ、あたいにも食べさせてよ」


「あ、はい、あーん」


「はむ、ん、ん、やっぱり美味しいねぇ」


「あはは!」


 


楽しそうに笑っている。


これが沢山で食べる食事…やっぱり、楽しいし、美味しいなぁ。


紅魔館でも美味しい食事だったし、家族って良いなぁ。


 


「さてと、それじゃあ、食事も終わりましたし、片付けましょうか」


「はい!」


 


私達は全員で食器の片付けを始めた。


お空さんがお皿を落としたり、それを私がキャッチしたり。


そんな感じで、何だか賑やかな感じで食器の片付けが出来た。


ただの後片付けなのに、こんなにも賑やかで楽しい。


 


「ふぅ、危なかったですね、ありがとうございます、フィルさん」


「反射神経には自信がありますから」


「ふふ、頼りになります」


 


よし、お片付け頑張ろう!

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