表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/154

能力決定!


わかさぎ姫さんの歌を聴いた後、私達は再び散歩を再開した。


夜の幻想郷は色々な色が見えて楽しい。


 


「あ」


 


歩き回ってると、辺りの闇が更に深くなり何も見えなくなった。


隣に居たはずのフランお嬢様の姿すら見えない。


聞えてくるのは呼吸音や心音、風の音…いや、視界が奪われただけだから


気配も何もかもの大体は分かる。


 


「あなた達は食べても言い人類?」


「んー、そうね、食べられる物なら食べて良いわよ?」


「あは、ならいただきま」


「食べられるならね!」禁忌「レーヴァテイン」


「ほよ? ギャーー!!」


 


熱気を感じて身をかがめた私は大丈夫だったけど


どうやらこの闇を作り出してた主は駄目だったみたい。


まぁ、こんな状態になるのは2回目だから


誰が原因かは既に分かってるんだけどね。


 


「うぅ…」


「大丈夫、致命傷よ」


「だ、大丈夫じゃないわよ…それ」


「かすり傷が致命傷とか凄いですよね…毒ですか?」


「レーヴァテインに毒は無いけどね」


 


やっぱり闇を作っていたのはルーミアさんだった。


でも、フランお嬢様のレーヴァテインは広範囲攻撃だから


例え視界を奪っても簡単になぎ払えるんだよね。


私は何の問題も無かったけどね、レーヴァテインの動きは予想できてたし。


 


「きゅぅ~…」


「さ、あなたは食べても良い妖怪?」


「ひぃ! 食べないで-! 食べられませんって書いてるから!」


「まぁ、私は人間以外に興味無いから食べないんだけどね」


「よ、よかった…勘弁して欲しいのだ…」


「まぁ、食べないから殺さないって訳じゃないけどね!」


「ひぇぇ!!」


「ふ、フランお嬢様…そんな怖がらせないでくださいよ」


「あはは、いやごめんね、怖がる相手を見るとつい悪戯したくなってね。


 外の世界の人間を怖がらせたときから楽しくなってきて」


 


あ、あの時…私が協力を頼んだ訳だから、私にも問題があったんだ…


 


「あ、それは確か私にも記憶が…って、あ、フィル達だったのかー」


「気付いてなかったんですね、ルーミアさん」


「暗くてよく見えなかったから」


「あなたの能力、まるで役に立たないわね」


「人を驚かせるには結構…見失うけど」


「でも、あの時は分かってたって感じだったんですよね?


 暗闇だったのに…どうしてです?」


「何か場所を教えて貰った」


 


紫さんかなぁ…何であんなに私に協力してくれるんだろう。


ちょっと不思議…だって、紫さんって凄い人みたいなのに


私なんかのお願いを聞いてくれたり、気を遣ってくれたり。


本当に嬉しいけど、やっぱり不思議って感じがするよ。


 


「後は匂いで分かるから、声がなくても問題は無いの」


「鼻が良いのね」


「私も鼻には自信があります! 狼ですから!」


「そーなのかー」


「言いたかっただったでしょ、今の」


「うん」


 


あの台詞、気に入ってるのかな?


確かに色々な場面で使えそうな感じがするけど。


 


「でもまぁ、能力って色々あるわね…そう言えば、フィルの能力って何?」


「うぇえ!?」


「ちょっと気になるのだ」


「能力無くても相当強いけどね、私のありとあらゆる物を破壊する程度の能力でも


 ちょっと、フィルを捉えるのは無理だと思うし」


「やっぱり、フランお嬢様の能力って、何か恐いですね。


 超が付くほど万能な感じがします」


「どういう感じなの?」


「ちょっと目の部分を掌に移動させてきゅっとすれば」


 


実演して、目の前の木を木っ端微塵に破壊した。


 


「……」


「ね? 簡単でしょ?」


「何処がですか!?」


「まぁまぁ、能力って本人にしか分からないところあるし。


 お姉様の運命を操る能力も私、よく分かってないもん。


 そもそも運命って何?」


 


え? そこから分からないんだ…じゃあ、お話ししないと。


確か、外の世界で色々とみてたときに解説があった。


それも覚えてる。お嬢様の能力に関連してそうだから覚えてた。


 


「運命というのは、人間の意志をこえて、人間に幸福や不幸を与える力のことだったり


 そうした力によってやってくる幸福や不幸の巡り合わせのことです。


 


 他には人生は天の命によって定められているとする考えで、


 人の意思をこえて身の上に起きる禍福の事を指したりもしますね」


「何だ、所詮人間限定なんだね。


 となると、人間って最初から最後までお姉様に操られてるわけ?」


「いえ、違います」


「結局ただの言い訳なのだー」


「確信をつきすぎですよ…」


「でも、お姉様が操ってるって事は良いわけじゃ無いと思うけど…」


「いくらレミリアでも、全部の運命を操れるはずがないのだ」


 


確かお嬢様はそこまで正確に運命を操れる訳じゃ無かったと思うけどなぁ…


確か幻想郷縁起にはちょっと運命に干渉する感じって聞いた。


 


「そもそも、運命なんてくだらないのだ、良いわけでしか無いし。


 結局、結果が出た後に言ってるだけだし、意味が無いのだ」


「そう言う話しになるとややこしくなるから止めましょうよ…」


 


前も、阿求さんに色々と言われて混乱しちゃった記憶があるし…


 


「まぁ、運命ってよく分からないからね。


 じゃあ、本題に戻るけど、フィルの能力って何?」


「そ、それはその…わ、分かりません」


「……何で?」


「じ、自己申告制で! 私、自分が得意な事ってよく分かりませんし」


「フィルは大体の事が出来る気がするのだ…」


「出来ませんよ!? 全然! お料理は下手ですし!」


「うーん…じゃあ、食いしん坊さんだから何でも食べる能力で良いと思う」


「それはもういるみたいで…」


「…なら、なんでも呑み込む程度の能力は?


 何だか、フィルってドンドン成長してる気がするから」


「お、おぉ! 確かにそれなら!」


「じゃあ、フィルの能力は何でも呑み込む程度の能力ね」


「はい! 今度、阿求さんにあったらそう伝えます!」


 


や、やっと自分の能力が決ったよ…はぁ、一安心。


 


「能力決定おめでとう、じゃあ、次の質問したいんだけど


 どうしてここにいるの?」


「フィルとお散歩」


「へぇ、そーなのかー、仲が良いのね」


「まぁね、私達姉妹とフィルは仲良しなのよ」


「お嬢様だったら、私の散歩って言いそうですけどね」


「何か変なの?」


「いえ、何でもありません」


 


日本語って…難しいなぁ、フィルの散歩と言ったら


私がお散歩されてる感じだけど、フィルと散歩ってなると


一緒にお散歩してるって感じ。


一文字違うだけでここまで違うんだから恐ろしいよ。


 


「じゃあ、私も付いていって良い?」


「あら、どうして?」


「暇なの、人も来ないし」


「こんな時間に普通の人が歩いてるわけありませんよ」


「でも、この時間に活動してる人間は食べても良いって、巫女が」


「霊夢さん……」


「そうなんだ、じゃあ、人を見かけたら食べましょうか」


「止めてください!」


「え? 美味しいよ?」


「わ、私、半分人間なんで…ひ、人食い妖怪じゃないんで…


 後、グロテスクなの苦手で…だからその…」


「んー、分かった、フィルがそう言うなら我慢するのだー」


「そうね、いやな思いをさせたら悪いもんね」


「あ、ありがとうございます」


 


や、やっぱり人を食べちゃう妖怪なんだなー…仕方ないんだろうけど。


私も牛、豚、鶏見たいな肉を食べてるんだもん。


きっと、ルーミアさんやフランお嬢様達からして見れば


人間を食べるというのは、豚肉、牛肉、鶏肉を食べるのと大差ないんだ。


ただの食事…私がその食事に何かを言える立場じゃない。


でもやっぱり、食べてる所を近くでは見たく無いよ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ