「ある運転手の運命:場の準備」
## はじめに
これは、TRPGテイストのストーリーテリングカードゲーム『Mission in Links』のリプレイとなります。
>>『Mission in Links』は著者のオリジナルカードゲームです。商業ではなく同人で、この作品はネット通販を行っておりません。純粋に内容を楽しんで頂けると、著者は幸いです。
## TRPGテイストのストーリーテリングカードゲーム?
TRPGテイスト=【プレイヤー達が自分のキャラクターをコントロールしながら行動を判定し、物語を創る】
ストーリーテリング= 【ゲーム参加者全員でどんな結末であれ、物語を一緒に創り上げる】
そんな遊びをするカードゲームです。
1ゲーム30分程度かかります。ゲームに必要な人数は3人(1人が進行役で2人はプレイヤー)になります。
自分の手番になったらカードを出し、その内容とこれまでの話から新たな話を繋げていきます。イベントをこなし、クライマックスの条件を満たせば、ゲーム参加者全員が勝者となります。また、イベントに失敗したりクライマックスの条件が満たせなくても物語を創れていれば、あなた達は賞賛されるでしょう。
どのような物語を創って行くかは、予めゲームの方で「お題」が設定されています。今回のゲームでは「クライムアクションモノ」の物語を全員で創っていく事になります。
>> クライムアクション=犯罪を主題とした作品。
参考作品は、『ダイ・ハード』『あぶない刑事』『パーソン・オブ・インタレスト』『ウォッチドックス』『グランド・セフト・オート』。知っておけば、よりゲームを上手く回せて行けるかと思います。
## イントロダクション
ここは電脳都市「MIYAKO」。
ここに住んでいる全市民は、ありとあらゆる情報がネットワーク上で管理されている。
顔認識システム、GPS、社会保険番号……ありとあらゆるシステムが組み合わさった結果、私は計画犯罪に遭遇する人物【対象者】を予測する事に成功した。
それが被害者なのか加害者なのか判断できないし、身体が不自由な私「オート」では事件を未然に防げない。私の代わりに奔走してくれる者達が必要だ。
では、彼らを紹介しよう。
ST(思考):どうも、お待たせしました。イントロダクションには目を通してもらえましたでしょうか?
PC1:はいよ。TRPGのオンセをやるのかと思えば、まさかのカードゲーム!!
PC2:普段、ボードゲームとかカードゲームとかをやらないので楽しみにしてました。
ST:やる事はTRPGと変わりないので、大丈夫だと思います。
ST:最初は判定ルールを覚えてもらうため、物語を創らずにサイコロによる判定だけでゲームを回します。
PC1:舞台は現代に近い近未来。僕らは契約社員とか傭兵とか雇われ自警団?
ST:そうです。
PC2:プレイヤーは2人で大丈夫ですか?
ST:はい。私が物語の進行役を勤めるストーリーテラー……TRPGにおけるゲームマスターとなり、君たちはプレイヤーを担当してもらいます。
PC2:じゃぁ、これからキャラクター作成になるんですね。キャラクターシートはありますか?
ST:そこら辺は、全部カードの中に集約されています。皆様サイコロ2個は持ってますね?
PC達:はーい。
ST:では、カードを配ります。
- STとPC達には4枚ずつカードが配られました。 -
PC1:おぉ、両面情報がある。枚数を少なくしたいからってこんな事するとは。
PC2:イラストが欲しいですね。
ST:心に刺さる言葉ばっかりを……。えーい、カードの説明は後日掲載します。
ST:今、君たちに配ったカードは【情報カード】です。下地が濃くて、<KEYPERSON>と<LOCATION>というのが記載されている方が裏面です。
ST:<HACKING>とか<DRIVING>などのアイコンとテキストが2種類ずつある方が表面になります。
PC1:なるほどね。この裏面の内容が、僕たちのキャラクター情報にもなるのね。
ST:その通り。まず、今回のプレイで皆で創っていく物語の【対象者】を決めます。
- STは[<KEYPERSON>運転手 / <LOCATION>美術館]のカードを場に出します。 -
ST:この運転手が今回の【対象者】です。何かの事件に巻き込まれる『被害者』かもしれないし、事件を起こす『加害者』かもしれない。
PC2:+と-で囲まれている意味は?
ST:+で囲まれているアイコンは『得意な技能』、-で囲まれているアイコンは『苦手な技能』を表しています。<LOCATION>の方は後ほど改めて。
ST:後は【対象者】を選んだ事でストーリーの大筋が決まります。今回は「強盗や殺人の強要かも」です。
PC1:強要しているかもしれないし、されているかもしれないってわけね。
ST:さぁて、結末はどうなりますかねぇ。では、お二人も配られたカードから1枚選んで出してください。
- PC1は[<KEYPERSON>警察官 / <LOCATION>レストラン]のカードを場に出します。 -
PC1:これって、職業は警察官ってこと?
ST:キャラクターに関しては、物語が考えやすい方に捕えていただければ良いです。
PC1:うーむ、元警官ニー……違うフリーターにしよう。
ST:だ、大丈夫かなぁ。
- PC2は[<KEYPERSON>サラリーマン / <LOCATION>ホテル]のカードを場に出します。 -
PC2:【対象者】が苦手な技能を得意としているカードを選んでみました。
ST:おぉ、考えてますねぇ。
PC1:行動派、頭脳派によるバディはまるで相棒だね。
PC2:サラリーマンというよりは、訪問セールスをしている設定にしたいと思います。
ST:了解です。キャラクターが決まりましたので、次に手札を確定させます。
PC1:今持っているのが決まりじゃないのか。
ST:そうです。まずは、プレイヤーの2人はカードの表面をご覧ください。STは引き続き裏面を見ます。
PC2:はい、表面を見ています。
ST:そこから手持ちに残したいカードを1枚選んで抜いてください。残りは時計回りに隣のゲーム参加者へ渡してください。
PC1:ドラフト式ってやつか。
ST:そうです。そうやって手元に3枚残ったところで、それが確定した手札になります。
PC2:カードを選ぶ基準などはあります?
ST:そうですねぇ。プレイヤー達は自分が選んだキャラクターの『得意な技能』、もしくは『得意な技能』『不得意な技能』どちらにもない技能があるカードを優先的に残してみれば良いと思います。
ST:STをする人は、「この場所で物語を展開させたい」というロケーション重視で選んでみましょう。
PC1:最後の1枚は有無を言わさずなのね。
ST:では、これで手札の確定しました。皆様、ゲームを始める前に再度イントロダクションを読み上げさせてもらいます。
>>STの手札
>>PC1の手札
>>PC2の手札
- イントロダクションをご参照ください。 -
ST:世界観はご理解いただけましたか?
PC1:おぅ、任せておけ。
PC2:確か、【対象者】と今回の物語の大筋はもう決まっていましたよね。
ST:そうです、今回の物語は「強盗や殺人の強要されているかもしれないし、しているかもしれない」【対象者】の運転手を調査して事件を防止せよ!!……です。
PC1:キリキリ自白させてやるからな!
ST:おいおい。さて、それではゲームを開始します。よろしくお願いします。
PC達:よろしくお願いしまーす。