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プロローグ

 拙いですが、読んで頂ければ幸いですm(__)m


 気付けばそこにいた。



 何処とも知れぬ果てしなく広がる草原。空はどこまでも青く澄み渡り、風に流される白い雲を一層際立たせる。

 太陽は真上。正午近くの陽射しがジリジリと肌に照りつける。まるで真夏だ。

 そんな条件下の中で草原に埋もれていた少年はゆっくりと立ち上がった。

「──どこだ、ここ?」

 半ば当たり前のように呟くと、少年は辺りを見回す。しかし目に入るのは、見渡す限り広がる草原、草原、草原、たまに木、草原。人間どころか生物の気配すらしない。

 起用に倒立してみたりするが、相変わらず逆さまになった草原が見えるだけ。状況は依然として変わらない──

 ──はずだった。

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……!!

 アニメなら外枠辺りに表示されそうなインパクトある謎の音が辺りに響き渡る。

 それと同時に空が彼方から雨雲に覆い尽くされ、瞬く間に雷鳴を伴った風と大粒の雨が視界を塞いでいく。

「い、いきなり何なんだよっ!? 積乱雲も無いのに突然の雨なんておかしいだろ!? スコールにしてもあれは熱帯とかじゃないと発生しにくいし……」

 少年は必至に今自分が置かれている状況を考えた。いきなりこんな草原に放り出され、晴れていたと思ったらいきなり嵐。いったい何が起こったというのか。

 滝のように降り続ける雨を拭いながら考えても、結論に至らない。

 と、その時、少年は空に1つの影が踊っているのに気が付いた。段々と大きくなっていくそれは、確実にこちらに近づいている。近付いて影が大きくなるにつれて、それが何なのかがはっきりと捉えられる。



 あれは──龍。



 ──オオオオオォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!



 嵐の中で金色に光輝く龍は、咆哮を上げてこちらを見据えた。

 既に身体は硬直していた。第三者から見れば、少年は蛙で龍は蛇。爛々と光るその目に、少年は身動ぎすら出来なかった。

 そのままどのくらい経っただろうか。未だ嵐は衰える事を知らず、豪、と吹き荒れる。龍もまた、こちらを見据えたまま何もしない。

 これが夢なら、このまま覚めてはくれないだろうか。

 この状況は、少年にとって拷問以外の何物でもない。襲うなら早く襲ってくれ、そう思い続ける。どうせこちらに勝ち目は無いのだ、と。まるで首を絞められてこと切れそうになった瞬間に縄を緩められる、の無限ループ。



 早く終わってくれ──。



 拷問に耐えかねた少年のそんな思いが漸く届いたのか。

 龍は少年に向かい、何かを打ち出す。その刹那、身体の感覚が末端から途切れていく。激痛が全身を走り声を上げようとするも、既に声帯は焼かれて声は出ない。

 龍が打ち出したのが何億ボルトに至る程の電撃だと悟った瞬間。



 少年の命は虚空に消えた。



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