§突然の訪問者§
今日もいつもと変わらない一日が過ぎていくと思っていたんだけど―。
「テンチョ。今日から4月ですよ。春ですよ。春!」
「日が出る時間が長くなると、浜拾いもしやすくなるね。」
冬の海は寒い。喫茶店が9時からだからもっぱら7時位から浜拾いを始める。けど、冬の寒さは南極並だって僕は思う。もちろん行ったことは無いけどね。
店内を掃除しながら渚ちゃんと一時の休憩をする。お昼も過ぎてランチタイムも終わると店内は落ち着いた感じになる。
「渚ちゃん。そろそろ休憩にしようか。」
「あ、テンチョお先にどうぞ〜!私、お店の外、掃除しますから。」
「そう?じゃぁ。お先に〜。」
そう言って店の奥に入ろうとしたら、カランといって。一人の男の子が店内に入ってきた。
「いらっしゃいませ〜♪」
「いらっしゃいませ。」
男の子の顔を見るとふと誰かに似ているようなきがする。
「総司!」
男の子と目が合うと彼は僕の名前を呼んで近くにきた。よく見るとそれは僕の弟だった。
「あれ?セイジ君?」
「そうだよ!久しぶりに見るからってその反応傷つくわ〜。」
そんなことを言っていても、彼の顔は笑顔だ。
頭をポンと手を置くと身長は昔見たときよりもスゴく伸びていて僕にも追い付きそう。
「いや。久しぶり過ぎて。それにスゴく成長してるし。」
「当たり前だし!あれから何年たってると思ってんだよ。」
あははと二人で笑っていると渚ちゃんと目が合う。
「あ。渚ちゃん。この子僕の弟で吉田 青司[ヨシダセイジ]君。」
「テンチョの弟さんだったんですね!初めまして。西見 渚です。」
「あ、ども…。吉田です。」
青司君はぎこちない挨拶をすませる。会話を続けられないからかちょっと焦っている彼を見ているとかわいいなんて思ってしまう。
「ところで青司君。今日はどうしてここに?」
「あ、総司俺。家出てきたんだわ。実は、ここの近くの高校に通うことになってんだけど。」
「ちょっ!ちょっとまって!家を出てきたってどういうこと!?」
「え。そのまんまの意味だけど。」
「家族は知ってるの!?」
「どうせ。家族に言ったって精々したっていわれるに決まってんじゃん。」
僕は状況を整理するべく、ひとつ深いため息を吐くと、それを呆れのため息と思ったのか、青司君の眉間に皺がよる。
「ごめんね。渚ちゃん。僕、この子と一緒に奥の部屋で話してくるから。ここ、任せていい?」
僕達の話を聞いてて彼女も心配何だろう。ちょっと顔が青ざめて、僕が話しかけるとはっとしたような顔になった。
「あ…は、はい!任せてください。」
じゃあ。と一言いって僕たちは店内の奥へと入っていく―。
本編から外れてしまいますが、ここでいきなり!
ビーチコーミングの鉄則!!
マナー
ルールはなくてもマナーはあります!誰にでも守れるマナーです。みんなが気分良く楽しめるようにしましょう!
ゴミを浜辺に捨てない
拾ったゴミを観察したあと、再び捨てておく人がいます。ゴミを持ち帰り、みんなで少しずつ浜辺をきれいにしていきましょう。
人為的サインがあるものは拾わない
流木に石が乗っていたり、杭が打ってあるものは、すでに人が先に見つけたサインです。人の物ですので、拾わないようにしましょう。