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なんか誰か来ましたが何か!?
インターホンが鳴りましたぁ!
副業のYoutubeでのゲーム実況の手を止めて、俺はラーメン屋の大将のように叫ぶと、「ライブ終了」のボタンを押した。
壁が薄いアパート。
取り壊し寸前のアパート。
住民は俺しかいない。
大家はとうの昔に逃げた。
そんなアパートにどうして来客が……?
ドアを開けると、俺の訝しげな顔は一層訝しげになった。
見たこともない、背が高くスラリとした、黒髪を伸ばした男子高校生が立っていたからだ。
「で……? 誰?」
この時、俺はまだ思いもしなかった。
こいつのおかげで、俺は何度も救われるってことを——