表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

-Reason-.世界の理由


黄色でも金色でもない。真っ白、という表現がこの場合正しいのだろうか

眩し過ぎるからか、顔や体の細部を見ることが出来なかった。


そして、光は巨人だった。

ただ見えたのは闇によって作られた輪郭だけ。

私は右手を顔の前にやり、指の隙間から巨人の足を見ていた。

なんてデカイ小指なんだ・・・私の拳程度の大きさか?

触ってみたいところなのだが、なんだか、あれほどまでに走った努力が無駄になりそうで、

巨人に賭けてみる気にはならなかった。

先ほどまで恐怖に駆られていた私は、どうしてここまで能天気なのだろうかとも思っていた。

と、その時。

「9分51秒ですか・・・やりますね・・・ふふ、なかなか面白い子だ」


・・・!


・・・・聞こえた。


私は確かに音を聞きとった。

巨人が話したことに感動した?ちがう。

私は・・・・・・・・・生きている。

ただそれだけが嬉しかった。

そして私は熱を感じた。

急に体が熱くなってきたのだ。凍った体を奥底からの熱が溶かすように。

下半身から上半身へと濃いエネルギーが上昇していった。


っ!・・・・


しかし、それと同時にどっと重みも体にかかってきた。

胸部からなにか押し上がってくるものが感じられた。

手を口にやる私。まだ20にもなっていないのに急に老けこむ私。

そう私は直角になっている。綺麗な90度。

「あははは、やっぱり。まぁあれだけ走れば無理もない・・・・」

音が聞こえたことに歓喜して気づかなかったが、巨人は喋っていたのか。

でも・・・何か変だ。

私は巨人の声に何かしらの違和感を覚えた。

なんだろう・・・どこかで聞いたことのあるような声。

低く、少しにごったような・・・

あ、風呂の栓を抜いた時に発する音・・・?だけど・・・・・あ、でも・・・。

いつものあの情景が何故か非常に滑稽に見える。お風呂の栓を抜く私・・・。

私は体を屈めながらもクスっと笑っていた。

「え、もしかして私、笑われている・・・?」

体がぴくついた。そして私はこの後久しぶりに自分の声を聞いたと感じる。

「あ、ご、ごめんなさい、・・・お風呂の・・だなんて・・・」


言葉と同時に体をゆっくりと起こし、口にいた手は顔の前で光を遮っていた。

「は?お風呂??」

「あ、いや・・・・・、あ、ぁー・・えと・・・あ、あの!私帰りたいんです!!」

「ほ・・・ほう、単刀直入にきましたか。ふふ。おもしろい・・・」

「・・??・・あ、あの、ここは一体なんなんですか?私・・・・・死んでないですよね・・・?」

「うん・・・うんうん。いい。・・・・・・え、あはい。」

顔がやはり見えない。そこからいささか読み取れる心の言葉ももちろんわからなかった。

「そっか・・・・・・・そ、それで・・・あなたは一体・・・・?」

「私は、漠の鼻協会の一人、ライト=オブサブと申します。ずっと眩しくさせてごめんなさい。このほうがあなたを観察しやすいのですよ。ちょっと待ってくださいね・・・ふんっ!!」


その瞬間、なんとかたんたらとかゆう巨人の輪郭が切断され(覚えてあげてーっ byとまと)

腰あたりであろう部分から巨人の体が2つ、4つ、16と、数に比例してみるみる小さくなっていく四角い光が、私の視覚を埋め尽くした。光の強さが少し弱くなったようにも見えた私はようやく両目で元は巨人だったその光を見ることが出来た。

「ん・・・・・・・・・・んはっ!!」

き、きもい・・・と思ったことを反省しなければならない。

あの光も音もない、生きているのかもわからない恐怖をつくる闇は、星空へと変わったからだ。


私の眼に映っていた光のドットは巨人の掛け声とともに光の線をなして辺りにちらばっていった。

いつしか私を襲った疲労感や嘔吐感さえも、なくなっていた。


「いやいや、あなたの生命力には驚きましたよ。」

と言いながら、ライトは私の足元から闇だけを吸い取り、体をつくりあげた。

すらりとした長身で、私より小顔だった。(むか)

全体を黒でまとめげている。黒いスーツに黒靴。

透き通った眼の輝きに私はすこしドキっとした。

でも何だろう・・・、少し心の奥になにかがひっかかっている気がした。


「こんばんは。改めまして、ナイト=オブサブと申します。」

私は二歩ほど後ろに下がり、今度ははっきりと言った。

「あの、私はなんでここにいるんですか?」

「あなたは・・・とっても幸運な人なのですよ」

「幸運・・・?」

ライトは服を少し整えながら続けた。

「そう、幸運。とってもラッキー。この世界は死の世界でもはざまの世界でもない。むしろ幸せな世界なんですよ。」

「幸せな世界・・・・・?」

私が小声でそう言うと、ライトは自分の姿が作り上げた星空を見ながらこう言った。

「あなたは、この世界に引き込まれた時確かにあなたは目を見開き、起きた出来事に慌てふためき恐怖をも感じた。確かにそれは、どの者にも通ずること。引き込まれるという事までですが・・・。しかし、そこからこの世界に気づき感情を持つという例はあまり見ないのですよ。」

「・・・??じゃぁ、この世界に飛ばされる人はたくさんいるってことですか・・・?」

「ぉほっ・・・うんうん、そうですね。物語のつなぎとしては最高の発言だ。思っていたより知能は高いようですね。ふふ」

「は?・・・・あ!?」

「ぁいや、こっちの話です。(にこ)そうですよ、あなたの言った通りです。あなた以外に多くの人間がこの世界に飛ばされる。そう。結構!さぁ赤の方、何番っ!」

なんだろう、さっきからチョイチョイ腹が立つ。

「でも、見る限りここには私とあなた以外に誰もいませんよ・・・ね?」

「人がボケているのに無視ですか・・・。はぁ。・・・・・・いや、元気出せ俺っ・・・・・

そ、そうですね(にこ)、まぁそれはおいおい話すとしましょう。

それにしても、あなたはとても足が速いですね。ぶっちゃけ驚いたっし。」

「いちお、運動部なんで・・・・」

「そうなんですかー。・・・って言って、それについて話は広げませんよ?ふふ。そろそろ本題に入らないと、読者が飛ばしそうですからね。」

「は、はぁ・・・・」

だめだ、かみ合わない。

・・・・これが同じクラスのにな川なら背中を蹴っ・・・・!



「3:7。この割合、なんだと思いますか?

「え、・・・・・・・ご飯・・?」

私は少しくだけた笑みになった。

「あはは、そうですね。確かに。あなたが今日食べたことになるお茶碗一杯の割合と同様、この割合は、この世界に飛ばされた人間が、諦めるか生き求めるかの違いなんです。幸運にもあなたと同じく、この世界に気づいたわずかな人間でさえ、私が発する光を求めようとしない者もいるのです。あなたのように走ってはこない人間。恐怖に怯え動けないでいる人間。そのまま横になって再び眠る人間までも・・・。」

ライトは、私の担任のようにゆっくり歩き回りながら説明した。

私はなんだか遠まわしに幼稚と言われている気がした。


「この世界に迷い込んだ人間に対して必ず私は光を放ちます。そして上から人間がとる行動を観察し、ここにたどり着くまでの時間を計測する。それが私の仕事なのです。ちなみにあなたは9分51秒でした。そして大いにあなたの生きる力を感じた。」


ライトが少し微笑んでいるように見えた。私もすこし微笑していた。


「この世界は一体何か、あなたは先ほど問いました。」

「はい。未だにわかりません。なぜ私はここにいるのか・・・、どうして幸運なのかも・・・」

「この世界に気づくもの・・・それは心の奥深く底に夢があるから。」


「!」


私は体が一瞬止まった

「あなたは、何か誰にも言えない夢があるのではないですか?」

「・・・・・・・・。」

「ふふ、いいですよ、口に出さなくても。それに、本当に夢がなくても構いません。自分の夢に気づかない人もたくさんいましたしね。」


記憶の端に隠したはずの冷たいもやが、一瞬私の心を突き抜けた。


「この世界に飛ばされる条件はもちろんあります。日ごとによって変わるのですが、今回は朝と昼のご飯を一緒に食べ、お昼寝をするといった事でした。そしてあなたは見事この世界に気づき、30分以内に私の光に辿り着いた。」

「でも、それでは全然幸運とは言えないですよね・・・?」

「そうですね、ですがここにただし書きがありまして、

*ただし、炭水化物で炭水化物のメニューであること

というのが、今回の条件なんです。どうですか、めっさ幸運だと思いませんか?」

「いや・・・・・・・そこまで・・・・・・」

「っち・・・せっかく前後のつながりを良くしようと練りに練ったアイディアなのに・・・少しはのれよっ!くそっっ!」

「・・・・・。それで、私は帰れるんですか?」

少し低めで気だるげに言った。

「もちろん。ですが、ここまで辿り着いた者にはある特典があります。」

「?」


「夢を叶えること。」

「!!」


通り抜けた冷たいもやが一瞬にして消えたように感じた。


「ですが、その代わりに必要なものがあります。」

「・・・・?」

「一度あなたを現実へと戻します。残念ですが、この時点ではそれが何か、まだ言ってはいけないきまりですので・・・。それからどうするか、それはあなた次第です。」

「・・・・・・・・。でもどうやって・・・?また、炭水化物とか昼寝とか・・・ですか・・・?」

「あはは、いえ違います。それに今度来る時は今回のように走らなくても大丈夫ですよ。」

条件を聞いてもいないのに何故か安心した私。

「では、条件を言います。一つ目は深夜2時に就寝。まぁ、これは2時頃でも大丈夫でしょう。うん。

そして二つ目として、片手に携帯電話を持っていること、です。ただしここから大事です!

いいですか?必ず、電源をONにしていてください。切っていては意味がないですよ。もし、何の変化もなく朝起きてしまったら、また繰り返してみて下さい。何かズレているか・・・もしくは・・・・」

「もしくは?」

「んまぁここはあえて言わない方が読者のためになるかと。」

「は?」

「まぁそういったところです。わかりましたね?」

「は、はい・・・・。」

「では、現実へと戻します。眼を瞑ってください。」

「あ、・・・はい。」

そう言われて私は、ゆっくりと眼を瞑った。その瞬間・・・・・


何か臭った。やべぇまじ臭い。なにこれ。異臭に耐えられなくなった私はまぶたを開けた。


















はいはいは~~い、こんばんわ、とまとでっす。

話だいぶ進みましたね。そしてまさかのライト=オブセブの登場。

オブセブは皆さん何が元かわかりましたか?

うんっ、「観察」を和英辞書で調べろやって感じですかね~。

調べたところでね、ちょっと無理があるっ・・・と思われるのがオチなんですけどね!!

そういえば、現代の世界の眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠があるそうです。

ライトが言っていた世界は、もしかしたら夢を見ていないノンレム睡眠なのかもしれませんね。


さて、次回の投稿はいつになるのでしょうかっ!ちょっと聞いてみましょう。


あの・・・・・・・・なんですけど・・・・、え?あはい、あははっ、ですよね!


「ネタが切れてきた。てかあんま見てないんなら投稿せんでもよくね?」やてっw

ちょまてっっ、わいの仕事なくなるやろがっ ってとこですよね!

では、今日はそんなところで!さいなら~~~。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ