Days
ギリギリセーフ?
「3日ほど充電すれば走破出来るぞ。」
「3日まだ歩いて進むか1度止まって追い上げるように進むか。果たしてどっちを選ぶべきか?」
「俺は車で進むべきだと思う。ここじゃ歩いていったら体力の消費が早すぎる。まだ戦地に着いてないのに消耗するべきでは無いと思う。」
「いや俺は進むべきだ。俺たちが見ただけじゃ分からんところが故障しているかもしれんし動かなくても消耗はする。急ぐべきだ。」
「あの、これって」
「お前はどう思う?」
え?待ってくれそもそもこれはリキッド式だろ。動くも何も……
あっ!俺がいた時代とは全く違ってた!だからか
質問を遮られて質問されたのであたふたしながら答える。
「詳しく無いですけど動作的に壊れてる感じではなかったので充電して車で進むべきだと思います。やっぱりここで消耗すべきでないし後々足があると便利だと思います。」
コミュ障発揮してしまった。
敬語早口俯きながら声量コントロール出来ずに言い切るのでなくあくまでそう思ってるって感じに言ってしまった。
克服したい。
「車内は密閉性が高いから外に軽くテント見たいのを建てるか。」
「そうだな。肉まんになっちまう。」
ちょっと何言ってるか分からないがとりあえず野営は確定した。
─────────────────
1日目
あ〜もう暇だ。無闇に動けないから本当にすることがねぇ。
コンタクトディスプレイは使えるけど何にも接続してないからなにか映るわけではないし。せめてアンテナがあれば体内ナノマシンがどうにかしてくれるのだが。無いかなと思ってカバンを漁る。そして形はアンテナらしきものを見つけた。
傘。生憎アンテナの原理は詳しくないが記憶が正しければ2種類の金属を合わせると、電波が出て、ずっと合わせていたら電波を振動に変えられたはず。
多分傘の骨はアルミ製、アルミじゃない金属を合わせたら出来るのでは?そう考え試行錯誤したが無念のギブアップ。傘が小さいから駄目なのか記憶違いか。
暑くてふて寝も出来ないので日陰で砂に絵を描いて時間を潰した。
──────────────────
2日目
なんか絵が上達した気がする。としても暇すぎるのでダメ元で近くの国に救助を求めませんか?って聞いてみた。撃ち落としてきた奴らの仲間に聞かれたら確実に殺されに来るだけだぞ、と怒鳴られた。
3日目
脳死しそう。ここまで脳に情報が与えられてないと人って死ぬのかなとか訳の分からないことを思っていた。明らか脳が機能停止1歩手前まで来てる。
「充電が終わったぞ!」
ピッと電子音がなった後に誰かが叫んだ。みんな暇すぎで変化が欲しかったのだ言ったのは自分だったかもしれない。
走り出せば天井のソーラーパネルと前輪の発電機で速度を出しすぎなければずっと走れる。オマケに全員が装備しているソーラーパネルを繋いでおけば歩くよりも遥かに遥かに楽に行ける。
認証システムが開く。ハッキングツールを取り付けようとしていたが見覚えのあるマークが映る。
「これ仲間の車だ。」
「そうだが、何故ここに?」
「音声を聞けばわかるだろ。多分。」
謎に遭遇したが自分たちの任務もある。しかも全員が全員の任務を知っている訳では無い。誰かが野営する標的の暗殺任務とかで乗り捨てたのだろう。
音声を再生しながら進むことに決まった。
『今回の任務はレバノンに逃げたクソ野郎の暗殺だったか。』
『ったく。ほんとに運がないよな。今回は砂漠のど真ん中に放り出されて。インド側だったら飛行機で行けたんだけどな。』
「この声ききおぼえがあるな。誰だったか?」
「うーん確かに聞き覚えはあるけど誰だったかなぁ?」
『確か依頼は暗殺と盗まれた金の奪還で金の奪還が優先でしたか。』
『だから今回はいつも以上に大変だぞ。』
『乗り込んで暴れてとか遠くから狙撃もできないですしね。』
『なら拷問するのか?俺らがどの国にも属さない傭兵企業といえ拷問はやばいだろ。一応戦争法は守った方がいいんじゃねぇか?』
『それはそうですが、別に拷問はしません。ちょっと圧かけて尋ねるだけですよ。』
『本当にお前サイコというか自分に降りかかる責任というか自分にとって悪いことを排除することだけは世界一だろ。まじで。』
『政治家でも目指すか?』
笑い声が聞こえる。
「あぁ。思い出したナンバーズのフィフスのルナとアンダンテとラスターだ。あともう一人いた気がするけど名前が思い出せんな。」
その時とても大きい警報音が鳴り響いた。