Make debut!
この世界の壊れ具合はやばいです。
でも2412年はもっと壊れた年なので2281年はその次ぐらいに大丈夫です。3番目が2259年です。2000年までの大戦とは比にならないぐらいやばいです。
いよいよ来週正式に傭兵としてH2の一員となる。これからは戦場に出る。
とはいえ最初はベテランの何度も帰還してきている先輩について行って戦争を知る。
23世紀に入るとAIシンギュラリティが起こった。AIがAIをうみだし、そのAIがAIを生み出す。生き物と同じようにどんどん多機能になっていき、マルチタスクになっていく。
勿論戦争への使用が考えられた。シミュレーション上で絶対墜落せずに敵機を撃墜する戦闘機AI同士が戦った。それは故事成語の矛盾と同じことだった。結果は戦闘機AI同士墜落しないが互いをを撃墜出来ない。一生互いが撃たれないように飛び回っていただけだった。これにより戦争でAIを使うことは断念され、人間同士の戦争が未だに消えていなかった。
AIは生き物が持つ賭けの精神と勘を持たず、論理的で合理的な思考しかしない。その為AIは確実に撃墜されないが確実に敵機を撃墜出来る時にしか攻撃しない。戦争とは所詮金と技術を生み出す非人道的な人間の成長活動でしかない。いくら信念があっても知恵や金がなければ革命は起こせない。戦争はおこせない。
その戦争の絶対的要素に目をつけて金を稼ぐ。それが傭兵。
AIが使用できなく、人間が戦わなければいけない以上、資源と知略と人的資源が多い方が有利になる。依頼者が有利になるようにそれらを貸し出すのがPFだ。
「本日から私はこの組織の一員として、頑張らせてもらいます。ジンムと呼んでください。」
とこんな感じで数人にあいさつ回りした。
カミーユ教官の通り、最後の方だけとても厳しかった。多分走馬灯みたいの見えてたし、心臓が止まったと感じたことが何回もあった。30分潜水しろだとか、アフリカ大陸縦断を1週間でだとか完全に殺しに来てた。そして最後の試験は多分何度か死んだ。半月で国同士がバチバチな太平洋を泳いでインドからブラジルまで行くとか。あいつ....貴重な人材資源使う前に壊す気か!
いくら国軍より金にがめつくなくちゃいけないから色んな依頼を受けなきゃいけないのはわかっているが厳しすぎだろ!
今回はチームξについて行く。ここは数人でチームを組み、戦争に行くこともありだし、単独でもいい。ξはアシータ・ノルン、カイリ・プラン、アステロイド・キミュン、ジョン・フレミング、アペクスリード・ククルスの5人で構成される。因みに5人なのは装甲車が5人+荷物で丁度いいかららしい。基本的には戦場で現場指揮を務めるベテランだ。
ここの傭兵は想像とは違った。人的資源を与えると言うより革命などを起こした戦いに無知な人たちを主導し、元の戦力を増強する。だから1人あたりが他と比べ少し高いらしい。まぁ金がある戦争だと大勢を派遣するようだが。
陸路で国境を越え、北上してヨーロッパの方へ向かう。今回の依頼はロシア西部で起きた革命軍からだった。
その革命軍をドイツが支援しているため、ドイツから戦場に向かうことになっている。
「ねぇ、君もう研修?」
「はいそうで……」
挨拶回りを終え装備の点検に向かう最中で呼び止められた。
三峰エリンだった。結局自分の所に来いと言われていたが行っていなかった。忘れていたのもあったが何故初対面の人に呼ばれていかなくては行けないのか俺にそんな義務は無いはずと思って彼女のところに行っていなかった。
「ねぇ君。研修は誰と行くんだい?」
質問しながら俺の後ろの壁を思い切り叩く。
壁ドンの構図になる。彼女の方が身長が低いのに圧が強くて身長が同じか自分の方が小さく感じる。
「ξの先輩達とです。」
「そりゃあ良かったね。ξは強いし安定してる。家庭を持ってるメンバーもいるしね。でもインパクトに欠けるよ?戦争ってのはこんなのなのかって。別にξが臆病と言っているわけじゃない。彼ら強すぎて味方に全く死者や負傷者を出さないんだよ。起きたら隣の仲間が死んでいる。
仲間が隣で撃ち抜かれて死ぬ。
砲弾飛び交う中特攻し人間の血肉に塗れながら戦い続ける。それが戦争じゃないか?どれだけ気を張っていても簡単に死ねるものだよ。」
「な、何が言いたいんです?」
「研修でξに同行するんじゃなくて私と同行しろって事。君は私の事を無視するみたいだから同行させる。気を張っていても簡単に死ねるってことを身に感じさせる。」
「いや、流石にこの後出発だと言うのにそれは無理です。帰ってきたら話をじっくり聞きますから。」
「いや君が帰ってくる保証は?もし帰って来れても私がいる確証は?」
「すいませんが時間が無いので失礼します!」
逃げた。なんかあの人ヤベェよ。関わらん方がいい人リスト上位だろ。三峰エリンは女子寮にしかはいれない。男子寮には来れない。男子寮に逃げ込んで、装備の点検を始めた。
「おう、ジンムさっきの見たぞ、なに?痴話喧嘩か?実はそういう中だったのか三峰エリンと。ハハ、中々すげぇやつだなお前。」
「いや違うわ。1度助けてもらったけどだる絡みしてくんの。まぁ俺が悪いっちゃ悪いんだけど。」
「そうだな。お前怖ぇか?」
「わかんない。多分怖いんだろうけどξの先輩達と行くからなのか怖さは無いのか。よくわかんない。」
「ま、最初はそんなもんだ。んで、戦場に行ってチビっちまうんだよ。そこで弱いやつはビビりすぎて腰抜かして先輩の言うことを聞けなくなっちまう。それじゃ死ぬぞ。1度行けば段々戦争ってもんがわかってくる。いいかξのヤツらの言うことは絶対に聞け。結局勉学でやったことなんざ使えなきゃ意味がねぇ。頭を働かせてな。そんなの慣れてこなきゃ出来っ子ねぇのにな。最初はみんな頭真っ白だ。ξの奴らの言うことを聞いとけば大丈夫だ。」
「ありがとう。帰ってくるよ。あとチビらんようにする。」
「おう、生きて帰って来いよ。遠い平和な日本の話を聞ける相手なんかここじゃお前ぐらいだからな。」
「おう。」
絡んできたのはレンド・キミータ。先輩だ。ここでの先輩後輩の壁はあまりない。寮では仲良く明るく過ごす奴が多いが、それは平気で仲間が戦死することもMIAすることもあるからだ。誰とも関わらなければ確かに死なれてもダメージは低い。
しかしそれじゃ雰囲気が悪い。だからみんな素を出して互いに関わる。
基地から6方向の出口に繋がるエレベーターに全員を乗せた装甲車で乗る。どの出口に出るかは完全ランダムだ。そして出口も基地からの距離はバラバラ。出口はそれぞれが5重になっており通った門が閉じてからでないと次の門は開かない。
今回は目的地とは反対に出たようだ。流石に5000kmは遠すぎるのでインドへ向かってそこからチャーター機でドイツへ飛ぶことにした。
ドイツが革命派を支援する理由。それは新生ロシアへの借りを作っておくことだ。ロシアは21世紀に起こした侵略戦争に敗北、侵略行為をして世界の平和を乱したとしてとても重い罰が下されており、ギリギリ国として保てているだけでほぼ崩壊してるに等しかった。国民は重税により苦しんでいたため革命を起こしたということだった。ロシアはほぼ死んでいるに等しい。だから革命派を支援すれば簡単に仮を貸せると考えたドイツは支援している。この時ロシア政府を支援したところでなんも旨みがない。貸した借りが帰って来る訳では無いからだ。ロシアは世界の嫌われ者になっていたためドイツを糾弾する国はひとつも存在していなかった。
「にしても今回は遠いな。普段は精々1000~2000kmぐらいなのに。よっぽど報酬がいいんだな。」
「おい?俺ヨーロッパで戦争なんて初めてだぜ?砂漠でしか戦ったことねぇよ?」
「俺もそうだ。中東か北アフリカの戦争にしか行ったことはねぇ。」
「でも多少は戦いやすいんじゃねぇの?中東に比べりゃ戦地に障害物は多いだろうからな。」
「そうだとありがたいけどな。」
そんな話をしながら車を走らせ1500km、2日かかった。そこからチャーター機でその日中にドイツに着く。
エンジンに火をつけ、加速していき、空へ飛び立つ。操縦はアシータが行っていた。皆一通り乗り物の操縦は会得しているがアシータが1番上手いらしい。本機はただの飛行機だから武装も積んでいない。その辺の民間から借りた普通の飛行機。しかし世界の変化に井の中の蛙は気付いていなかった。
このパターンはジョセフか。
井の中の蛙はそのまま井の中の蛙大海を知らずから持ってきました。彼らは政治には明るくないということです。