修練。出会い。
危うく1ヶ月に1話を早速破るところだった。
あいだ間に書ける方法がわかったので頑張って文字数増やしていきます。
正式にH2に加入した俺はまず研修と勉強としてしばらく研修員として基地にいることになった。勉強というのは勿論戦いについて学ぶ。銃火器の扱いからビークルの運転方法、応急手当キットの使い方、そして応急手当の方法。その間仕事に出ることが出来ないため基地の雑用係をさせられていた。
今日はボスが実力を高く評価したH2のエースの帰還だった。なんせ一人で紛争をひとつ終わらせてきたそうなのだから凄さがわかる。そんな人を一目見たくて入口で待つことにした。
しばらく待っているとローターの音が聞こえた。真っ赤に染まったヘリがこちらへ飛んできていた。一瞬帰ってきたと思ったが少し変だと思った。戦場でヘリが真っ赤だなんて視認しやすすぎる。本当に本人なのかと。気になって門番にそのことを聞いてみた。
「真っ赤なヘリ?馬鹿なこと言うな、ローターの音なんて聴こえないしそんな機体どこにあるんだ。見渡しても飛んでないぞ。」
「そうだぞガキ。そもそも俺達が存在を確認する前にレーダーに捕捉されてるっての。」
門番に全く相手されなかったので基地情報部へ向かった。
「真っ赤なヘリだァ?そんなの見える前にレーダーで探知出来るから。」
誰も相手してくれないので自分で基地の共有武器庫からライフルを三丁持ち出した。重たい。大昔からどんどん軽量化されてきたとはいえ弾薬と防弾装置を合わせれば10kgは簡単に超える。戦場に出て、帰ってきている兵士たちが実際に装備しただけで凄く感じた。
その頃基地はエースの帰還で多少盛り上がっていて、何人か陣夢がしたように外に出て来ていた。
しかし彼らは直ぐに本当に帰ってくるのか怪しんだ。赤いヘリに騒がしいヘリのローター。彼は機体を青に染めたステルス戦闘機のはず。装備を取りに戻る前にヘリはミサイルを基地に放った。
「敵襲だー!」
ライフルを構えた陣夢はヘリの操縦手を狙った。ローターを撃ったのではそのまま基地内に墜落するかもと考えたからだ。しかし普通襲撃なのだからヘリ一機はおかしい。となれば特攻が最初からの目標かと思った。わざとバレやすくして撃墜を促している可能性がある。そうすれば敵の思う壺で面白くない。標準装備に含まれているジェットパックを装備し、グラップルガンでヘリのスキッドを狙う。偶然命中し巻き上げ、ヘリに近づく。もし戦闘員が居たとしてもヘリのローターがうるさすぎてバレないだろう。ヘリの中によく狙いを定めてまずフラッシュバンを投げ込む、効いているかは分からない。その後スモークグレネードを投げるが機体に当たって落ちていった。ライトマシンガンを制御できるとは到底思えないが片手で持ち敵をすぐ撃てるようにする。そしてヘリのスキッドを掴んで中を覗く。人は居ない。近距離ではライトマシンガンは不利なので、ハンドガンに持ち替えてコックピットに向かう。外から銃弾が機体に弾かれる音が連続して聞こえてきた。恐らくパイロットはそちらに気を取られているに違いない。一気に制圧しよう。ドアを蹴破り、
「命令を聞け!反抗する場合即座に射殺する。ヘリを指定の場所に運搬の後お前らを捕虜として……」
操縦席に寄りながら叫んだ。が操縦席を見た時驚いた。操縦手は人間でなかった。恐らく人工知能だ。いくら技術が進歩してきたとはいえ遠隔操作のラグは消せない。鹵獲出来ると思った俺は操縦席に座り、訓練で習ったとおりに操縦して基地を囲む崖の上に着陸させた。まだ今の腕前じゃ基地に損害を出しそうで怖かったからだ。人を呼んで基地に移してもらおうとコックピットを出る。しかし妙な違和感に襲われる。なんだか機内が狭く感じた。外から見たらヘリは25×7×12mはありそうなのにコックピットを除いた機内は5×7×3mぐらいしかないように感じる。中をよく見渡すと壁と思っていたのは荷物だった。荷物をよく調べようとした時嫌な勘がした。
「いや!こっちに来るな!なんかやな予感がする。」
こっちに向かっていたパイロットを止める。
丁寧に梱包をナイフで壊していく。酸素と結合したら爆発する爆薬かと一瞬思ったが、あれはあまり実用的ではない。運搬中に少しでも梱包が傷付いたら爆発とか使いにくくて仕方ない。中身は粉末だったので少量ヘリの外に出し、少し離れてハンドガンで粉末を撃つ。着弾すると粉末は爆発した。やはり、最初からこのヘリの目標は基地への特攻だったのだ。
「大量の爆薬を積んでいた!基地からヘリを離す!」
コックピットに乗ってヘリを動かそうとした時、何かが空気を切る音が聴こえたので咄嗟に装備で頭を守っていた。肩に銃弾が命中する。まずい。狙撃手が狙っている。ターゲットは爆薬か。すぐにヘリを基地から離そうとしたが遅かった。爆薬に銃弾が命中した。そのことを感じ取った俺はヘリの外に飛び出した。背後で爆発が起こる。頭を必死に守る。爆発の勢いで吹っ飛ばされていた。ナノマシンにて修復されていく身体に対し、崖からも飛び出して宙に投げされていた。いくらナノマシンでもこと高さの落下は救命できない。パラシュートは崖が近く展開できなかった。そもそも爆風でパラシュートはイカレてしまっていた。死を覚悟した時足が掴まれる。
「意識を保てよ!」
ゆっくり周りを見ると真っ青にカラーリングされた小型戦闘機だった。
「コックピットに乗れ!早くしろ!」
操縦手の腕を掴もうとする、しかし生まれた時から固かった身体ではギリギリ腕に手が届かない。ここに来てから柔軟をさせられても以前から変わらず、身体は固いままだった。
「早くしろ!死にたいのか!手を離すぞ!」
必死に必死に掴もうとした。その時身体中に折れた音が鳴り響くと共にやっと腕を掴むことに成功した。
「ほら!座れ!固いヤツめ。」
コックピットに座ると折れた音の正体がわかった。
腰の骨が折れたのだ。座る体勢が辛かった。なんせ腰に激痛が走っている。
操縦手が戦闘機を基地のポートに停めると俺は座る体勢が辛すぎてコックピットから自ら転げ落ちた。落下の衝撃が死ぬかと思うぐらい痛かったが爆風の方が痛かったし、なんなら爆風で骨折している所なんてもっとあるだろう。というか自分が何気に無理な行き過ぎたグロとかでは無い感じに全身がなっていて気を失った。
骨が所々から突き出ていた。
意外と内臓飛び出すとかは平気だけど骨が突き出すとか血がいつまでも止まらないとかが無理な自分。
保険の授業辛かった。
多分応急手当とか止血無理。
それに気付いたのがナノマシンの設定生まれた後で良かった。危うく気分悪くなりながら止血方法とか調べるところだった。過去の自分に感謝。