無一文
作曲してたら6月終わってました
あと結構書いたのに保存忘れて書き直しました
保存したはずなんですけどね
え?と素っ頓狂な声をふと出してしまうと、顔が死んでいたのか軽くビンタされる。
「ねぇ。ついてきて。」
「いや、一応任務なんだけど・・・」
でも何もない以上知人を頼るしかない・・・そう思い無言で歩くエリンについていく。
30分も歩いたころ。一つの大き目な建物に着いた。恐らくここは航空機の格納庫なのだろう。
ゲームとかで見たのがこんなのだったような気がする。そこに連れられると中にはエリンの愛機ブルービーが。任務に出る前に聞いたのだが、彼女は“インビジブルブルー”と傭兵間では呼ばれておりとても有名人なんだそうな。機体はとても鮮やかな碧で塗られている。青空のようだ。動力源は核だと言う噂もある。
何故彼女がインビジブルブルーと呼ばれるのか。レーダーに感知してもすぐには目視できない。近くに来て空の色が違い、騒々しいエンジン音を聞いてやっと敵は肉体的に感知する。しかしその頃にはもう手遅れ。目撃者は消されてしまう。敵からすれば見えない敵によって味方が消されるのだ。
噂だけが都市伝説として世界中の戦地に流れていた頃なんとか逃げおおせたというパイロットがその存在を語ったことで現実なのだと知られた。彼はレーダーに写ったとともに目視して命令を無視して逃げ出したのだという。距離にして30km。彼は6機編隊であった。彼が逃げ出してから5分後、ふと悪寒がして避けたところに機銃の弾が通る。おそらくパイロットに直撃していたはずの弾。だがその弾は右翼に当たり結果不時着。だが彼はインビジブルーから逃げ切った初の人間であった。
それほど彼女は戦場で暴れまわっていたのだ。
格納庫に入り、右手にある階段で2階に上がる。自動ドアが開き中がみえる。
「入って。そこに座って待てて。」
中にはいって座るように勧められる。そのままエリンは奥の部屋に行った。
中はそこそこの広さで白かった。ベットも多かったため恐らく医務室のような部屋なのだろう。誰もいないからか、機器が多いからかわからないが人気はない。微かに聞こえてくる音からしてコーヒーか何か入れているのかもしれない。ソワソワして腕時計をちらちらと見てしまう。あまり時間がない。
覚悟を決めて言おう。お、お金を貸してくださいと。
「ん?まだ座ってなかったの?遠慮しなくていいよ。」
年下の女の子に遠慮しないでと言われてしまった。素直に従おう。
「あ、「それ」」
「「…」」
被った。あ、あぁ気まずい。
でも一応俺は年上の男なのだ。先に行かなくてはいけない・・・のか?でも時間がないのは事実だ。いうしかない。
「あ、あのさ。いや、あのんー。」言え!言えって!不思議がっているぞ。待っているぞ本題を。
「お金貸してくれない?」その声は震えていたと思う。
「あー、うん。いくら?」
一応成人している男が惨めにも日本であれば中学か高校ぐらいの歳の女の子からお金を借りる。あぁ仕方ないとはいえ。見ないでくれ。こんな姿。一応好きでこんなことをしているわけじゃ・・・仕方なかったんだよ・・そう言い聞かせて少しでも羞恥心を減らそうとする。
「電話するだけ。」
「そうなのね。すぐ外にもあるけど10分ほど歩いたところにもあるからそっち使ってね。」
不味い。腕時計を見すぎたのか。ソワソワしすぎたか。彼女は急いでいるのを圧したようだ。
「(面目ない・・・)」
俺がダメなのか、それともエリンができた人間なのか。多分両方なんだろうな。今回は仕方ない!うん!そうだ!うん!
と思いながら財布を出したエリンからお金を受け取る陣夢だった。
依頼主に電話をかけ、次なる命令をもらう。そして簡単にだがここまでの道中で起きたことを説明した。それは関係ないと言っていたが・・・派遣される人数が少なくて質が低いんじゃダメだろと思う。それでなんとなく思ってしまった。多分依頼者は第三者の支援者なんだろう。この革命において成功すれば利益が出る。失敗すれば多少赤字が出る。その程度なのだろう。依頼者は兵器を販売している者か。それか土地を狙う不動産業者か。まぁいい。依頼者の詮索をしたところで何になるのかと言われれば何にもならない。これからを考えた方が建設的だ。来週ベルリンからユーラシア大陸最東端の港アヤンにつながる鉄道に乗って東部にあるレジスタンスの本拠地近くの戦線へ行く。
日本に送る輸出品を積んでいるそう。ロシアとドイツは表面上では仲が悪くないため簡単な検査で済むのだという。しかも米中戦争の直後に当時のロシア首相がオラオラ系過ぎてまさかの日本に宣戦布告。理由は未だに拗れていた北方領土問題が原因というのだ。日本の戦力を見たかったのか、それとも本当に北方領土問題が原因なのか。ロシアは日本に手も足も出なかった。それもそうだ21世紀初頭ですでに軍に掛ける金額は日本が上だったうえに日本は守りだけ。しかも米中どっちもけちょんけちょんにしたのだ。勝てるわけがない。だからロシアは日本に頭が上がらない。だからそもそも軽い検査だが、形式だけでやらないことが多い。だからドイツからいろんなものを鉄道に乗せて堂々とロシアの港を使って太平洋の国々とやり取りしている。
やはり歩きずらい。杖ついて行くのは流石にダメだろう。ちゃんと義足に変えるべきか。来週か。既に変なことに巻き込まれたが初任務はこれからだ。
「お願いします!給料が入ったら返すのでお金を貸してくださいませんか!」部屋に戻った俺は土下座してエリンにお願いしていた。今の状態じゃ戦地に行っても即死が落ちだ。別にこの仕事をしたくてしているわけでない。足掻いてやる。なんで志願していないのに死にたくはない。だからせめて義足をしっかりしたい。
「なにに使うの?」
「義足をちゃんとしたものにしようと思っております。これじゃ走れません。」
「あぁ~。確かにそうだね。じゃ行こうか。」
どこにだろう?
「私が知る限り世界一の義肢作者のところに。全部ツケだしね。」
ニコッとしながら言う。
そうだよな。一旦払ってもらうだけで費用は自分持ちだよな。当たり前だ。逆に少しでも出してもらったらいろいろと終わりなきがする。しかもこの場にいる者は皆、ヒンドゥー教徒ではないのだ。
「ツケだから。一広生き残ってね。ま、死んだら死んだで関係なくお金はもらうけど。」
とピースするエリン。
「あはは。」
「じゃあ、行こうか。」
そうして新しくてちゃんとした義足を用意しに外出した。