表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を越える物語  作者: 大川魚
8/15

白魔法と黒魔法

バトルものではないからあまり具体的なバトル様子は描いてません。

皆様のご想像にお任せいたします。

 第一回戦はニーナ達だった。観客席ではルーシアとメロージ、そしてムーマがグループを作り座っていた。他にもいくつかのグループは確認できるがどうやら男性一人はグループに所属することなく観客していた。彼もまたメロージとは似ている壁を感じる。

 ニーナの対戦相手であるフローリアは空間を操る系のアビリティを持っているらしく、空間移動を行いつつニーナに近づいては格闘技を繰り出している。ニーナもまた、格闘技を身に付けているらしく応えつつ距離を確保している。どうやらアビリティはまだ使っていないらしい。

 「ニーナはね、黒魔法の使い手なんだよ。だから、このバトルを一瞬で終わらせることは簡単なことなんだ。だけどね、それでもそれをしないのはこのバトルがただ勝ち負けにこだわる大会じゃないから。黒魔法はやっぱりさ、よく思わない人たちが多いけど……」

 一度はムーマの顔をみたルーシアとメロージはすぐにバトルの方に視線を戻す。フローリアは空間移動だけではなく、ニーナが逃げた先の空間を爆発させるという戦略を追加していた。

 「それでも僕はニーナのアビリティは悪だとは思わない。ニーナ自身が間違った使い方をしていないから」

 度重なるアビリティの使用で疲労感が現れてきたフローリアは攻撃のスピードが落ちている。一瞬の隙をつき、ニーナは両手を叩いた。その瞬間、フローリアの体から力が抜けていき、気絶していた。

 「勝者はニーナ、皆拍手を」

 トラビジョンの合図で拍手が巻き起こった。


 第二回戦はムーマ達だった。ニーナが戻り、ムーマがグループから抜けた。本人に確認してみるとニーナのアビリティは意図した相手を意識喪失させるものらしい。なので、あの時フローリアが気絶したのはそういうことだった。

 「ちなみに、ムーマは白魔法の使い手で、私と似て非なるものなんだけど相手の悪意を喪失させるアビリティなんだよ」

 ニーナが自慢げにムーマのことについて話す。この場合の悪意とは大きなことから小さなことにまで働くのだと。例えば、いたずら心で他人のものを奪った人にアビリティをかけるといたずら心が悪意に反応し、奪ったものを謝って返すとか。人の行動をある意味支配していることになるから黒魔法なのではないかとも話題になったことがあるが、明らかに相手を傷つけるものではないので白魔法の位置付けになっている。

 どうやらニーナが熱心に説明をしているときに決着はついたらしい。もちろんムーマの勝利。とはいえムーマのバトル様子はしっかりと確認していた。何をもって悪意に反応させたのかは本人に聞かないとわからないが、悪意を喪失させ、マリンマーブルを傷つけることなく降参させたのだった。

 「勝者はムーマ、皆拍手を」

 拍手で会場が盛り上がってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ