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世界を越える物語  作者: 大川魚
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異世界への旅立ち

 「待っていた。カロナ、ジュンマ」

 本当に二人が来るのを首を長くして待っていたディスペイヤーは一瞬の笑みを浮かべる。笑みすらも不気味だ。

 「ディスペイヤー様の提案を受けることにしました。私とジュンマが異世界転生をし、下準備をする、それについて具体的にどうしたらいいんですか」

 カロナは積極的であった。一度決めたら基本的には真っ直ぐ突き進む。だからこそ、具体的な方法を知りたがった。

 「まぁそう焦るな。そうだな……まず、異世界転移をするためには転移元の世界と転移先の世界をリンクさせる必要がある。リンクさせるために必要なのがこのクリスタルになるのだ」

 このクリスタルはあくまでそういう形をしているだけで、魔力そのものなのだとか。転移先の決められた場所にクリスタルを納めることでリンクすることが出来るという。世界がリンクされれば転移者であろうともその星の管轄になるため、排除はされないのだとか。ちなみに、転移先の世界はディスペイヤーが創造した世界ではないらしいがその世界の神様は昔馴染みのよき理解者と言っていた。いまいち信憑性にはかけるのだが……

 「だとしたら、俺たちの異世界転生は転移と違って排除されるリスクがあるというわけだな」

 さすがジュンマ。感が鋭い。

 「そういうことだ。転生といえども世界の侵入者になるわけだからな、お前たち二人ならそれも大丈夫だと信じている」

 何をもってそこまで信頼されているのかはわからないが、いや、信頼ではなく興味であるが。

 「それにしてもそのクリスタルだとあまりにも目立ちすぎるのではと思うのですが」

 カロナもまた、鋭く突っ込みをいれる。

 「それについては説明するよりも実際に見た方が早い」

 そういうと、ディスペイヤーの周辺を漂うクリスタルは3つずつカロナとジュンマの体内に吸い込まれて消えてしまった。なるほど、そういう形をしているだけというのはこういうことであった。

 トントン拍子にことが進む。後戻りはもうできない。それでも迷う余地などないカロナとジュンマ。

 「今から異世界転生を行うのだが、ひとつだけ断りをいれておく。異世界転生を二人同時に行ったことがないから、何かしらのイレギュラーは起きても保証はできない。しかし、その場合は私も影ながら力を貸すから承知してほしい」

 何かしらのイレギュラー、この場にいる誰もが想像することはできない、完全に運任せ。

 「そもそもこの提案を受け入れてる時点でイレギュラーみたいなものですから、そんなことは承知済みですよ」

 いたずらっぽく笑うカロナの表情にジュンマだけでなくディスペイヤーも安心感を覚えた。

 その瞬間、カロナとジュンマを白い光が包み込んだ。お互いがお互いを求めあい手をつなぐ。見合った瞬間に光がいっそう強くなり、次に光が消えたときには二人の姿は見えなくなっていた。その場に取り残されたディスペイヤーは身を翻してその場をあとにした。

ここで一区切り。次回から世界が変わります。

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