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淡々三国演義  作者: ンバ
第三回 温明に議して董卓丁原を叱し、金珠を贈りて李粛呂布を説く
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二、何進の最期

 張譲らは外部からの兵団が至ったと聞くと協議して、


「これは何進の謀略だ。こちらから先手を打たねば、族滅されてしまうぞ」


 そこで十常侍は長楽宮ちょうがくきゅう嘉徳門かとくもんの内に武装兵五十人を潜ませ、入宮して何太后へ告げた。


「今、大将軍が詔勅を偽装して外部から洛陽へ兵を呼び寄せ、我々を殲滅しようとしています。どうか娘娘様、我々をお救いくださいませ」


 何太后、


「そなたらが直接大将軍に詫びればよいではないか」


「もし相府まで直接出向けば、我々は血も骨も残らず木っ端微塵にされてしまいます。どうか娘娘様から大将軍をお諌めくださいますよう! お聞き届けいただけませぬならば、今すぐこの場で我々に死をお命じください!」


 太后はかくて詔勅を下して何進に参内を促した。何進が直ちに向かおうとすると、主簿の陳琳ちんりんがこれを諫めて、


「この太后からの詔は、間違いなく十常侍が裏で糸を引いています。決して参内してはなりませぬ! 必ずや禍が至りますぞ」


 何進は笑って、


「それこそ小童の見解と申すものよ。わしは天下の権勢を掌握しておるのだ、十常侍が待ち構えていたとて一体何ができよう!」


 そのやり取りを傍らで見ていた袁紹が申し出る。


「どうしても向かわれますか。ならば、我々が武装兵を率いて公を護衛し、不測の事態に備えましょう」


 こうして、袁紹と曹操はそれぞれ選り抜いた精鋭五百を袁紹の弟・袁術えんじゅつに命じて頭領させた。袁術は全身を武装で固めると、兵を引き連れて青瑣門の外に陣を構えた。


 袁紹と曹操は帯剣して何進を長楽宮の前まで護送したが、そこへ黄門の傳懿ふいがやって来て、


「太后は大将軍お一人を召しておいでで、他の者は長楽宮に立ち入らせるなとの事です」


 として護衛の者達を入殿を阻んだ。なお食い下がる袁紹と曹操を制して何進は昂然と立ち入り、嘉徳殿かとくでんの門前へと至ったが、そこへ張讓と段珪が現れ左右にぴたりと付き添った。狼狽する何進を、張譲は激しい口調でなじり立て、


「董太后は一体なんの罪があって毒殺されねばならなかったのだ! 国母の葬儀にも病と称して参列しなかったな。もともと貴様は肉屋の小人、我らが天子に推薦したがために現在の栄華があるというのに、恩を返すどころか害を為そうとするとは! 貴様は我々の事を『腐り切っている』と抜かしたが、粛清が必要なのは果たしてどちらの方かな?」


 恐懼した何進は慌てて引き返そうとしたが、宮門は盡く封鎖されてしまっていた。埋伏していた兵士達がこの機に一斉に飛び出し、あわれ何進は叩き斬られて真っ二つ。


 後世の人がこの事件を歎いた詩にこうある。


 漢室傾危し天数を終え、

 無謀なる何進三公とさん。


 幾番忠臣の諫めを聴かず、

 宮中にて剣峰受くを免れ難し。

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