七 今日こそ良い関係を築こうではないか
またもや久々ですなぁ、作者です
動画投稿に力を入れていたので少々執筆が遅れてしまいました
また今回で予め書いていた話が無くなったのでさらに更新が不定期になるかと、ユルシテ
床に使用した木の板の余りを利用して作ったお盆のような物、その上にレンガを載せ飛行する巨体、その様な不審な者は、一体何者なのだろうか?誰も世界の終わりを示すとされる【終末龍】の幼体【終末竜】であるとは思わない程不思議な行動を取る何かだ
彼の作戦はこうである、余ったレンガを在庫処分…もとい集落のエルフへ、「集落の民として居座る権利」を対価に、最高級のドラゴンの血塗りレンガを売りつけると言う寸法である
要は買収と後ろ盾と寂しさ軽減である。
「上手くいくのか…?レンガっつってもトーシロが作ったモンだろ?」
「問題は無い、クラッドの血がこれ以上無い素材だからな、高級料理がマズい訳がない」
そういうものか?と首を傾げるクラッドの目には、既に集落が映っていた
「それにしても…お前も物好きだな、なんで人間〈エルフ〉なんかと…?」
…その全てが凍りつく一言で、静寂がこの空間を支配した
「あぁいや!言いたくねぇなら別に良いけどよ…気になるというか…何と言うか…」
クラッドはフェドの反応で自身が踏み込んではならない地雷原を歩いていると悟る
「気を遣わなくて良いぞクラッド、いつか、な…」
余り他人に話したくは無い思い出…
自分だけがこの思い出を未だ抱いている…今はそれだけで良い
ちょっとした雑談をしていた内に、事前に決めた着地ポイントに到着した、集落は普段どおり、バレている訳ではなさそうだ
「よし、私が先陣を切る、お前はソコで待っていろ」
意気揚々と集落へと向かったフェド、なるべく頭を地面に近づけ威圧感を消す、次に森から顔だけ集落に見せる、最後にレンガを渡し、エルフの動向を聞き耳立ててじっくり聴くのみだ
傍から見たらクソ間抜けに見えるだろう、それでいい、エルフ達にクソダサく見せる事が出来れば初期段階はクリアと言えるだろう
「えっなにあれ…うわ…」
クラッドはガチ引きしていた。
レンガをエルフの集落に置き、自身は無害だとアピールする竜
本当にこんなのが世界を滅ぼすとされる【終末龍】の幼体なのか…
竜としての頭のネジが1本2本…いやもっと沢山のネジがイカれているとしか思えない
「「長!危険です長!」」
集落の人々とは一味違う、西洋風の鎧を身に纏い武装した若い男エルフ二人に抑えられた一人の少女が野次馬の集団から顔を出した
「良いから手を離せ!あー…『ソナタは我々に何の用があるのだ?』」
私に聞かれてるのだろうか?
フェドは念話を使用できない、その為長老と呼ばれる金髪エルフ耳尖りロリババアに言葉を返す事ができない
念話というのは相手に自身の心の声を伝える魔法であるため、受け取れても送ることができないのだ
「…念話が使えんのか…?」
首を縦に振り質問に対する肯定を表す
「こりゃ驚いた、念話無しで我々の言葉が理解できるとは…人と関わるのはコレが初めてじゃないという事か、竜よ、ソナタが何故ココに来たのかはわからんが力になれるかもしれん、とりあえずココで念話を習得すると良い」
金髪エルフ耳尖りロリババアは、そこまで歳を取っていないような見た目をしている癖にとても聡明で察しが良い、今度からは長老と呼んでやる事とする
それは置いといて、念話を習得できるチャンスが生まれた、コレを活かさない手は無い、すぐさま首を縦に振り教えを請う事にし、その事をクラッドに伝えようとするが…
『ちょっと待てよ!テメェ、下等なニンゲン共に教えを請うつもりかよ!!』