#07 異時代交流 〜提案編〜
達也は名波さんに勇気を持ってとある提案をしてみた。
達也「な、名波さん?この後って時間ありますか??」
達也は少しおどおどしながらも名波さんに問いかけてみた。
名波「うん。全然暇だし、時間ならいくらでもあるよ?なになに??」
名波は達也が妙な問いかけをしたからか、食い入るように返事をした。
達也は名波の反応に少し驚いたが、問いかけを続けた。
達也「そうですか。もし良かったらなんですけど、僕の部屋を見ていきませんか?」
名波も達也の意外な提案に少し驚きながらもすぐに返事をした。
名波「お?一体いきなりどうしたのかな〜?君の家ここの近くなの?」
達也は少し濁しながらも答えた。
達也「い、いや、ここからだと恐らく徒歩ではきついと思います。。。」
それを聞いた名波が少し目線を斜めに逸らした後、こう続けた。
名波「じゃあそれなら車で送ってってあげようか?それなら大丈夫だよね?」
達也は予想が的中したので少し安堵したような表情で答えた。
達也「そうして頂けるとありがたいです。道は案内しますのでお願いします。」
すると名波はスッと立ち上がって机の上に置かれていた鍵を手に取り、玄関の方へ向かった。達也は慌てて後をつけるようにして、名波と共に玄関の方へ向かった。
外に出てみるといつの間にか雨が上がっていた。家の中の雰囲気に圧倒されて雨音がしなくなっていた事にも気づかなかったのだろう。雨上がりの香りも達也が知っている匂いとは少しばかりか違う気がした。辺りをキョロキョロと見渡す達也に向かって名波は少し声を大きくして言った。
名波「おい、少年。早く乗りなよ〜。もう準備は出来てるぞ〜」
それを聞いた達也は少しびっくりした様子で名波の車に飛び乗った。
達也は車に乗る事が好きなので、旧車に乗れるのは正直嬉しかった。無論この世界では現代の車だが、達也にとっては旧車だった。名波と達也を乗せた車は濡れたアスファルトの音と共に走り出した。