求められる二輪の航続距離(筆者が)
250ccでリッター30kmを越えるバイクは昔は珍しくなかった。
短気筒ならそれなりにある。
でもそれらが航続距離が長いかというと別。
10Lぐらいしかタンク容量が無いなんてザラ。
14LタンクのCBR250Rは当初購入検討リストに入っていたけど、何故私はアイツの存在を忘れていたのか……
ドリームさん燃費いいバイク欲しいって言ってたんだからCB400ゴリ押ししないでCBRの紹介してくださいよ。
今日はちょっとしたガソリンの話。
筆者がガソリンを入れるのは深夜だ。
都内某所では23時を過ぎると3円引きになる場所があり、そこでハイオクを入れるとそこらのレギュラーガソリンの価格で入れられるからだ。
どうしてこんなセールがあるかというと、この深夜割引が適用できる理由にはタンクローリーが関係している。
深夜中に一定以上タンクを減らしておき、タンクローリーがガソリンを運んでくる回数を減らしたい、定期化したいと考えている所でそんな割引をしているのだ。
よってこういう割引があるスタンドというのは「高速道のすぐ近く」という場合が多い。
様々な要因によってこれが可能だからこそ、筆者は今日もそこそこの値段でハイオクを楽しめている。
バイクに乗るようになって一番気になりだしたのはガソリンスタンドだ。
今では都内でも八王子より西側だと「土日営業せず」なんて当たり前にある。
奥多摩みたいにライダーなどが集う場所でもない限りやっていないなんて珍しくない。
なので、より安く、より安定的に給油したいと考えた場合、基本的にスタンドのブランドは2つに絞られる。
「昭和シェル」と「エネオス」だ。
どちらもスタンド数は極めて多い。
特に今後エネオスについては「エッソ」とか「ゼネラル」も統合予定なのでさらに多くなるだろうし、出光興産の状況次第では昭和シェルもスタンドを増やすことになるだろう。
ロングツーリング重視で週末500kmなんて人間が今後10年を考えたら「このどちらかを有効活用する」以外手段は無い。
しかしこの2つのスタンド、意外にも多くの弱点を抱えている。
その弱点を含めてバイクの航続距離についても説明してみたいと思う。
まず1つ。
昭和シェル、エネオスの2つについては双方ともに「掲げた看板より大幅に安くなるパターン」というのが存在する。
それは何も「看板に掲げた金額が現金価格」というだけではない。
最初に昭和シェルを例にして説明したいと思う。
昭和シェルの場合、割引は「昭和シェル会員カード」または「ポンタカード」が基本。
大体メインで使う人はここと契約している。
これで現金価格より2円引きで、表向きの看板に書いてある会員価格通りの数字。
しかしここからさらに割り引きが可能だ。
それが「Shell easy pay」である。
カード情報をICチップ式のキーホルダーのように保存させたものだが、これを使うと「さらに2円ほど安くなる店舗がある」
なので例えば「ハイオク147円」と表示されていてもEasy payを使えば145円になる。(全店舗ではない)
だがしかし、上に2度書いたように「全ての店舗で使えない」という最悪の弱点がある。
このせいで「ただでさえ高い表示なのに給油代が全然安くない」ことがある。
何よりキツイのは「割引があるかどうかは」はホームページ上の店舗情報に記載されていない。
実際に行ってみないとわからないのだ。
行ってみればわかるが、ド田舎の山の中なのに平然とEasy payが使え、さらに表向きの表示金額が149円なのに割引などで145円で入れられる場所とか平気であるんだよね。
給油に使う機器もアナログ表示みたいなタイプの所でもなぜか使える場所は使えるし、そこでなぜか割引されることがある。
逆にセルフ24Hでも使えない場所はEasy payすら使えないし全く割引が利かない。
Easy payが使えないとゲンナリする。(一応店舗検索で避けてはいるのだが、目の前に24Hスタンドがあるとやっぱりとりあえず入ってしまう)
できれば「割引可能」でかつ「Easy payも使える」店舗とそうでない店舗は分けて表示してほしい。
本当に値段が違うんだよね。
じゃあどれぐらい割引が凄いか説明しよう。
まず私のよく使う地元のスタンドだが、今日の時点でハイオク145円と記載されている。
だが23時を過ぎた段階でここで入れたら137円になる。
おおよそ「8円引き」である。
この内訳は。
Shell Easy pay 2円
深夜割引 3円
Shell LEXカード割引3円
深夜割引は「ICチップ使用限定」
つまり、Easy payがない場合、「142円」これでも安いが137円なんて会員価格のレギュラーとほぼ同じなんで、めっちゃ安い。
このような謎割引などもあるせいで、表の会員価格がまったくアテにならないから困るんだ。
何がアテにならないかって、例えば「140円」と表示されている店舗でEasy payが使えても、「140円という価格が全ての割引が適用済みの条件」だったりするからだ。
こうなると140円は140円なので、表向き5円も高い店の方が1Lごとに3円も安くなってしまう。
燃費の悪いバイクに乗っていた頃の影響でこういうのが気になって仕方ない。
まあ最近ようやくわかってきたけど、天井にポンタバルーンがある場所は高確率でいろいろ割引がある店舗だということがわかってきた。
あのバルーン。そういう店舗に昭和シェルが配布してるようだ。
なので私はポンタが見えたらハイオクを入れる合図だと頭の中に入れている。
4L以上減っている場合は入れるように心がけている。
次にエネオスにおいての話だけど、エネオスの場合、「エネオスなのに会員カードが使えない」とかいうケースがある。
「宇佐美」や「太陽石油」などがエネオスの看板を掲げている場合などの話だ。
安いと思って入ってみたら会員カードが使えず、現金価格になるというケースが何度かあった。
また、統合の影響なのかエネオスのガソリンカードが使えないスタンドがある。
正直言って、統合が性急すぎやしないか?と思う。
今後さらに進む統合だけど、そもそも「ヴィーゴ」などの供給具合もちゃんできるのか疑問だ。
昭和シェルと併用しなければ地方だとマジで給油が苦しいんだけど、どうにかしてほしい。
筆者が昭和シェルを愛用する理由は「Easy pay」が使えなくてもある程度安いスタンドが多いからなんだけど、エネオスの場合は会員特典ありきなんで割と高くつく。
リッター150円以上ガソリンには払いたくない。
それでも都心部を離れると「何も考えずに走っているとどうしても使わざるを得ない状況が来る」ので結構苦しい。
そのあたりは以前も書いたと思う。
そんな状況で注目されるのは航続距離だ。
なぜ航続距離に注目なのかは後述する。
初めて言っておくが、筆者は「航続距離は500km欲しい」人間だったりする。
最低限、「東京と大阪間は高速を使う場合は無給油でいて欲しい」と願う人間である。
そんな私が正直に言うが、航続距離で最も優秀な成績を叩き出しているのはホンダである。
パワーというか、エンジン回転数を捨ててお財布にやさしいバイクを販売しているのはホンダ。
これは間違いない。(錆やリコールモノの欠点、ビビリ音などの弱点を全て除外した話)
例えば筆者はこの間スズキのとあるバイク2種に乗って少々落胆したことがある。
原因は航続距離にあった。
Vストローム650とVストローム250の話だ。
こいつらは表面上「600km近い航続距離がある」といわれ、筆者はルンルン気分で試乗した。
その結果は、Vストローム650は街乗りじゃない定速運転の場合は「リッター26km~27km」程度。
Vストローム250は同じ条件で「リッター28km」程度。
600kmは不可能だった。
というかVストローム250は500kmにも到達できなかった。(街乗りじゃなかったのに……)
まあエンジンの仕様からいってそこまで期待してなかったが、悪いけどそこまで燃費が良くないと言われるアフリカツインあたりとそんな印象が変わらん。(アフリカは60km~80kmあたりの定速走行にめっぽう強い仕様)
650はタンク容量が20Lもあったので500kmは走ったけど250はいろいろ無茶してるなあと。
Vストローム250については正直期待ハズレで次期バイクリストから完全に消滅した。
これ多分、60kmでもそれなりにエンジン回さないといけないから燃費良くないんだろうなあ。
買うなら650の方やね。
にしたってリッター30超えてくれないのはどうなのか。
まあでも、スズキのバイクのためを言うと、ヤマハもカワサキも新車購入可能なバイクで250cc以上の場合は大体同じぐらいの燃費だ。
MT-07は車重の軽さ故か案外30kmを超えてくることもあるんだけど例外はヤマハだとMT-07とその兄弟車種たるXSR700だけど、こいつらはめっちゃ軽い分のアドバンテージに思う。
そんな中、ホンダにおいては少なくとも400cc帯以上で5車種簡単に30Lの燃費を超えてくれる奴らがいる。
1つは400X、400R、400Fという、1つのフレームとエンジンでツアラーとネイキッドとフルカウルスポーツを販売しようとした世界戦略車の3種。
こいつらの燃費は街乗り都心部で32kmとか叩き出す。
16LタンクのCBRは大阪まで高速を使う事でギリギリ無給油でいけた。
巡航状態なら1L40km近く出るというが、さすがエンジンだけのホンダやね。
この3車種以外に同じく低燃費として有名なのがNC750シリーズ(日本では2車種展開)。
こちらも1L30は軽く超えてくる。
こいつらのエンジンどうしてこんな燃費がいいかというと、ホンダが統計データを基に燃費だけを狙ったエンジンを作ったから。
それは「日本人の実に9割の人間がレッドゾーンまでの限界までのうち4割程度までしか基本的にエンジンを回さない。」という事実である。
しかもそれが案外日本人だけでなく、アジア人や小排気量を好むアメリカ人など、結構多くいたのだった。
これはホンダが大量の自社のバイクを回収した際のECUのデータなどから判明したもの。
だからホンダは「フィットのエンジンの構造をベースに、7000回転ぐらいで打ち止め」のバイクとしては極めて回らないエンジンを作り、それをバイクに搭載し、さらに世界戦略車として販売した。
それこそがNCシリーズだ。
400X、400R、400Fの三兄弟はこの成功を基に「400ccならもっと低燃費で作れるぜ!」といって作ったもの。
こいつらが燃費だけ見れば本当にできる子だったことに最近気づかされた。
最初に乗ったCB400の選択肢が間違っていたのだ。
筆者の乗り方で相性がいいのはCBではなくCBRだったんだなと。
CBR250Rは高速道の際のエンジンの振動が気になってやめたけど、そういう振動に悩ませる事が無いCBR400はこんな燃費がいいとは思わなかった。
CBR250Rは14Lタンクだけど1L/40km近く出るので全然気にならなかったが、タンク容量2LアップでCBRは大阪まで無給油でいけたのは凄い。
そりゃ確かにCBRが米国で「最強のミドルツアラースポーツ」とか評価されるだけはある。
この燃費は凄いよ。
Vストローム650はいいバイクだったんだけど、本当に偶然大阪まで乗っていくことになったCBRに事前にのっていた影響でツアラーとしてCBRの方がなぜか上回っていて評価が落ちた。
逆を言えば、CBR400Rが凄く良かっただけなんだけどさ。
そのCBR400RとVストローム650が教えてくれた事は、給油なんて度外視でもいいという、長距離ツーリング重視の筆者みたいな人間が真の意味で楽しめるバイクとしては航続距離が500km以上に達することが条件の1つである。ということを改めて教えてくれた。
その理由としては、筆者の移動距離が「1日最低300km、最長800km以上にも及ぶからだ」
その状況で現在までに愛車にしてきたやつらは「350km前後」で燃料切れになる。(アフリカツインは何気に凄くて450kmぐらいイケル)
なのでいっつも「さて宿泊地を探すか」といった時に燃料がカツカツだ。
夕食前に燃料補給にいかねばならないが、補給場所が大体離れている。
ヘタすると「ほ、補給は我慢するしかない!」といって翌日までガソリンカツカツでエンストの恐怖におびえながら運用することになる。(地方のガソリンスタンドの営業終了時間が17時だったりするから)
もしくは、「最終目的地の半分あたりの距離でスタンドを探してあれこれ苦労するハメに陥る」
それだけじゃない。
首都圏で東京から観光地に行くと往復400kmは軽い。
茨城あたりに行ってあーだこーだ回ってきたら東京に戻ってきて400km。
ストレートに水戸までいって戻ってきたら300kmなのだからそれぐらい普通だ。
ということは、観光中に「どこかで1回は最低給油が必要」になり、前述したような悩みを抱える。
「たかが数百円の問題」と思うかもしれないんだけど、距離が距離なんで月数千円単位の違いが出てくるのよ……
そんな時、500kmあるとどうなるかというと。
「おっとまだ半分か。明日様子を見ながら補給するか」と宿泊地でゆったりしながらスタンドを探せる。
この心の余裕具合が割とツーリングに大きく影響することに気づかされた。
ようは「長距離だと休んでる時間帯でもまだ燃料に余裕があり」「中距離だと東京まで無給油で戻ってきていつものスタンドを利用できる」という利点がある。
これが大きい。
なぜならば、筆者はついに「昭和シェル電気」に手を出してしまったからだ!
昭和シェル電気。
「電気代は安くないんですがものすごいサービスがあるんです!」といって始まったコレ。
何が凄いかというと「月100Lまでガソリン10円引き」
つまり今日利用しようものなら127円でいつものスタンドで「V-Powerが入れられる!」ということ。
しかしこれが問題だ。
なぜなら「10円引きは関東地方のみ」という条件がついており、西側だと神奈川県まで、東側だと千葉県や茨城県までである。
となるとだ、10円割引をフルに利用したい場合は例えば西側なら神奈川県から250km圏内がベストということになる。
ではCBR400Rを使うとこれでどこまで行けたかというと、「北茨城で最期に給油してから4号線を利用して山形の蔵王まで行って戻ってこれた」
東北地方まで往復できるというのは最大の利点だ。
なんでコイツこんなに燃費がいいんだろう?
でもこの燃費重視の姿勢、割と冗談抜きで今後光るかもしれない要素だと思っている。
各社最近燃料タンクの大型化や燃費強化に熱心だが、理由がある。
それはガソリンスタンドがどんどん減ってきている中で日本国政府は「とりあえず片道150km以内に1軒という状態は最低限2040年あたりまで維持する」としていて、簡易的な給油所を作ることを各地で認め、補助金なども出す予定がある。
一方でこれはあくまで「キグナス」とか「JA」とかも含めた「ガソリンスタンド全般」の話。
昭和シェルだと最長200kmぐらい先まで店舗がないみたいな地域がある。(北海道とか)
こういう時、350km前後の現在の航続距離だと危険すぎる。
以前も書いたが、「200km離れた場所に行かなければならないのに燃料が満タンである」という状況が必ずあるわけないじゃないか。
航続距離は正義。
バイクメーカーはとりあえず本気で「巡航速度ならば500km」は確保して欲しいと思う。
そういう意味ではVストローム650は十分合格圏内。
600kmなんて誇張に筆者が騙されただけの話だ。