昔ヒーローに憧れていた少年は今ではただの不良です。
ヒーロー、男の子なら誰しもが憧れ、そしてなりたいと思うであろう存在。
俺も昔は憧れていた、なりたいとも思った、だけどそんな夢は一瞬で消え去った。
善意でやったことが悪意になり悪意でやったことが善意になる、そんなくそみたいな世界なのだ、ここは。
そんなくそみたいな世界に生まれて17年、俺はあの日以来極力人と話さないように生きてきた。
このほうが人に興味を持たれずらい、俺にとっては居心地がいい、注目されない、これこそが最高なのだ。
だが俺は今はある意味注目されている。なんてことはないあの日を境にぐれてしまい授業をさぼりがちになりよく喧嘩をするようになっただけだ。
世間一般から見れば俺は今不良という立場に立たされている。だけど別に気にしてはいない、このほうが人近寄ってこないから俺としては居心地がいい。
4月3日は俺の通ってる学校の始業式であり俺の誕生日でもある。
誕生日だからといって別にうれしいわけではない、どちらかというと憂鬱だ。
まあだけど俺は基本学校では一人だし別に憂鬱ではないが。
俺は流れるように始業式をサボり一人町をぶらぶらしていた。
うちの学校は提出物と定期テストさえ取れていれば出席日数はあまり関係ないのだ
そんな俺だが始業式をサボったと言う理由で数学教師件生徒指導の「前川利光」に生徒指導室に呼び出されていた。
「全く君は、いったい何になりたいんだね?始業式までサボるなんて。」
「何にもなりたい無いですよ,俺は一人で生きて一人で死にたいです。」
「君は成績はいいのに授業にろくに出ないからな,成績は良くても内申は下がる一方だ。」
俺はこんな長話にいつまで付き合わされるんだろうか,もう帰りたい。
「ん?君今こんな長話にいつまで付き合わされるんだろうもう帰りたいなんて思っていたのかな?」
なんだよこいつはエスパーかなにかか?的確に当ててきやがる。
「とにかく,明日の授業は全て出ること,分かったか?」
「へいへい」
俺は素っ気なく返事をして生徒指導室を出た。
はっきり言ってまだこの日までは俺の生活は安泰だった、この日までは,