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邪竜の狩場

年末やっばい忙しい…死にそう…寧ろ死にたいorz

山脈へは一時間程掛けて到着する事が出来たが。


その山脈は雲まで届く一番高い山を中心にいくつもの山が立ち並んでおり、一番高い山の頂上まで普通に歩けば何日掛かるのか考えるだけで気が遠くなる。


俺は天翔で一気にその山の頂上を目指す。途中何体か飛竜に出くわしたが、案外空中戦は小回りの利くこちらの方が有利らしく、余り苦戦する事なく氷の刃で沈めていく。


その勢いのまま雲を突き抜けて頂上に出ると、そこは凍てつく巨大な湖だった。


その中央にはどす黒い可視出来るオーラを纏った何かがいた。


躊躇わずにその何かの前へ降りる。


それはこちらを一瞥して立ち上がり、咆哮をあげる。


すると周囲に飛竜達が集まってくる。


「人間、お前は1人で何をしに来た?」


その竜は纏っていたオーラを霧散させてこちらに問う。


俺は人間じゃないよ!魔族だよ!と訂正してから答える。


「最近うちの国民襲われてるらしいから注意しに来た!どうも、魔王やってます!よろしく!」


その竜は注意だと?と呟き豪快に笑いだす。


「たかが魔族が我にたった1人で、ただ注意をしに来ただけと言うか!面白い!力ずくで注意とやらをしてみろ!」


竜はその瞬間に殺気を放ち臨戦体制に入っる。その威圧に一瞬足を退きそうになるがなんとか耐える。


どうもこの竜は好戦的な様で平和的解決は無理そうだ。それを確認して俺も氷の刃を造り出す。


今の自分の魔力は一万の刃すらも自在に操る事が出来る。


俺が踏み込むと竜は咆哮を上げて迎え撃つ。一万の刃を順に竜へと滑らせるが竜はその全てをかわす。


そのかわした先に一気に間合いを詰めて拳を叩き込もうとするが、それよりも早く尻尾の横凪ぎが脇腹を抉り吹き飛ばされる。


床に落ちる前に体制を立て直しながら天翔し、残りの刃全てを竜へと打ち込みながら間合いを詰める。


幾らかは直撃しているが全て砕かれてダメージすら入らない。その刃に紛れて蹴り叩き込もうとするがそれすらも回避されて地面を穿つ。


「流石にその強さは反則じゃない?」

「ハハッ!貴様も魔族の割にはよく動ける!もっと楽しませてくれよ!」


そう言い放った竜は飛翔しながら口に魔力を集中させて一気に放出させる。


その黒い光線は山を分断し、空を切り裂く。俺はそれを全力の氷の壁を作り盾にしながら避けようとするが、左足を持っていかれ激痛に嗚咽が漏れる。


「くっ…カンストしてこれかよ!」


俺は少し甘くみていたようだ。どうやら出し惜しみしている余裕は無いと判断して叫ぶ。


「零世界!」


俺が叫んだ瞬間周囲はキンッという音と共に周囲を銀色に染め上げ、息を空気を全てを凍てつかせる。


竜の体表が、息が、粘膜が全てが凍りつくがその動きを止めずに笑いだす。


「ようやく本気をだしたか!」


俺はまだだ、といい放ち更に叫ぶ。


「氷凍神楽!」


その瞬間その空間全てが凍った。


竜は身悶えし翼を広げて飛ぼうとするが翼を動かす度に一瞬で凍った翼が砕けて剥がれ、骨のみとなり、足を後退しようとするが凍りで地面に張り付いた足はパキンと折れて全身を地面に張り付かせる。


竜は氷凍神楽により耐性を零にされ、マイナス200度の世界にひれ伏した。


「スキルってヤバイな…」


俺は素直に感想を漏らして竜を見るとカヒュっカヒュっと息を切らして今にも絶命しそうな勢いだ。


この辺でいいかな、と思いスキルを停止させ、氷で自分の足を作ってから竜の口へいつの間にか煉獄で作っていた特製のポーションを飲ませる。


するとその翼は形を取り戻し、足が再生する。


何で俺が飲んでも足と手が治らなかったんだ!と少し不満に思ったが、その時は氷の足と義手があったからだろうと考えて、その当て付けを振り払う。


ポーションはまだまだあるので、氷で作った足を解除して自分もそれを飲むと無くした左足がうねうねと生えてくる。気持ち悪い…


再生した竜は頭を垂れて言葉を話す。


「ふむ、なかなか調子に乗っていたようだ。約束しよう、お前の手の者には一切手を出さん」

「そうしてくれると助かるよ!因みに命助けたよね?」


俺はニヤリとしながら本題に入る。


「ふむ、何かして欲しい事があるのか?」


大した事じゃ無いと伝えてから切り出す。


「向こうに人間の国があるから餌場にするならそっちにして欲しいなと思って」


竜はそういう事か、と頷いて了解する。


「つまり向こうの戦力を削りたい訳か」


頭の良い奴は嫌いじゃない。


俺は竜を味方に付けてティアルティリア砦へと戻った。その頃には既に日は落ちていた。

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