魔王の一歩
そろそろ最強のターン!
の解説のターン!
俺が目を開けると平原にいた。
イザナミのお陰で足も生えた。身体をよく見ると、服がぼろぼろになっているし、身体が臭い。
臭いの一言で片付けられない程臭い!俺はこの状態でイザナミに会って居たのかと少し恥ずかしくなり、急いで目についた池に服を脱ぎ捨てて飛び込む。
水底から泥をすくい身体中を擦る。頭も全部綺麗に洗い流し勿論大事な部分も…
そこには赤い髪に羊の角を持った少女がたって居た。
目が合い、一応どうもと挨拶する。
「きゃーーー!変態ーーー!!!」
ですよね?少女は走ってどこかに行ってしまった。
俺は気を取り直してアイテムポーチから適当な布を取り出して身体を拭き、ぼろぼろの服を創造で全て新品同様に変えて着替える。
どれだけの年月か解らないが、煉獄に居た間に髪が伸びっぱなしになっている。後で切らないとな。
髭が生えて居ないのは何故かと不思議に思うが、別に髭なんて要らないからイザナミに感謝しておく。
とりあえずと、ステータスを見る。
〈LV.100〉
【魔族】ユウ
〈称号〉『煉獄の王』『神殺し』『氷神』『大魔導師』『トラップマスター』『補食者』『拳聖』『剣聖・片手剣』『断罪者の王』『窮鼠猫噛』「禁忌を犯す者」「刀鍛冶士」
〈刻印〉『創造』『反逆』『メルの魂』『煉獄』
〈加護〉「幸運」『魔眼・忠実』
〈縁〉キリエ
〈スキル〉「片手剣X」「格闘X」「近接戦闘技術X」『完全掌握』『未来視』『天翔』『強烈』『堅牢』『韋駄天』『匠』「威圧X」「弓II」「鍛冶VII」「甲冑II」「革細工VII」「裁縫VII」「木工I」「錬金術VI」「料理III」「交渉II」「罠X」『悪食』『氷無効』
〈魔技〉『命令』『剣威』『疾風迅雷』『零世界』『氷凍神楽』「招氷」
〈魔法〉「氷X」「土I」「禁断IX」「身体強化X」『魔導の極』
なんか突っ込む所多過ぎて手の施しようが無い。とりあえず祝カンスト!
気になる所だけ見ると、まずは称号の『煉獄の王』『神殺し』『補食者』かな。
『煉獄の王』
煉獄を支配した者に贈られる称号。
刻印『煉獄』の付与
ああ、うん、煉獄支配してたんだね。次!
『神殺し』
神を殺した者に贈られる称号。
神に対峙した際にステータス100%上昇補正
神っていつ殺した?煉獄に居たのかしら?なんか称号がもっと神を殺せって言ってる気がするけど勿論殺すよ?
『補食者』
魂を喰らう者に贈られる称号。
魂を喰らった際の魔力変換効率100%
そっか、普通食わないよね、魂。なにそれ食えんの?だよね。変換効率とかもはやエネルギーとしか見てないね。
気を取り直して次に行ってみよー。
次がスキルだが、気になるのは『完全掌握』『未来視』『天翔』の3つ。
『完全掌握』
全ての気配・魔力・罠を完全に掌握する。
察知系の上位互換スキルみたい。
『未来視』
動体視力の壁を越えて時間の先を見る。
ああ、動体視力の上位互換ね。
『天翔』
天を翔ける。
空飛べるのかな、21世紀の未来道具必要無いね。
次が魔技で今一分かんないのは『零世界』『氷凍神楽』かな。
『零世界』
氷系最上級の技。マイナス200度の零世界を召喚し、全ての命を凍らせる。
零の癖にマイナス200かよ!つかこれ俺も死ぬんじゃないか?あ、耐性あんのか。
『氷凍神楽』
斬撃に氷の特性を付与し、周囲の存在全てのステータスを80%低下させる。また、相手の耐性を完全無効化する。
あれ?これ発動イコール即殺じゃね?
次が魔法か、別に説明適当なってたいよ?どうしようも無さすぎて心が付いていかないだけだよ!
魔法は『魔導の極』だけかな。
『魔導の極』
その魔導に属性は無く、魔に非ずして魔と成す魔導の極み。
ん?これは説明か?なんか哲学的すぎて理解不能だ!多分魔力操作とか無詠唱の上位互換だろ。と考えて放置!
最後は刻印だ。
『煉獄』と『メルの魂』
『煉獄』
煉獄より無限の魂を召喚し、己の力や配下とする。
つまり煉獄から魔力無限提供されたり、怪物呼び出したりって感じかな。
『メルの魂』
メルの魂。
こんな所かな。
このステータス見ると、煉獄でかなり頑張ってたんだなーとか思う。
これだけの力があれば魔族を守って人間を殺すだけの事は出来るだろうと思う。
俺は左に掛かっているメルから貰った剣を抜き、その剣身を見る。
それは途中で折れて、刃のある所も完全に刃こぼれしている。煉獄で何も考えず振り回したからだろう。俺はその剣をそっとアイテムポーチにしまう。
武器は装備していない。拳聖なら拳で十分じゃないか?と思う。
俺は赤い髪の少女が逃げた方向へ向かって歩く。
赤い髪といえばようちゃんは元気だろうかと少し心配になる。しかし今ここには居ないのでどうしようもない。
しばらく歩くと村があった。どことなく平和な雰囲気で少しほっとする。
入り口近くまで行くと10人程の武装した色んな角を付けた魔族がやってきた。
「人間か!こんな場所までどうやって!」
どうやら人と間違えられているようだ。
俺は魔眼を解放しながら叫ぶ。
「魔王様!降・臨!」
言った後でメルからのキツい突っ込みを思い出し、やらなきゃ良かったと後悔する。
若干アンニュイだ。
その言葉に武装した連中は武器を落として泣き始めた。
え?ちょ、無条件で信じて貰えるのはありがたいが、大の大人がそんな泣くなよ!
落ち着いてから俺はこの村の村長の家に案内されて丁重に扱われた。
お茶請けで出された饅頭上手い!マジで旨い!煉獄でまともな…思い出すのを止めて饅頭の味を噛み締める。ヤバい、涙出てきた。
村長の話では、今魔族に残されている土地が、今居る村を含めたグルトニア大陸の半分だけしか残ってなく、その最前線に立たされたティアルティリア要塞が落ちると魔族は完全に敗北するという事だった。
いきなり最後の砦なのね。と思いながら話を聞く。このお茶旨っ!え!?何?緑茶!?
そして既に最前線がティアルティリア要塞という事で、落ちるのも時間の問題だと村長は話した。
そこで今から要塞に行ってくると伝えようとした所で赤い髪の少女が家に入ってきて俺と目が合う。
「きゃーーー!変態ーーー!!!」
そう言って持っていたリンゴを落として少女は外に飛び出していった。
村長は何度も無礼を申し訳ありませんと謝っていたがら俺が水浴びをしていた所を見られたから仕方ないと伝えるが、それでも首が折れるんじゃないかという勢いで謝ってきた。
俺は今すぐティアルティリア要塞に向かうべきだなと思い、すぐに村を後にした。
ディオは忘れられた!1000のダメージ。
ディオは努力した!無効化された!
ディオは「WRYYY」を覚えた!主役になった!




