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はうとぅー魔王 ~異世界転移の魔王譚~  作者: 道奈 めい子
二章 目的なんだっけ?
13/31

娘は絶対にやらん!

短かったからもう一個(*゜▽゜)_□

気がつくと金木犀の様な安心する香りが鼻を擽っている。後頭部がふわふわしていてなんだか気持ちいい。


目を開けると…


「近っ…!!」

「えっ!ユウ君!」


どうやら俺はメルに膝枕をされていた様で、目の前にメル顔があった。気失って目覚めると膝枕とかベタ過ぎだろ!と心の中で突っ込みながら起き上がろうとするが直ぐにバランスを崩して元の膝枕に戻る。


「あれっ?…ああ、腕一個無くなったんだっけ」

「馬鹿っ!何であんな危ないことしたのっ!」


メルは泣いていた。俺は茶化そうとしていた気持ちを無くす。


「ごめん、でもあれ以上メルに傷ついて欲しく無くて…そういえば傷は大丈夫?」


キザな台詞だなとは思うが、悔しいが本心だったので正直に話す。


俺はメルが好きだったんだな…


「えっ…?」


また声に出してしまっていたようだ。このタイミングは恥ずかしすぎる。


メルは顔をトマトみたいに真っ赤にして俺の頭を枕に戻し、ヨウさん達にユウ君が目を覚ましたって伝えてくると言って部屋を出ていった。


俺もトマトみたいな顔になっていただろうから、メルが部屋を出て一人になった事で気持ちを落ち着かせる。

左腕を見ると包帯はしてあるが出血は止まっているようだ。


そこで気付いたのだが、俺パンツ一丁やんっ!!え?俺これでさっきまでメルと居たの?と思い出して、これであんなキザな台詞吐いても格好つかねーじゃん。とげんなりする。


そういえば、この腕はちゃんと創造で治せるかな…と思っていると頭にレシピが浮かんでくる。


「はは…やっぱチートだな」


苦笑してレシピ等を確認するが今すぐ治すのは無理そうだった。中には神の腕なんてものもあって、かなりの気にはなるがコストを見ると一生無理そうなモノだったので直ぐに諦める。どうやら腕の創造は貨幣だけでは足りない様だ。


薬や魔法なんかも探してみたが、どれも絶対条件となる材料が指定されており、そう簡単にはいなないな、と二度目の苦笑が漏れる。


試行錯誤に耽っていると、ようちゃんやダンテさん、それとギルドマスターを、連れたメルが帰って来た。


「この町のギルドマスターをやってるアルドだ。この町を救ってくれた事、礼を言う」


アルドさんは頭を下げる。俺は慌てて頭を上げるように言って、ついでに自己紹介もしておく。既にゴブリンを殲滅した後らしく、俺は四時間ほど気を失っていたようだ。


そしてギルドマスターは俺に冒険者を続ける意思があるか聞いてきた。なんでも身体欠損をした冒険者の殆どはそれまでの様な戦いが出来なくなった事に絶望して辞めていくらしい。勿論おれにその気はない。


「たかが腕一本で辞めたりしませんよ」


どうせ治せるし。

そう言うと何故か皆苦笑いをしていた。


「そ、そうか、ギルドとしてもユウの様な戦力を失うのは損失だ。だからギルドとしても色々融通させて貰う。」


そう言ってアルドさんは魔法都市ウィズリムという所に居る、腕のいい魔道技師に紹介状を書くと言ってくれた。その魔道技師の魔道具屋では魔動義手という物があるそうだ。

腕の無い奴に腕のいい奴を紹介するとかある意味皮肉だな。と被害妄想に陥っていると、アルドさんはじゃらっと音を立てて小さい袋をテーブルに置くと、これが今回の報酬だと言って金貨20枚を渡された。


今回俺が倒した?ゴブリンはキングゴブリンの亜種、エンペラーゴブリンという魔獣で、災害指定魔獣らしい。


因みに魔物にはランクがあるようで、F~Aそしてその上にSランクと、強さでランクが決められていると言う。今回のエンペラーゴブリンはAランクで、通常千人規模の軍隊でやっと倒せるかどうかの強さらしく、それを1パーティーで倒した事は偉業だという。

なので今回は俺達のパーティー全員を特例でシルバーランクに上げてくれるそうだ。


メルだけはそれを辞退していたので後で聞いてみよう。異世界の定番、ランク飛び級達成したぜ!


そうしてアルドさんは退室し、今の話の事で盛り上がったり落ち込んでみたり終いにはダンテさんが持ち込んだ酒で宴会になっていたりと疲れるまで騒いだ後で、気付いたらまた眠ってしまっていた。




目が覚めると俺の右腕が柔らかいものに触れていた…この流れは定番の朝チュンというやつか!そう思って目を開けると、やはり隣でメルが眠っていた。

俺の右手はメルの太ももに挟まれている。太もも好きな俺からすれば生地獄だ。

少し位…と思って揉んでしまいたい気になるが、いや!駄目だ!と鉄の意思で右手も鉄だと思いこんで我慢する。

それにしても綺麗な顔してるな…と見とれてしまうがとりあえず二度寝する事にした。


眠れないっ!そうこうしている内にメルが目を覚まし、俺がおはよう。と言うとおはよう、と顔を真っ赤に返事をして顔を隠す様に更に強く抱きついて来る。


強く抱きついて来るのでメルの二つの果実が押し付けられ、思考が溶けそうになる。メルトダウン?いいえ、メルでダウンです。


暫くそうしていると、メルは顔を洗ってくると言って足早に部屋を後にする。あれ?メルさん、だぼだぼのシャツの下ちゃんと来てます…?


気を取り直して俺も立ち上がり、軽い貧血を起こすがすぐに立て直して横に寄せてある服を着る。片手で着るのは慣れない上にやり辛い。服は一部破けていたので創造で新品にしておく。


着替えが終わった俺が部屋を出ると鍛冶場に繋がっていた。メルが居るんだからメルの家だよな、と改めて認識する。


するとメルは既に着替えていた様で、ご飯を作ってくれていた。


俺とメルは居間のテーブルに向かい合って朝食を食べる。メニューはクリームシチューと白パンという質素なものだった。

前回ご飯を作ってくれていた時は緊張して味わう所では無かったので今回はよく味わって食べる。

シチューを食べてみる…これは!そう、これは家の味だ!そこまで旨い!という程では無いのだが、安心するような心が温まる味だ。高級な店の美味しい料理とは違った何度も食べたくなる胃を捕まれる料理だ。メルは絶対にいい嫁になる!そう確信を持って言える究極の家庭料理だ!


「ユウ君…嫁って…恥ずかしいょ…」


やっちまった!もうこの癖は諦めるしか無いのか!?と、とりあえず話題を変えねば!


「そ、そう言えばメルはどうしてギルドのランクアップ辞退したの?」


そう聞くと、メルは少し黙り込んで悩み、ユウ君は私の事本当に好き?と聞いてきた。


ど、どうした!?なんで今そんな事聞くんだ!?と混乱するが、恐らく意味があるんだと思い、俺も男なので正直に自分の思いを伝える。好きだよ。


するとメルは頬を赤くしながら再度聞いてくる。私の過去に何があっても一緒に居てくれる?と。


俺はちゃんと伝える。


「過去に何があったとしても、今とは全く違うメルが居たんだとしても、それが今のメルを作ってるものだと思う。だから今のメルも過去のメルも、全部愛してやる!例えメルが否定したい自分があったとしても全部俺が肯定してやる。メルの手を離す時は、それは俺が死ぬときだ」

「愛して…愛してくれるんだね…」


メルはそう言って涙をながら笑った。


メルから前回聞けなかったメルの話を教えてくれた。まず最初にメルは故魔王の娘だ。公式な娘では無かったが、魔王の娘と言う肩書のお陰で、本来忌むべき存在とされるハーフエルフであっても酷い扱いは受けなかったそうだ。しかし、50年前に魔王が倒されてからは里を追われ、生前父からもらった偽装の指輪で身を隠して生きる為に冒険者として名を上げるまでになったが、名が売れて目立ってしまうのを恐れ、鍛冶士になってその深さにのめり込んで今に至るという。そこまで話した後で、再度問いかける。


「魔王の娘なんて嫌だよね… 軽蔑されても仕方ないよ。嫌いになったよね?ごめんね、ユウ君の事は本当に好きだっ…」

「大好きだよ。」


何諦めてんだこいつ、ふざけんな

メルを追い詰めたこんな世界、俺がぶっ壊してやる


「そうだよね…やっぱり嫌だよね…っえ?」

「だから、メルが大好きだよって。その話聞いてもっと好きなった。」

「なんで…?魔王の娘だよ…」


この際俺も全部ゲロっちまうか、と諦める。


「だって俺、魔王になる予定だから」

「え…えぇぇぇぇ!!??」

「それに俺魔族だし」

「え…だって…ええぇ!?」


こいつは「え」しか言えないのか?とりあえず落ち着かせるか。

そうしてメルが落ち着くのを待って、自分の事を話す。

俺とようちゃんがもともと異世界の人間で、この世界に来て魔族になった事。

チートみたいな能力もらった事。そして魔王になる事と、魔王になってどうするかという事。


全部話して俺もすっきりする。

さっきまで泣いていたメルが目を丸くしてポカンとした顔で固まっている。

駄メルの頭のスペックではついていけないのだろう。それがまた可愛かったので、俺は然り気無くメルの額にキスした。ここまで話したんだしこの位どうって事ないよ?ちょっと恥ずかしいけど。

するとメルは頭から湯気を上げて倒れてしまった。


まじかよ…

そろそろイチャイチャ回は閉店でーす。

書いててイライラしちゃうぜ!爆ぜろリア充!

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