2-1 ヒロイン1人目?
オークの魔石を拾ってステータスを確認する。
「スキルポイントは溜まってるなぁ。まぁ1レベから100レベ超えたからな。それなりに溜まるか」
スキルポイントとは『通常スキル』を手に入れるために消費するポイント。
「まぁいいか。『固有スキル』で充分戦えるしな」
俺の固有スキルは正直言って『チート』なのだろう。だがそんなもの気にしない。蛇邪丸倒したんだし、当然の恩恵だ。
「よし、まずは街に行こう。そして冒険者登録して、お金を稼いで、ハーレムだ!」
俺の目的はいたって単純。お金を稼いでハーレムを作ることだ。
「『スキル・神眼』」
神眼とはなんでもできる眼である。
千里眼「物を探すことも、人を探すことも(条件はある)。街を探すこともできる。しかも、魔物が近くに来たら教えてくれる。
ゲームでいうマップ機能と考えていいだろう」
鑑定眼「神眼で見た相手のステータスを覗ける」
予知眼「5秒先の未来が見える」
読心眼「相手が考えていることがわかる」
透視眼「どんなものでも透明に見える」
爆撃眼「唯一の攻撃技。指定した場所を中心に爆発を起こす。自分も巻き込まれることがあるのでは注意」
このスキルを聞いた人はなにを思うだろう。チート?違うな!本当の男ならわかるだろ!
の・ぞ・き・し・ほ・う・だ・い!!
ついでに言うと「『スキル・神眼』」なんて言わなくても発動できます。
「あ、魔物発見。人も何人かいるな。交戦中か。なんだあれ、赤いオーク?」
珍しいオークに期待を持ちいざ参る。
「『スキル・神足』」
神足とは光を超える速さで走ることができるもの。速さの調整も出来るようになっている。しかも、空を駆けることもできる。逃げることに関しては俺が最強だ。
俺はちょうど人が認識できるギリギリのラインで走る。向かう場所は交戦中の集団だ。
ついでに言うとこれも「『スキル・神足』」なと言わなくても発動できる。
「あ、やばい。赤いオークが女性に迫ってる。オークは他種族の女を犯すって聞くしな」
(どうやって助け出そうか……)
1.赤いオークを吹き飛ばす。
2.女性を抱き上げて避ける。
3.間に割り込んで止める。
よし。決めた。2番だ!
なんでかって?女性を抱きかかえるんだぜ?お姫様抱っこだぜ?絶対惚れてくれるだろ。
あと5秒で視認でいきるようになる。
「4.3.2.1……」
バァァァン!
その場に轟音が響いた。
赤いオークは勢いよく吹き飛び、木に突撃し地面に倒れる。
「ま、ま、間違えたーーーーーー!」
間違えた!間違えた!抱えてその場から離れる予定が!つい蹴り飛ばしちまったーーー!
「あ、あの……」
俺が奇声をあげているのに疑問を感じたのか女性は痛い人を見る目でこちらを見てくる。
「あ、はい。なんでしょうか……」
あー!くそ!こんなに美人な女性の第一印象が痛い人なんて最悪だ!
なんで俺がオークを蹴り飛ばしてしまったかって?それは、彼女が綺麗過ぎたからだ。なんか触ったらいけない気がしたからだ。
彼女の髪はキレイな翡翠色をストレートに肩の下まで伸ばしている。目も同様に翡翠色だ。服装がドレスのような服なので冒険者ではないだろう。
そして、周りにいる騎士らしき人を見てわかった。この人貴族だと。
「助けてくれてありがとうございます」
彼女は立ち上がって綺麗なお辞儀をした。
意外に好印象かも。
「いえ、こちらこそ遅くなってすみません」
少しカッコつけてみた。
ついでに騎士たちのステータスを見てみた。この騎士どもは正直言ってザコだ。平均レベル40。
ついでに赤いオークを見てみると
《レッドオーク》
種族:オーク
性別:オス
レベル:56
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MP:100
攻撃力:6800
防御力:5000
M攻力:2000
M防力:3000
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《装備》
武器:鉄の棍棒
防具:
ーーーーーーーーー
《スキル》
通常:・火だるま
ーーーーーーーーー
つえー。正直言って邪蛇丸倒すまでの俺だったら勝てなかったかも。
ってかレッドオークって言うのか。
『グギャャャャヤヤヤ!!!』
レッドオークが立ち上がりものすごい勢いで迫ってきた。普通のオークより2.、3倍速い。
だが、俺の眼には全て見えている。
「棍棒による右上段からの振り下げ」
『グギャ!?』
俺はレッドオークの攻撃を先に読みし、棍棒を振り上げる前に上空へ移動する。
「驚くことじゃない。これが力の差だ」
俺は決め台詞っぽく告げる。
そのまま上空で剣を抜き、重力に任せて落下すると同時に頭から一刀両断。
レッドオークは左右に分かれ断末魔の悲鳴をあげて消滅した。そこにはオークの魔石より一回り大きい魔石が落ちている。
「ふぅ、まぁまぁだな」
魔石を拾い上げて呟く。
「お強いのですね」
そこにさっきの女性が近づいてくる。素で忘れていた。そういえばこの人助けるためにここに来たんだった。
「冒険者の方ですよね?ランクは【A】ですか?お名前聞かせてください!」
すごい食いつきだ。メチャクチャ質問してきたよ。ってかこれって惚れられた?もしかして惚れられたかな?なんか結果オーライじゃね?
「落ち着いてください。俺は冒険者ではないです。というより、これから冒険者登録しようと思っていました」
「冒険者ではないのですか!?そうですよね。それだけ強ければ、噂になっているはずですものね」
「それよりもなんでこんな所でレッドオークに襲われてたんですか?」
『神眼』でみたがこの森にはオークやゴブリンしかいない。初心者用の森のような場所だ。レッドオークという強い魔物が現れるとは思えない。
「もちろんお話しします。しかし、助けていただいたのにお礼も何もしないのは気が引けます」
「え?いや、だいじょ「なので!」……うぶです……」
「なので、1度私の家に来ていただけませんか?最高のおもてなしをお約束します」
ま、ま、まじでーーーー?いきなり貴族の家に行くのかよ。
1人目のヒロイン?らしき人が登場しました!