5匹目
今回は短めです。
私がフェンリルに転生してから10年たちました。あれからずっと魔法の練習したり魔法で姿が見えないようにしながら空を飛んで世界中を見て回ったりと色々やりました。いやー,なかなかに面白かったなぁ。あ,そうそう私はこの10年でさらに体が大きくなりました。まぁ,正確には転生してから5年ぐらいの間に大きくなったんだけどね。生まれた時にもう十分大きかったのにそれ以上大きくなったから自分でも驚いたよ。成長スピードも普通じゃなかったしね。そのままじゃ大きすぎるから生まれた時と同じ大きさまで体を縮めてる。どうやら子犬サイズまでは自由にサイズを変えれるみたいなんだよね。だから時々子犬サイズになって街に行ったりしている。まぁ,銀色の毛の子犬なんて目立つからやっぱり魔法で姿は見えないようにしているけどね。私はそうやって平穏な日々を送っていた。
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私が住んでる覇王の森(この森には前も言った通り強い魔物ばかりがいる。しかも,奥に行けば行くほど強いものがいるため,この森の頂上まで辿り着ける者が最も武に優れている者だということで人間に覇王の森と呼ばれているらしい)はレーラン王国の王都のアルテナのそばにあるんだけどよく冒険者やミリターレ帝国の人間が力試しにやってくる。ほとんどの人間は直ぐに魔物にやられているみたいだけどね。ここの魔物達は力が強いだけじゃなくて知能も高いらしくて王都に攻め込むような事はしない。そんなことしたら流石にやられるのは魔物側だからね。何故こんな話しを急に始めたかというと。そんな森の頂上,つまり私の住処の洞窟の前に
「久しぶり。時間がかかったけど約束通り自分の力だけで会いに来たよ」
15,6歳の金髪の少年,ライナス・フォン・レドニアスが立っていたからだ。