2匹目
「はぁ~」
目が覚めたら見慣れた病院の天井だった。と言えたら良かったのだが残念ながらさっきと同じ洞窟の中だった。さっきとの違いをあげるとするならば精々外が暗くなっている事ぐらいだろう。
「元から夜目はきく方だったけどこんなにはっきり見えなかったはずなんだけどなぁ。これもフェンリルになったからかな?さっきの感じからして頭の中に何となく今の現状に対する知識っぽいものがあるみたいだし、ゆっくり整理していくかな」
まだ戸惑う気持ちがないわけではなかったけれど前世での生活でどうにも冷静な状況判断の重要さと時には諦める事も大切だという事をしっかりと学んだために一応頭の中を整理する事にした。
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整理した結果、私は自分のことは勿論、この世界のことについてはほとんど知っている事が分かった。
今、重要な知識としてはこの世界の名前がアルジェントということ。
アルジェントには大きな大陸が一つだけあり、大陸には
魔族のみが暮らすディアーロ魔国
魔法や商業が盛んなレーラン王国
軍事に力を入れており強さが全てであるミリターレ帝国
という三つの国が存在しているということ。
そしてこの世界には
人間
魔族
獣人
ドワーフ
エルフ族
精霊
神獣
の7つの種族が存在し私はその神獣のフェンリルに転生したという事ぐらいだろう。
「あ、魔法が使える事も重要か。魔法の知識もあるし、どうやら魔力もかなり多いみたいだし、折角だから色々やってみたいなぁ。それに人化の魔法もあるみたいだしこの世界に慣れたら人間に混じって生活してみようかな。それにしても私、順応能力高すぎだなぁ」
そんな事を考えながら今日はもう外は暗いようだから寝ることにした。私、転生してから寝すぎだ・・・。
ユエが寝てばかりなせいでなかなか話が進まない(´・ω・`)