カウント開始
真っ白で清潔そうな病院の一室に大人達に囲まれてベットに寝ている女性と女性に縋りつき、泣き叫んでいる少年いた。
「ユエ、ユエ、ユエ。いかないで、ねぇ、ユエ!」
(カールが呼んでる。起きなきゃ。ああ、でも、凄く眠い。ごめんね、カール。もう少しだけ寝かせて。そしたら起きるから・・・)
こうして女性、ユエ・クロードは20年という短い生を終え、永遠の眠りについた。
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『気高き罪人よ』
広いような狭いような、暗いような明るいような、言葉で表現するとしたらわけの分からない不思議な空間としか言えない場所のどこからか声が聞こえた。誰の声なのか、ここがどこで何故自分がいるのか何も分からなかったが、ユエは何故かそれほど気にならなかった。
「罪人なのに気高い何て矛盾してると思うけど?」
『汝が犯してきた罪は重い。故に汝は罰を受けねばならない』
「無視ですか」
『汝、誰よりも気高く、なしてきた功績は大きい。故に汝に褒美を授けよう』
「だから言ってること矛盾してるって」
『罰として新たな命を授けよう』
「新たな命?」
『褒美として汝が最も深く想いし者と似た者を存在させよう』
「え?」
『決して平穏ではない道を進む中、幸福を得ることが出来るかは汝しだいだ。それではさらばだ気高き罪人よ』
閲覧いただきありがとうございます。
それでは皆様。これから綴られますユエ・クロードの異世界での物語、どうぞお楽しみください。