顔がいい奴はなにをやっても様になる
「俺らの先祖はねとても非道なものばかりだったんだって、そして恐ろしく強かった・・・人の国に行っては暴れまくって国を滅ぼすことも少なくは無かったそうだよ。」
「そんな・・・ひどい・・・」
「そのときは今みたいに魔王と呼ばれる魔のものをまとめる力を持つ者がいなかった。そのせいで共食いするものも現れるぐらい荒れに荒れまくってたんだ・・・。」
「じゃあ、いつ魔王は生まれたの?」
「そんな時一人のまだ幼い少女が魔界に突然現れた、少女はこの世界では無く地球という世界から来たといった。」
「地球・・・」
「サキと一緒だろ?・・・そのころの魔たちはそんなことは関係ないとばかりにその少女を襲った。しかし、少女は襲ってきた魔たちを一人で倒した、その少女のことはたちまち魔界で噂になったよ、魔たちは人間のような弱いものをいじめるのに飽きていた。そんななかでとても強い奴が現れたんだ、魔たちは人間をいじめるのをやめて一斉に少女を殺しにいった・・・・」
「!彼女はどうだったの?」
「誰一人として彼女を倒すことは出来なかったよ。でも彼女も誰一人として殺さなかったんだ。」
「・・・すごく・・・強くて優しい子だったんだ・・・」
「うん、やがて彼女は魔界の王となり魔の者たちに領地を与え食料も与えた。その代わり争うことをやめさせた。反対するものも現れたが彼女の圧倒的な力の前では誰も口答えなど出来なかった。・・・そんな強い力をもつ彼女でも寿命はある、約8000年とゆう長い時間のなかで彼女は力でねじ伏せるだけではなく魔たちのことを考えてさまざまなことをしてくれた。」
「8000年!?ディーもそのくらい生きるの?」
「いや、長生きの種族でも1000年が最高だよ、彼女が特別だっただけ。彼女が死ぬとき皆が悲しんだ。でも彼女は《私は必ずかえってくる。たとえ何十年・・・何百年・・・何千年たっても私は生まれ変わる》・・・と言った・・・。」
「・・・その生まれ変わりが僕だと・・・?」
『そっそうなの!?』
「あぁ、今までも生まれ変わりはいたよ。そんなときはいつも魔界が危険な時・・・だから俺らは生まれ変わりのことを希望の光と呼んでるんだ。しかも最近は希望の光が現れてもいつのまにか消えていることが多くなったんだ・・・それだけ希望の光が現れる期間も早くなったけど」
『やっぱり凄い奴じゃないか!?』
「知らないよ、そんなの。それで今回は僕の前の生まれ変わりが現れてから何年ぐらいたってんの?」
「今回はまだ60年ほどしかたっていないんだ、俺も前の希望の光は小さい頃に一度だけ見たことがあるけどそのときは若い男だったよ」
「そう・・・男でもオッケーなんだ」
「今までも希望の光が男だったことは何度かあると記録には残されてる・・・・そして希望の光には共通点があるんだ」
「共通点?・・・それって僕にも当てはまること?」
60年ほど前はだいたいおじいちゃんが20歳ぐらいのとき・・・
そしておじいちゃんが昔してくれたお話・・・
共通点って・・・もしかして・・・
「もちろん。それはねみんな名前にハナモリがついているんだよ。初代魔王の名前もハナモリだったしね」
「やっぱり・・・それで、僕が希望の光だと・・・」
「うん!納得してくれた?」
「・・・はっきり言って僕バカだから70パーセントぐらい理解できなかった」
「え~~!!」
『え~~!!』
「気づかなかった?結構最初のほうから考えるのやめてたんだけど」
だってこんなに話が長くなると思わなかったもん。
ハナシガナガクナルトアタマノナカガゴチャゴチャニナルヨナ
うん、うん
「聞いたのはそっちなのに・・・」
「うん、まぁ僕が初代魔王の生まれ変わりって言うのはなんとなーくわかったよ」
「あ、あぁ・・・」
そこまでへこまなくても・・・
一番大事なとこが分かればイイジャン
へこんでる姿もかっくいいけど
「ねぇねぇじゃあさ、リズちゃんがおっきくなっちゃったのもそのせいなの?」
『あー、そんなこともあったね~』
おいおい、忘れちゃ駄目だろ。
爆発しちゃうとかいってたぞ
「おそらくそうだと思う。サキはまだ自分では分からないかも知れないが魔王の俺と同じぐらい・・・もしくはそれ以上の魔力を持っているようだしな。それがまだコントロールできなくて駄々漏れの状態だったから魔霊に触ったときその漏れていた魔力が魔霊に流れ込んで急激に体が成長したんだろう」
『そう、あのままもってたら魔霊の女王のリズでも体が堪え切れなくて爆発してた』
「ふぇー・・・、僕って凄かったんだ。」
「あまりむやみに触るなよ。俺は魔王だから大丈夫だけど低級魔族なんかに触ったら一瞬で吹き飛ぶぞ」
ぞっ
そっそれは勘弁したい・・・
「でも、それは不便じゃん。今までの生まれ変わりもそうだったの?」
「そうだが、訓練をしてすぐに魔力をコントロールできてたぞ」
「んじゃあ、早く訓練して」
「いいだろう。サキが俺の言うことをきいてくれるならな」
あぁ~そういえば勇者を倒してとか言われてたんだっけ・・・
「ん~・・・めんどくさいけど別にいいよ。ここにいたってやることなくて暇だし、僕動くの好きだし。その代わり衣食住は用意してね。あとディーが犬の姿になってモフモフさせてくれたら」
「お安い御用だ。駄目でも無理やりいうことをきかせえたしな」
黒!!
腹黒!
ディーってこんなキャラだったっけ!?
マオウダカラアタリマエダロ
え、あ、そういや魔王だったけ、ディーってのほほんとした顔だから忘れちゃうんだよね・・・
「・・・そっそっか、でもさ、ディーたちって人間よりも強いんでしょ?なんで勇者が倒せないの?」
ディーは少し恥ずかしがってもじもじしだした
・・・可愛いなこのやろう
「恥ずかしいんだが昔に比べて俺たちの力が弱くなっててな、人間たちの力がどんどん強くなってるんだよ」
するとディーは急にまじめな顔になって言った
その顔もかっこいいけどさ・・・
「いや、人間が強くなったと言うより強い勇者が現れるようになったというべきか・・・」
勇者・・・ねぇ・・・