土下座はホイホイしちゃ駄目。力でねじ伏せるのも駄目。
「なるほど、サキには魔霊が見えるのだな」
一通り今あったことを説明すると感心したようにディーは言った
「魔霊・・・?」
『私たちのことだよ』
初めて聞く言葉に僕がはてなをだすとリズちゃんが答えてくれた
ちなみにリズちゃんは魔霊族のお姫様なんだって
いきなり土下座はビビッたけど魔霊が見えるのはだいたい王族で、しかも最近は何千年も現れてなかったから僕がすごく偉い人だと思ったらしい
それより魔霊とか魔霊術とかこの世界って魔がつくものが多いんだな
「ふーん・・・君たち魔霊ってゆうんだ・・・、ねぇ、そういえばさ魔霊とか魔霊術とかさもしかしてここ魔界だったりしちゃう感じ?」
『なんだ、お前まだそんなことも知らなかったのか』
「・・・まじかい」
魔界・・・ねぇ・・・
確かにリズちゃんたちの見た目は悪魔みたいな羽が生えてるけど服はそれほど・・・どっちかって言うと天使の服を黒っぽくしたのに近い
ディーもどっからどう見たって優しそうなただの人間だ
顔が良すぎるけど・・・
「ねぇ、じゃあさディーも人間じゃないの?」
「うん、あんな野蛮なものと一緒にしないでよ。魔界の王族なんだから魔人に決まってるだろ」
・・・オウゾク・・・おうぞく・・・王族・・・
「ディーって・・・王族だったんだ・・・もしかして王子とか言わないよね・・・?」
がんばれ僕。目の前にいるのが魔界の王子でも大丈夫。僕なら気にしないよね
「え?王子?違うよ」
「あ、違うんだ。よかっ「俺はこの世界の、魔界の王様だよ?」
・・・・はぁ、なんだ、僕の緊張を返せ・・・ってそうゆうことね、
「・・・あんまり驚かない自分にびっくりするよ・・・」
ここはそっそうだったの!?って驚くところなんだろうけどなぜか驚かない・・・感覚麻痺ってんのかなぁ?
『まっ魔王様!?』
てゆーか君たち知らなかったのか
自分が住んでる世界の王様ぐらい知っとこうぜ
それにしても・・・人間が野蛮・・・これはどうゆうことだ?
普通は魔が悪で人間たちが善だと思うけど・・・?
「さすがサキ、だいたいは俺が魔王だって分かったとたん態度を変えるものなのに。俺が魔王だって分かっても俺の顔を見てたのはサキぐらいだよ?・・・やっぱり、頼むしかサキしかいないな」
最後がよく聞こえなかったけどディーは面白そう笑うと急にまじめな顔になった
ごくり・・・
ディーがなにか大事なことを話そうとしてるのが分かったから・・・ディーの本気さが伝わって・・・緊張する。
「な・・・に?」
「我らの希望の光、ハナモリ サキに頼みたいことがある。我らを・・・俺たち魔族を守るために憎き勇者をたおしてくれ!!」
がばっ!!
そんな効果音が付きそうなほどの勢いで頭を下げたディー・・・って駄目だろ!
「ちょっちょっと!顔あげて!あんた王様なのにそんな簡単に頭下げちゃだめでしょ!?」
「いやだ!サキがうんと答えるまでずっとこうしてる!」
「そんな勝手なこと言わないでよ!てゆうか脅しになってないし!僕的にはディーがその状態でも関係ないし!」
「なっ、なに!?昨日サキは俺に契約をしたじゃないか!」
「そんな顔で見ても駄目・・・って・・・契約?なにそれ」
契約ってなんのことだ?昨日僕はこっちの世界にきてディーにあってすぐ寝た・・・契約なんてものはやっていないはずだけど?
「忘れたとは言わせないからな、昨日サキは俺の、魔界の王である俺の頭に触っただろ!自分から!名前を呼んで!その時サキは俺のものになるという契約を俺と交わした!」
「そんなこと・・・やったかもしれないけど、それがそんな大事なものだと思わないじゃない!あれはただの挨拶です!」
「サキにその気がなくてももう契約はされている!サキは俺の命令には逆らえないのだ!」
そんな・・・、いや、ここはポジティブに行こう。ディーが無理やりそんなことをさせるような人じゃない・・・はず・・・
「・・・じゃあ、質問してもいい?」
「あぁ、答えられることなら」
・・・答えられないこともあるんだ
「なんで僕なの?あと希望の光ってなに?」
「あぁ、それなら話しあげよう。う~ん・・・俺たちの先祖の話からしようかな」