何事も諦めが肝心
「なんでお風呂に行くだけなのに地図が必要なの・・・」
ディーがくれた地図を見ながらたどり着いた場所は大きな扉がありそこをぬけるとどこまでも続く真っ白な長い廊下がある部屋だった
よく見るとその廊下の壁に一定の間隔で扉がありプレートがかけられている
たぶんお風呂の名前が書いてあるのだろう
たぶんというのはさっき見た地図にもなにか文字が書いてあったが僕にはまっっったく読めなかった・・・
つまり僕にはこの世界の文字が読めなかったのだ
「変なところで王道パターンだな・・・」
いらないところに地味な王道を見つけながらも僕は適当に一番前の扉の中に入ることにした
ガチャ・・・・ばたん。
えっと・・・今僕は何をみた?
オンナトオトコガイッショニうん、ありがとう・・・答えなくていいよ。てか答えるなひっこんでろ
ナゼダ?ダカラ、オンナトうるせぇー、まじお前ぼこすぞ
・・・キュウヨウヲオモイダシタノデキョウハカエル・・・
あぁ、そうしてくれお前がいると話が進まん
・・・現実逃避はこのぐらいにしとこう。だんだん僕がイタイ子になってくるから
「え~、今僕は何も見ていない、うん、そうゆうことにしよう」
まさかね、ないない、気のせいだって
だってねぇ・・・ありえないもんね
僕は気を取り直して今開けた扉のもう一つ奥の方にある扉をあけた
ガチャ・・ばたん
「うっわぁ・・・何コレそうゆうことかよ・・・」
え?
何があるかって?はっはっは驚くなよ~
何とお風呂の中に男がいるんだ♪
「え、なにここ、もしかして・・・全部混浴?」
うっわぁ・・・思いがけないところからパンチきたよ・・・
てかまだ朝なのになんでこんな風呂入ってる奴いんだよ・・・
どんだけこの城に住んでんだよ
僕が今ザッと見えてしまったかぎり一つの風呂に10人はかるくいた
風呂がでかすぎて奥までは見えなかったからたぶんもっといるだろう
「はぁ、しゃーない、これからここに結構お世話になる気満々だし諦めよ・・・」
諦めつつも一つぐらい人がいないとこがあるかもしれないと思い僕は長い廊下を歩き出した
10分ほど歩いてやっと誰もいないお風呂を見つけ出したが誰かが入ってくると嫌なのでゆっくりするまもなくあがるとそこにはゴスロリ集団が待ち構えていた
・・・後で聞いた話によるとそれはメイドさんたちだったらしいが・・・
「なっなに!?」
「お着替えをお持ちいたしました。失礼します。」
ゴスロリ集団は僕に綺麗なお辞儀をするとタオルで僕の体を拭き始めた
「えっ、ちょ、まっ」
僕があわててやめさせようとした頃にはいつのまにか髪も乾いていたし僕が頼んだ通りのゆったりした・・・スウェットとTシャツという楽な格好に着替えさせられていた
その間たったの10秒
「失礼しました」
ゴスロリ集団は驚きで固まっている僕にもう一度綺麗なお辞儀をすると足音もたてずにさっていった
「なっなんだったんだ・・・」
・・・いや、考えるのはよそう。このぐらで驚いてちゃこのさきやっていけない気がする
僕はこの世界に来てたったの二日で心が強くなった気がした
また出てきやがったなあいつ・・・