ピンクのふりふりは着るのに勇気がいる
今はいろいろあった朝食を終えてディーの執務室でさっきの話のつづきをしているところだ
ちなみにリズちゃんたちは用事があるとかで帰ってしまった
「勇者がくるってことは魔物とかが人間襲ったりしたって事じゃないの?だったら人間襲うのを止めさせりゃあいいじゃん。魔王なんだからそのくらいできるっしょ?」
「先代の魔王たちもそう思った奴がいてな、人間を襲ったものは一生性別関係なくピンクのふりふりゴテゴテの服を着て生きるっていう恐ろしい法律を作った奴がいたんだ」
「それは・・・・恐ろしい法律だな・・・外出れませんね・・・」
「あぁ、みんなそれは嫌だと人間を襲うのを止めたんだが・・・」
ディーは苦虫を噛んだような表情をした
「勇者はそんなこと関係なくやってきた・・・?」
「そのとうり。勇者も一応人間だから反撃ができなくてな、一部の種族は滅んだところもある」
・・・ご愁傷様です・・・。
そんなピンチになってもピンクのふりふりは嫌だったんだね・・・
「ん~・・・それは困るね・・・・。仲良く話し合いで解決できないかなぁ」
「それは無理だな。最近の人間は俺たちの姿を見るだけで襲ってくる」
「どっちが悪者かわかんねぇじゃん」
「人間が悪者に決まってるだろ。俺たちは先祖こそ野蛮な連中が多かったが今はちゃんと仕事をもって真面目に働いてるやつのほう多いし俺が魔王になってからは治安も良くなってきてるんだ・・・人間共はそんな俺らを理由も無く襲ってくるんだぞ!」
・・・ハイ、すいません。
あと睨んでるけど涙目だからかわいいだけだよ・・・
「あの~・・・僕も一応人間だけどいいの?」
「希望の光はだいたい人間の少女が多いからいいんだよ。たぶん初代が人間の少女だったのが関係してるんだろ」
「あ、そうなんだ。じゃあ僕は他の魔物に襲われる心配はないんだね?」
「そうゆうことだ。希望の光は特別な魔力をもってるからそれを見ればサキが希望の光だというのは一目瞭然だ」
「魔力?どうやってみるの?」
僕の体には変なところはないけど・・・
「自分の魔力は自分では見えないんだよ。魔力の扱いがうまい奴は他人にもみられないようにできるし。俺だったらサキの魔力を他の奴の目には普通の魔物たちと同じ魔力のようにみえる、って事も可能だぜ」
「なるへそ!じゃぁ早速やってよ!」
「なんでだ?」
「いいから、いいから!あと一週間だけでいいから庶民の魔物たちみたいに暮らしてみたい!ちゃんと毎日魔力の練習とか稽古とかやるから!!」
「別にいいけど・・・ちゃんと理由を説明してくれたらだよ?」
「事件は会議室でおきてるんじゃない、現場でおきてるんだ!ってこと」
「・・・俺にもわかるように話してくれ・・・」
ちっ、あの有名な台詞をしらないなんて・・・なんて親不孝な奴なんだ!
ナニガイイタインダヨ
自分でもよく分かってねぇよ
「だ~か~ら~、ここ・・・お城?にいるより人間たちの被害にあってるとこにいって実際に人間がどんなことをしてるか見てみたいの!」
「それなら俺の部下たちをつかって報告をさせればいいだろ?」
「分かってないな~・・・僕の世界にはね百聞は一見にしかずっていう言葉があるんだけどね、意味は繰り返し他人の説明を聞くよりも実際に自分の目で見たほうがよく分かるってこと!」
これで納得してくれなかったら僕のなかでディーのことはげ親父って呼んでやる!
ハゲテナイケドナ
うっせ!
「・・・分かったよ・・・ただ一人だけ俺の信頼できる部下を連れてってもらう。それが条件だ」
「うん、ありがと!ディーがはげ親父にならなくて良かった!!」
「はっはげ・・・?どうゆう意味だ?」
「あ、気にしないで!たいしたことじゃないから!]
「・・・そ、そうか・・・」
納得してない顔だけど・・・ごまかせたみたい
危ねぇ・・・はげ親父って呼ぼうとしてたのがばれるとこだった
「じゃあ紹介するがこいつが俺の部下のレオンだ」
「宜しくお願いいたします。サキ様」
さっき僕があわててる間に光の速さで部屋に入ってきたお兄さんが綺麗なお辞儀をする
ディーには負けるがかなりのイケメンだな
ヒカリノハヤサガミエルノカ・・・
忘れてるとおもうけど僕、最強のお兄ちゃんにしごかれてたからそのくらいは余裕なんだよね
「よろしくおねがいします。レオンさん?」
あれ、なんでレオンさんは漢字で宜しくお願いしますなのに僕はひらがななんだろ・・・
オマエガバ言うな!!
「私のことはレオンとお呼びください」
「りょーかいでーす。」
上下関係とかそうゆう小難しい決まりとかがあんのかな?
「レオンを一緒につれていくのが条件だが、いいな?」
「うん。もちのろんでオッケーです」
僕がにっこり笑ってうなずくとなぜかディーが顔をそむけた
・・・なぜ?
レオンさんも何で微笑ましそうに笑ってんの?
「それでは私はサキ様が住む家の準備をしてきます。なにか家に条件はありますか?」
「ん~・・・なるべく人間の被害が多いところで、あと庶民の魔物たちが住んでるような家にしてね」
「分かりました。それでは失礼します」
レオンは綺麗なお辞儀をするとまた光の速さで去っていった
・・・いいや、もう気にしない
「それじゃあサキの魔力を普通の魔力みたいに見えるようにするから、ちょっと目を閉じててね」
「ハーイ」
目を閉じるとディーが僕のおでこに手を当てた
すると僕の周りが少し暖かくなったような気がする
「はい、おしまい」
「え?もう?」
「うん、だって俺魔王だし。普通の奴がやったら5分はかかるよ」
・・・魔王すげぇー
5秒ぐらいで終わったよ
「さて、それじゃあ次は庶民の服を選ぼうか。」
すると今度はメイドさんたちが一人一つずつ箱をもって100人ほど入ってきた
100人入っても余裕があるディーの部屋にはビックリだ
「この中から好きなものを選ぶといいよ」
ディーが指を鳴らすとメイドさんたちがきっちり揃った動きで箱をあけた
中に入っていたのは服、服、服、僕が最初動きやすいものがイイと言ったからか中に入っていたのは今着ているものよりは安そうだがボーイッシュなものが多かった
「好きなものって・・・じゃぁ全部とかは?」
選ぶのがめんどくさくてそう言うとディーはもちろんというようにうなずいた
「いいんだ・・・じゃあ僕からみて右側の服はいらない、左側の服だけ持ってく。ありすぎても困るし」
「じゃあそうゆうことで、よろしく」
ディーがそう言うとメイドさん達はまたきっちり揃った無駄の無い動きで箱を閉めると兵隊さんのように・・・足音は無いけど・・・揃った動きで去っていった
あれ何回ぐらい練習したらできるようになんのかな・・・・?
「失礼します。家の準備が整いました」
メイドさんと入れ替わるように入ってきたレオン
早くね?
「ご苦労。サキ、今から行くことも出来るが・・・どうする?明日からにするか?」
「早いね・・・何日か我慢すると思ってたけど・・・」
「被害が多いところは空き家が多いからな」
「なるほど。じゃあ明日からにようかな?今日はめんどくさい」
「サキらしいな、いいだろう。」
ディーは苦笑すると僕の手をとって指先にキスをした
「怪我はするなよ?」
・・・それは反則です・・・
どこの王子ですか!
マオウダロ
・・・そっか・・・